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岡田彰布「動くが負け」読了。〜摘読日記_63

こちらの本を読了。

2010年出版


現阪神監督で、2023年シーズンは見事にチームを日本一に導いた岡田彰布が、2010年にオリックス監督に就任した年に書かれた本。

監督とはかくあるべき、組織の作り方は、選手との接し方とは、などの考え方を記した本。

まず印象に残ったのは、昨年の流行語ともなった「アレ(優勝)」は、この時期にすでに使い出していたんですね。

オリックスが交流戦優勝を射程に捉えた時に岡田監督が使い出し、オリックス担当記者も気を使って「優勝」とは書かないようにしだしたらしいです。

これは知らなかった。

そもそも、2010年頃は個人的にかなりプロ野球に疎くなっていて、岡田監督がオリックスを率いていたのも忘れていました。

2010年に就任し、3年間監督を務め、成績は3年連続Bクラスで芳しくなかったようです。


あと印象に残ったのは、岡田監督自身コーチを務めることが長かったので、コーチかくあるべき、というコーチ論について多く書かれてました。

コーチが軽はずみに野手陣だけの前で「優勝するぞ」と言ったりするのは御法度。なぜなら、投手陣との間で温度差が生じ、チームとしての一体感が損なわれる、とか。

また、4番バッターを任せた選手が少しばかり打てなくても、慌てて特打を命じたりするのも良くない、という考え方のようです。

特に阪神のような人気球団では、記事のネタがない時に容易に「見せしめ」のような形になり、選手のプライドを傷つけてしまうというのがその理由。


岡田監督の考え方の根底にあるのは、「泰然自若」、のようです。

相手チームの戦略、戦力の把握、その上での準備は怠らず試合に臨み、試合の中ではばたばたしない、相手が何か意表をつく戦術を打ってきてもベンチでどっしりとしておく。

ベンチのばたばたはてきめんチームの士気に悪い影響を与えるので、何もしないぐらいの方が相手には不気味に映ることもあり効果的のようです。


同じく内野手出身の名監督である落合博満さんの考え方と似ている部分が多いように感じました。

合理的で、感情を外に出すことが少ないという点で。

知りませんでしたが、岡田監督の著作は多いんですね。

落合さんも著作は多めですよね。

理論派の監督は著作も多くなるのかもしれません。

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