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ベター・プレイス創業メンバーが語る、創業秘話 〜今だから言える、スタートアップ初期に必要なこと〜 【vol.1】

こんにちは。
ベター・プレイス代表の森本です。
創業から11年が経ち、「はぐくみ基金」の成長もあっておかげさまで順調に業績を伸ばしているベター・プレイス。しかし創業期には、語り尽くせないほどの大変な苦労もありました。今回は他者目線で、創業期の様子を振り返っていきたいと思います。創業期より、ベター・プレイスを支えてくれ、昨年まで取締役を努めてくれた原珠美さんに、初期の秘話を語ってもらいました。

「中小企業で働く人、地方を元気にしたい」という想いに賛同し、参画を決意

こんにちは。
昨年末、ベター・プレイスの取締役を退任した原珠美です。
創業メンバーとして今回ご依頼を受けましたので、2011年の創業時を振り返って、当時のことをお話させていただきます。

森本がベター・プレイスを、というかその前身の株式会社Fair Trust(フェアトラスト)を創業するにあたり、一緒に働いてみない?と誘われたのが始まりでした。

当時、私は外資系の酒類輸入会社マーケティング部で、朝から深夜まで鬼のように働く一方で、こんなに自分のエネルギーを120%使って働いているのに、社会にどれだけの影響力があるのか?1ミリでも社会の役に立っているのか?とモヤモヤ疑問も感じていて、土日は免罪符のように国際NGOでプロボノ活動をしたりしていました。

森本が当時話していたのは、NGO/NPOやボランティアもいいけど、持続できなければ意味がない。自分はビジネスでお金を生み出しながら社会を良い方向に変えていく、ということでした。

具体的には、森本の強みである金融の分野で、日本の99%以上を占める中小企業を対象に、企業年金制度の一つである確定拠出年金(DC/401k、以下「DC」)を普及させる、ということ。

それはなぜか。

当時DCは、従業員数1000名以上のいわゆる大手企業では4割以上で導入されていましたが、99名以下の企業では1%未満でした。
1000名以上の企業と、99名以下の企業では、一般的に、どちらが高いお給料をもらえるでしょうか。どちらが、退職金を多くもらえるでしょうか。
特に、地方にいけばいくほど、中小企業の割合が高くて、給与水準も低い。

日本で働く人たちの7割が中小企業で働いているのに、毎月貯蓄できるほど十分なお給料をもらえて、退職後のお金の心配をしなくていいほどの退職金を約束されている人たちは、そんなに多くないのではないか?

もしその人たちが、DCを利用できれば、給料は増えなくても、節税しながら効率的に資産形成ができる。企業側も、コストカットできて、社員の離職リスクも減らせる。
なのに、既存の金融機関は引き受けないし、中小企業側はコストが高いから導入しづらい。

企業がDC導入後にコストカットできた範囲内で報酬をもらえば、手出しがなくて導入しやすいし、社員にとっては、節税しながら資産形成でき、かつ、掛金によっては手取りが増える、というメリットがある。

「日本の中小企業で働くみなさんを元気にしたい。
東京だけでなく、地方も元気にしたい。
今の環境で安心して働けるようにしたい、応援したい。」

森本が語っていたのは、そんな想いでした。

自分のエネルギーと能力を、社会を良くする方向に使いたい、とモヤモヤを抱えていた私は、迷いなく飛びつきました。(笑)
その後待ち受ける苦労は、まったく予想もせずに・・・。

「ベター・プレイス」の社名誕生秘話

最初のオフィス

最初のオフィスは、四ツ谷3丁目の駅からすぐの場所にある、ダイコクドラッグの隣、美容室やマッサージ店(まっとうな店です!)が入る雑居ビルの4階でした。
わずか10坪のオフィスで、手前には4人座れるミーティングスペース、奥にはデスクを4つ買って並べて執務スペースにしていました。現在のオフィスからは想像つかないかもですが、常勤二人で、パートナーや外部の方の来社があっても、当時はそれで充分でした。

森本は熱い思いを持って創業したものの、フェアトラストの経営はいろいろあってうまくいかず、いったん解散(詳細は割愛します)。

めげることなく、同じ場所で、森本と私は新しい別の会社をつくる事に。
2011年10月、株式会社ベター・プレイスの創業です。

社名はいろいろ考えましたが、
マイケル・ジャクソンの「Heal the World 」という曲の中にある、
 ~Make it a better place for you and for me.~
というフレーズから思い付き、森本に提案して、「いいね!」と言われたのを覚えています。
この歌詞は、マイケルが戦争や貧困、虐待に苦しむ子どもたちを救いたい、というメッセージですが、私たちがビジネスを通じて実現したいと考えていたのも、突き詰めれば、社会をよりよくする、より働きやすい環境をつくる、そして結果的にその子ども世代もより豊かな生活を送れるようにすること。
それをストレートに表現できるのでは、と。

といっても、私は森本に提案しただけで、その後森本はいくつかの候補を熟考し、最終的に、投資の神様ウォーレン・バフェットの言葉に出会い、決定したようです。そのエピソードはこちらに。

次回に続きます。