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【セミナー後レポート】観光×DXの可能性:With コロナ時代の国内外向けた新世代プロモーション

-ライブ配信&オンラインツアーを活用した先行事例から今後のマーケティング戦略を考える-

こんにちは!ビヨンドの佐々木(@akanebeyond)です。

「With コロナ時代の有効なマーケティング施策とは何なのか?」
その答えの一つとして、弊社ではライブ配信・オンライン施策を活用したマーケティングやプロモーションを行っており、福島・島根・宮崎でのオンラインイベントや施策をご紹介しました。

この記事では福島のアフターコロナに向けた旅マエのプロモーションを目的としたツアーやコンテンツの磨き上げについて、弊社代表道越とSNS・オンラインイベントプロデューサー・河地が、セミナーの福島観光物産協会マーケティング担当・岩淵様を迎え対談していきます。

▽セミナーのアーカイブはこちら

Withコロナ時代の国内外向け新世代 観光プロモーション

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道越:今回福島で行った施策は具体的にどんなものだったんですか?

河地:福島の調査目的として、ターゲットユーザーから実際のツアーのパッケージ全般に関する意見の吸い上げを目的に、福島県の3エリア(相馬市・会津若松市・二本松市)にてアンケート調査とオンライン座談会を開催しました。

具体的には制作中のチラシまたは宣伝材料に使用しているデザインやキャッチコピー、値段など、チラシのビジュアル的なイメージ、そして実際のツアーの内容・料金について、リアルな意見を回収する事が目的です。

調査方法としては、調査対象となるチラシデータを用いて、ビヨンドが個人情報等合わせて30問程度の質問項目のweb状アンケートを作成し、Facebookターゲティング広告で旅行が好きな都内F1層(20代女性)向けてセグメント拡散をしています。

そうすることで是非来てもらいたいペルソナに絞り込んだ調査が可能になりました。


道越:具体的な実績を教えてください
河地:具体的には、アンケートに回答いただいた方の中から、福島に行ったことがある・あるいは旅行好きな20代女性にオンライン座談会に参加してもらいました。


定量調査としてアンケート回収では1エリア100サンプル以上の回収し、定性調査としてオンライン座談会に1エリア5名程度のモニターにご参加いただき、インタビュー形式で調査を実施したことで、深さと広さ両方をカバーできる深い調査を実施しました。

前まではリアルでモニターを招いて行う調査がメインでしたが、コロナを機に完全オンラインでモニター参加者に座談会で深くヒアリングを行いました。

また旅行好きな20代女性にモニターとして集まっていただき、現地のto C向きの観光の事業者、弊社社員のファシリテーター3つの視点から、

・旅行で使う費用
・どんな場所に行きたいか?
・各場所の認知度

などをご回答いただいた、という感じですね。
コンテンツのブラッシュアップに有効な手段だと感じています。

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道越:今回行った定量調査と定性調査の概要をもう少し詳しく教えていただけますか?
河地:定量調査は、仮説を量的に検証したい時に有効です。
簡易的なアンケートで量を回収できるので、簡単に多くの意見を集めることができるので、市場全体の動向を観察するのに効果的なのが特徴です。


定性調査は、内容を深堀したい時に質を検証できるという特徴があります。
一人一人にインタビューをするのがイメージしやすいのではないでしょうか。
つまり一人に聞ける内容が濃くなるので、よりコアなターゲットに生の声を聞くことが可能になるのが特徴です。またこれまでに無かった斬新なアイデアを汲み取ることができますね。
ただしモニターへの負担が大きいので、量の回収のハードルが高くなるのがデメリットだとも言えます。

なので定量調査と定性調査を掛け合わせることで、量も質も担保できたのが今回の施策の良かった点だと思います。

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ここで、実際に福島県観光物産協会の岩淵さんにインタビューしていきたいと思います。

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実際やってみてどうだったか?リアルな心境をお話いただけますか?

岩淵:定量調査を行う際にモニターのターゲティング・ペルソナ設定をした最初の段階からビヨンドさんとご一緒したのですが、webターゲティングをしたことでより精度が高い調査ができたと感じています。
狙っていた人から意見を聞きつつ、ターゲットの修正やアイデアの再検討をするいい材料になりました。

定性調査に関しては現地の人を交えて実施したんですけど、これも前例には無かった良い変化が2つあって。
一つはチラシやキャッチコピーの調査をして、自分たちが思い描いているようなプロダクトアウトではなくマーケットインの中でパッケージを見直しましょうとなったので、より訴求効果が高い商品開発に繋げられたことがまず大きなメリットでしたね。

もう一つが、現場がネクストアクションに向けてスピーディーに動けましたね。
福島の現地の人は内弁慶でしゃべるのが苦手なの人が多い傾向にあるんですけど、周りに仲間がたくさんいる、かつ画面越しなのであまり恥ずかしさがなかったので、後の会議でもいいアイデアがたくさん出たりみんなたくさん話してくれたんですよ。

リアルな話を聞ける機会だと、集まるのが大変だったり様々な面でお金がかかる割に結果が見えにくいというのが課題にあるんですけど、
今回は地元のプレゼントを差し上げた上で商品の購入の増加やSNS拡散にご協力いただいたのでコストの負担も少ないですし、何より明確な数字で結果が分かるので、効果的な分析ができていると感じています。

この方法はあわよくば商品購入の販路拡大や商品の販売促進にも繋がるのではないかと感じました。

あとは何より旅マエの効果が高いな!と感じましたね。
というのも画面越しでも一回顔を見て話すと、あの人に会いたくなるな・一緒に見たいなと思い、ハードルが低くなるので、実際に訪れてくれる人が増加すると実感しました。なのでこのオンライン調査案件は定期的にやっていきたいですね。

溢れんばかりのメリットを仰っていただきありがとうございます!現場で活かされたというお話がありましたが、実際に会議の中で出た意見で既に実施を始めたことや、変わったことは何がありましたか?

岩淵:一番速かったのは、Instagramのアカウントの開設ですね。ハッシュタグのつけ方やコンテンツ内容の見直しをした方がいいとはっきり言われたので、web広告の配信じABテストを実施する際のブラッシュアップをしたりと、普通だったらそこまで行かなかったこともできているのがメリットですよね。

―国内でInstagramで情報を収集する機会はあったと思うんですけど、ユーザーから生の声を聞いたことで行動変容に繋がったということですかね?

岩淵:そうですね、実際どういう風に出していくのかが重要な鍵になっていると再確認しました。
インフルエンサーにお願いしたら効果が必ず出るかと言うと、そんな訳ではないと思うんです。お金もかかるし、ファンが付くのはその紹介地域ではなくインフルエンサーそのものだったり。
今までやってきたプロモーションではないやり方で旅を楽しむ人が増えてきた、というのを肌で感じることができるのが、生の声を聞いたことで得られたことです。
例えば自分たちが思っているほど旅マエのFacebookでのコンバージョンが思っているより簡単じゃなかったり、そもそも旅マエはやっぱりInstagramでみんな情報収集する、というような点ですね。それが事業者側に伝わったのが一番良かったと思います。これは行政側にも是非知ってほしい内容だと感じました。

―ユーザーから直接生の声を聞く機会を持つという観点で、コロナに限らずオンラインを利用した調査は大切になりますよねー

岩淵:そうですね、オンラインは今後もどんどん活用できるなと今回のイベントで感じています。
特に物販やそれに関する調査という側面において有効的になるのではないかと感じていて。僕たちのアンテナショップが日本橋にあるんですけど、そこでのものを売るための仕掛けづくりができるのではと思っています。
例えばですけど、ECサイトと結びつけ、オフラインの集客にどう繋げていくかが肝になってくるのかなと。なので、オンラインで購入できるものもあるけど、オフラインじゃないと買えないものもあるとか、魅せ方の可能性を検討する良いきっかけになりました。リーチ数を伸ばすために何ができるかを考えると、オンラインイベントの可能性は大きいですよね。

―ありがとうございます。オンラインイベントで既に満足してしまって、商品の購入や誘客に繋がらないのではと思っていらっしゃる事業者さんもたくさんいらっしゃると思うんですよね。その中でも岩淵さんは誘客に繋がると思っていただいていますが、実際に会ってみたいという心境がユーザーの中に生まれてくるということなのでしょうか?―

岩淵:はい、たぶんこれは関係人口の増加に役立つのではないかと思っているんですよね。
以前は交流人口という言葉で語っていたと思うんですけど、言葉ほど交流しないじゃないですか(笑)
旅先で定食屋のおばちゃんや宿のおじちゃんと話すことってなかなかないと思うんですけど、座談会を通して事前にざっくばらんにおしゃべりすることで、今まで表に出てこなかった人にスポットライトが当たり、”あの人に会いに行けるんだ” とか ”あの人としゃべったなあ”という印象が残り、旅で訪れた時に絶対に話したくなるんですよね。この流れが生まれることで、関係人口の創出がより早く実現できるようになると思うんです。

震災でいまだに言われる 心配の声をいただく一方、繋がりがなければ誰も心配しないんだろうなというのは日々感じていて。

知り合いがいるから行きたいと思うし、知り合いがいるから繋がりたいと思うんですよ。その橋渡しのためにオンラインはかなり使えるツールなのかなと思っています。

道越:私は今回MCで参加したのですが、一般女性の仕込みなしのモニター募集だったので、皆さん遠慮なくこのコピーはイケてないだとか、インスタでしか検索しないだとか、層意見をDMOだとか現地でツアーを作って提供してるオーナーたちが聞いて、こういう意見があるんだ!と新たな気づきを得ているのがとても印象的で。場所の制限なく日本中・世界中どこからでも、誰とでも繋がって意見が聞けるので、これはコロナ禍だからこそ新たに生まれたプロモーションやマーケティング施策なんだなと私も感じました。

岩淵:そうですね。テレビツアーという昔であれば夢のようなものだったのが今では当たり前にできるようになったので、時代がそのような流れになってきていると思うんですけど、
濃いファンを作るのに有効的だと思いました。
今までの定量調査だけだと数は集まるけど、何に興味関心があるかまでは深堀りできなくて、あまり役に立たない意見が多いんです。

でもオンライン座談会では具体的に何に興味があるか、何が知りたいかなど深い意見を聞くことができるのが、すごく良かったですね。あとはこの取り組みがマンネリ化しないようにどう工夫していくかがポイントになってくると思います。

今回3エリアで女性の世代事に分けて実施したと思うんですけど、それぞれで雰囲気や出てくる意見も全然異なったのが面白かったですよね。

そうですね、興味を持ってくれたら色々話を聞いてくれることも分かりましたし、課題がコストの面だけなら次にどういう仕掛けができるか考えることもできたので、彼らのアンテナに引っ掛かるようにするにはどうすればいいかとか、具体的なアイデアがたくさん出てきました。


あと自分たちだけで考えていると独りよがりになってしまうことが多いんですけど、ユーザー視点で率直な意見が貰えたので、より真摯に受け止めて改善に繋げようってなったのが良かったてんですね。ターゲットからの声が一番事業者さんにも響きますから。
なのでテストマーケティングとしての可能性はすごく感じましたね。

ただ、デメリットとしては時間配分が難しいところですね。
全体的に回していく上でどこに重点を置けば効果的な意見の吸い上げができるか、そしてモニターさんに楽しいと思ってもらえるかはより丁寧に検討していく必要を感じています。

―福島は地域によって観光資源が違ってくると思いますが、PRで何か工夫していることはありますか?―

岩淵:セグメントを明確に分けて、横ぐしに挿していますね。
仰る通り福島の地域コンテンツは多様で一言でまとめるのはとても難しいので、野外アクティビティや自然、歴史や建築物等で類似したテーマごとにカテゴライズすることで、あえて各地域の違いを活かせるような工夫をしています。

新しいものに対して今整備していて、SDGsに対しての学びや教育旅行に力を入れることで、若い人たちが昔行ったことのある福島に戻ってきたい!という人に響くコンテンツの練り上げに挑戦しています。

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岩淵様、実施後の率直なご意見ありがとうございました!

次回は島根・宮崎のオンラインイベント施策のアプローチを皆さんにご紹介していきますので、お楽しみに!

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