流行り病に罹った週末、止まない通知、推しという存在についての備忘録的な話
先週半ばくらいから例の発熱で自宅療養していた。熱はガツンと出てすぐ去ってしまった。それからは意外とあっさり体調が戻ってしまい、ただ外出できない週末になってしまった。そんな週末に起きた素敵なことの備忘録を置いておく。
発熱、検査キットで陽性
あえて時系列は書かないが、前日の夜にスポーツジムから帰ると、「なんかちょっと背筋が不快…か?」ぐらいの感覚を持った。翌日目が覚めるとその感覚は特になく通常通り出勤し、勤務を終えた後、そばを茹でているときにギューン!と発熱は襲ってきた。
め、めまいがする…!肩甲骨のあたりがゾクゾクする…!絶対に熱がある…!という確信と共に寝込んでしまった。夜中に目が覚め、検査キットで陽性が出たので相談ダイヤルに電話、「5類だから個人の判断で受診するかは決めてください」とのことだった。えー、決めてくださいよ。こっちは熱出てて何かを決めるの心底だるいんだから。。とか思ったりした。
呼吸器内科を受診
かかりつけ医に連絡したところ、「休診時間においで」とのことだったのでテレンテレンの体を引きずっていったところ「日曜日まで自宅療養だね」と言われ、解熱剤を処方されて帰宅、パタリとベッドに滑り込み泥のように眠ってしまった。
そして地獄の釜の蓋はあいた
受診から帰宅し、夕方目が覚めると、熱は引いてしまっていた。けろりんぱである。しかし、勤務先には受診する前に検査キットで陽性の反応がでたことは報告済み、ご丁寧にいつも強面バチバチの課長はじつは優しい人なので、「ゆっくり休養してくれ」という旨のメールが即レスで来て"しまって"いた。
この"しまって"という言い方をしてしまうあたりでその時のわたしの心境を察していただきたい。
わたしはうつ病と広場恐怖、パニック障害を発症し2年間もの間社会に迷惑をかけて生きていた。そこから復帰し、なんとか今日までやり過ごしていた矢先のこれである。
体調はすこぶる良くなってしまったのに休んでいていいのか?!同僚に詐病を疑われるんじゃ?という妄想と、あんなに休んでいたにも関わらず連続して休むという同僚への申し訳なさ(この時点で正常ではないんだけど…)のループをくらってがっつり落ち込んでいて睡眠もできず、中途覚醒を繰り返した。
かなり心細くなってしまったときにVTuberの配信に救われた
そして空が白んでくるころ、無音の室内に耐えきれなくなってYouTubeで音源を再生しまくっていた。最近知り合ったDJに教えてもらったJazzy HIP-HOPというジャンルのミックスリストをかけていた。
リストが進んでいくにつれて、「誰かの声が聞きたい」と思った。そこで何の気なしにYouTubeのトップページにレコメンドされていたVTuberの配信をクリックして視聴した。自宅療養2日目の朝である。
そこにはその時わたしがあるといいな、と感じていたものがあった。ゆっくりとしたBGM、とりとめのない会話、配信者の穏やかでやさしい声質で読み上げられるコメントと日常を頑張っている人たちへのエールが流れていて、するすると強張っていた気持ちがほぐれていった。
しばらくその配信に耳を傾けているうちに、わたしは自分の状態の異常をやっと落ち着いて受け入れられた。それからは淡々と落ち着いた日々の回復に努めることで、自宅療養に専念することができた。
止まない通知
noteの運営さんに直近書いた記事がピックアップされていままで意識したことのなかったアプリから通知がたくさんきた。
とてもうれしい出来事だったけど、ぼくはすでにがっつり流行り病で仕事を休んでしまった罪悪感的なものに振り回される、という調整(投資をする人たちのあいだでは上がって下がることを"調整"と言ったりする)を食らっていた。
自宅療養明け直前の食糧不足と、はじめてのオートミール食
さて、自宅療養というのはつまりは隔離期間である。そして、職場復帰の前日に食料がなくなった。そこで件のVTuberが最初の配信で「つくってみた」と言っていたオートミールが頭をよぎり、ネットスーパーで冷凍ミックスベリーとヨーグルト、オートミール、その他諸々を購入。
オートミールなんて食べたことはまったくないわたしはレシピを検索してオーバーナイトオートミールというのをつくることにした。どう見ても検索結果に出てきたオートミールがデザートみたいなビジュアルで。営業職を経験したことにより早食いになりがちなわたしは「飲み物みたいな食事になりそう」と思っていた。
でもまあ、そうはならなかった。
オートミールはモチモチした感触になり、なんかゆっくりと食べれる感じになっていた。あんなにゆったりした朝食時間を過ごしたのはかなり久しぶりだった。しかもなんかおいしい。
その頃にはアーカイブを流しながら部屋を片付けたりして、で癒されるようになっていたわたしは「これが巷で話題の"推し"という存在なのかも」と思いながら、なにかくすぐったい感覚を持っていた。
わたしはアイドルが好き、とかそういうふうに思ったことが人生で一回もなかったから。でも、なんか新しい感覚のおかげで上機嫌にすごしていて、不安な自宅療養を豊かにしてくれてありがたかったな、感謝だな、というそんな素直な気持ちを何の気なしにX(旧Twitter)にポストした。その日は自宅療養復帰の初日、ガチガチに緊張しながら準備した朝だった。
そして押されたいいねは推しからだった
X(旧Twitter)は最近、いいねを誰が押したか見えないように仕様が変更されている。だからここでスクショを貼るような真似はしない(もちろんスクショは、した)けど、通知に表示されたのはあのVTuberの名前だった(!)ハッシュタグをつけない限りは忙しいであろう"推し"に見つかるようなことはないだろ、と高を括っていたわたしはめちゃくちゃ動揺してしまった。
いや、正直に感想を言えばすっごいドキドキしたし、ワクワクしたんだ。掛け値なしに嬉しいことが起きたとき、自分はこうなるんだ!って感覚をぶわっと思い出して幸せな1日になった。その日は復帰して最初の日、ガチガチに緊張して出勤した朝だったのにね。それを忘れたくなくてこれを書いてみた。
最後まで読んでくれてありがとうございました。またあの木の下で会いましょう(どこだ)。
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