歐巴桑(おばさん)讃歌。
こちらの本を読み終わりました。
著者の近藤弥生子氏は、台湾在住歴10年以上で、台湾人男性と結婚され、現在進行形で台湾で子育てもされている。
タイトルが「台湾はおばちゃんで回ってる?!」なので、台湾のおばちゃんのエピソードばかりなのかなと思いつつ読み始めた。
ただ、もちろん台湾のおばちゃん(台湾の華語で「歐巴桑」というらしい。)の話は多いのだが、それらエピソードの単なる羅列ではなく、著者の近藤さんが台湾で出会った人々、その中で多くの台湾おばちゃんのサポートを得ながら、良い面を吸収し、自分自身が台湾で成長し、おばちゃんになっていく過程を綴った本であった。
章構成としては、
となっており、章タイトルの通り、三章以降は妊娠から子育てまで、たとえば産後のケアサービスの話など、かなり具体的。(台湾では産後の母親がたっぷり休むことが大いに推奨されており、そのためのケアサービスが充実しているらしい。)
私はおっさんなので、女性にとって実用的な話・情報が多い本書はどちらかと言うと女性向けなのかもしれないが、台湾で多くの台湾人と仕事をした経験がある身として、なるほど、と腑に落ちる部分が多かった。
たとえば、台湾では日本の社会にありがちな「同調圧力」がうすい点・多くの人が「自分軸」で生きている点、世話好きな人が多い点、会社内で女性の存在感が大きい(またそこに不自然さを感じない点)、など。
自分の経験と照らし合わせて、同感・再確認した。
特に、社内で女性が元気で、男性はとにかく優しいな、と思うことが多く、時には、変な表現だが、尻に敷かれている?ぐらいの印象が残っている。
本の中でもっとも印象に残ったのは、マーケットでの買い物が上手で料理をなんでも作れるベテランシッターに著者が感心の言葉をかけたところ、「人それぞれ得意なことは違う。あなたは仕事が得意なだけ。」と言われるところだろうか。
シッターさんに言われ、近藤さんはこんな気づきを得る。
個人と社会の距離が近いのかな、と思う。
自分に足りないものを誰かが補ってくれる仕組みがある、反対に、自分の力が誰かにとって助けとなる社会。そんな関係であろうか。
台湾理解の一助としてオススメできる本です。
<おまけ・台湾スナップ>
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