白日夢と体験レッスン

黒トンボって、その色艶とフォルムだけでも充分に神々しいのに、羽を閉じたり広げたりする動きを目の当たりにしたことある？もうほんとうに、この世の生物とは思えないほどに、夢みたいな動きで、神の使いって呼ばれるのがわかるよ。

そんな黒トンボに遭遇して、その後、近隣を散歩したら今度は、どこからともなく黒アゲハ蝶が現れて、私の周りを一周してくれたのよ。これはくる！と確信したのよね。昨晩ひさびさに、アントニオーニのBlow-upを観たけど、あゝやっぱり素敵、幻想的で現実と夢想はいつだって曖昧、それでいいと思う。こういう作品に対して、ネタバレだとか理解不能とか、伏線を回収とか……その類のことを言い出すひととは付き合えない。っていうのはタテマエで、付き合いたくないっていうのが本音。年齢を重ねて、少しマトモになってきてるんじゃないかとおもいっきり杞憂だった。やっぱりおかしいよ、そういうおかしい神がいるとするならば、アンタは神の使いだよと、言われてしまったのは

Blow-upのテニスシーンと、ラストシーンの風に揺れる芝生を撮るカメラワークが、たまらなく好きだわ。あゝこれよ、これ。愛すべきはこの白日夢なのよと、余韻に浸りながら眠りについたのに、朝一番で先日、偶然見つけた近所のテニススクールに、体験レッスンお願いしますと連絡入れてるんだもんね、私ってばさ。

---

---