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日々、感謝の気持ちを大切に

当たり前のことに感謝って、失ってから気づくってよく言われたりしますけど、今はまさに失ってしまうことが至るところで起こってしまっている時代。

感謝って、ほんとに日々の中に当たり前のように存在しているなと、改めて自覚した2021年3月。

2度の延期の末に公演を行えたニットキャップシアター『カレーと村民』の公演に、公演制作として参加していた時のお話から始めます。

2度の延期の末の上演

この作品は、元々2020年6月に京都で上演する予定が延期になり、その後2021年1月に上演予定も再び延期になってという、2度の延期の末、ようやくお客様に観ていただける機会となったのが2021年3月の話です。

2回目の緊急事態宣言があけて、ガイドラインに則り、舞台と客席の距離を2m以上を空けて、座席間隔は空けずに、常時喚起をしながら、上演を行いました。

これは開演前に、公演の前説(開演直前に、ご来場のお客様へお願い事などをするアナウンス)として劇場に入った時のことです。

劇場内で見た景色

前説に立ったぼくの目の前には、客席の上から下までズラリとお客様が座っている光景が広がっていました。
もちろん、チケットが完売だったのでたくさんの方にご来場いただいていることは分かっていたのですけど、それでも久しぶりに見た圧巻の光景でした。

前説に立つ制作は、舞台上に出てくる役者さんたちよりも先に、満席のお客様の前に立つので、誰よりも先にその光景を見れるんです。

ぼくは、その客席の光景を見て、本当に涙が浮かぶくらいに「ありがとうございます!」と言う気持ちが湧いてきたんです。

劇場にお客様がいらっしゃって、作品を見ていただけるのが、こんなに幸せな気持ちになるんだなと、改めて感じた瞬間でした。

この景色、この空気感、失っていたんだなと。

お客様がいて、作品は仕上がる

作品は、ありがたいことのダブルコールやトリプルコールなど、終演後もなかなか拍手が鳴り止まないくらい、お客様から非常にありがたい反応もいただきました。

お客様に見ていただいて、作品は初めて「作品に仕上がる」んだと、改めて感じる瞬間でもありました。

劇場にたくさんお越しいただいたお客様に、これまでも、もちろん感謝の気持ちはいつもありましたが、心の底から感謝する気持ちが沸き上がった今回の体験を通じて、日々の中でも改めて感謝することを見直しました。

当たり前のことに感謝

失っていた人の活気を久しぶりに見て、そんなことにも気づかせてくれる場でありました。

2021年5月現在、今はまだ、3回目の緊急事態宣言の渦中で、予定していた公演やイベントが中止になったり、ぼくが制作をしているソノノチも滞在制作の予定が延期になったりしています。

ニットキャップシアターさんの公演も、東京でこの5月に上演を予定していたのですが、残念ながら中止となりました。(延期ではありません)

当たり前のようにやれていたこと、やろうと思っていたことが、これまでと同じようにはできない状況は、これからも続いていくでしょう。

そんな中で、いま、自分自身は健康に暮らせていることに感謝ですし、長く先がわからない中、医療従事者のみなさんをはじめ、感染終息に向けて懸命に尽くされている皆様お⼀⼈おひとりに、⼼からの感謝の思いです。

そして、日々の日常に目を向けて、
出会う人に、一緒にいてくれる人に、感謝。

この記事を読んでいただいた皆さんにもたくさんの感謝。

ありがとうございます!!

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