外部からの産業保健サービスに一貫している理由
私は、産業保健に関わった初期から今まで、いわゆる産業保健を「サービス」として提供する立場で経験してきました。
社内の保健師として、同じ会社の社員への健康管理をしてきてません。
よく「社内の立場ではない外部からの産業保健は難しい・・・」
「社員と同じ立場でないから強く言えない」という声など、社内の健康管理室で働く保健師から、外部からの産業保健に対するネガティブなイメージ、を聞きます。
私はそうは思いません。
社内であろうと、社外からであろうと、そこで働く人への健康支援「サービス」という側面は、どちらも同じです。
自分のお給与はどこから捻出されている???
企業の直雇用で働く保健師さんたちのお給料はどこから出ていますか?
社内保健師のお給与は、会社の資産や売上から「コスト」として支払われています。
株主から集めたお金(投資資金)だったり、社員さんたちが一生懸命働いて売上を出したお金から、自分のお給与が支払われていることを忘れてはいけないと思います。
健康管理室で売上が立っていれば別ですが、管理部門としての位置づけなので、ほぼコストセンターとして扱われる部門と推察します。
企業は利益を追求するのが使命です。(もちろん事業を通じた社会貢献の意味も他にありますが・・)
生生しい話になりますが、自分たちのお給与は、そこで勤務、あるいは雇用されている社員さんの売り上げ額から、捻出されているのですよ。
それをお忘れなく。
「社員がお客様」と捉え、健康支援サービスを提供する
ですので、その会社の事業が安定的にかつ発展できるよう、「社員さんが安全に健康にいきいきと活躍しながら働けるよう健康面からサポートする」サービスを、社内の健康管理室であっても、社員さんへサービスとして、提供するのです。
要は、「社員がお客様」なのです。
ですので、企業で健康管理を専門職が提供するのは、「社内」であっても「社外」であっても、『社員への健康支援サービス提供』として、本質的には一緒なのです。
おそらくそれを意識するだけで、自身の立場や、健康管理室としての社員へのホスピタリティ度が高まり、社員だけでなく、ライン長や会社の他部門から一気に信頼も得られ、健康管理室の知名度や貢献度の上昇にもつながるでしょう。(実際、そのような信頼を得られることは多々あります。)
社外から健康支援サービスを提供する面白さ
社外からの産業保健を提供する立場だと、「社員・(会社)はお客様」という意識がさらに高まります。というか、必然的にその意識は発生します。
ですので、ホスピタリティ、信頼関係などの構築・信頼の貯金は常々、気を付けてサービス提供をします。
面白さの究極は、「自分たちが保健師として提供したサービスがそのまま対価として得られる」ことが、役割満足と自分たちの価値の実感につながることです。
社内でコスト費用から賄われている立場だと、直に自分たちの健康管理の提供が価値として明確になりづらいと思います。
そこが大きな違いかもしれません。
一方で、外部だからこそ、厳しい面ももちろんあります。
・責任転嫁されやすい
・クレームは真っ向から言われる、契約が終了される可能性もある
・より専門職スキル、高い意欲は求められるのでスキルアップは不可欠
・健康管理の現場が「お客様先」なので、常に背筋をピンとしている必要がある など
しかし、裏を返せば、社内で働いていると、専門職に対するクレームがあっても、「自社の社員だから」と、ただただ黙っているだけで、裏では酷評されている可能性もありますので、「社員がお客様」という精神は常にお忘れなくいたほうが良いと思います・・・
今回は辛口でしたが、、私が常々意識していることです。
あまり、こうした意識をもたれていたり、教えてもらうことって少ない気がします。ですので、そうした高い意識を持ってくれる産業保健師が増えることを願い、あえて序盤に紹介させていただきました。
よろしければ、ご参考にしてください。
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