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男性オンリー創業が多い?について考える

ジェンダー意識が無い政治家やタレントの発言、企業の取り組みなどが問題視されるニュースが多くなりましたが、そもそもなんで男性は男性ばかりでツルむんだろう?と疑問を持つことってありませんか。特にビジネスシーンでは顕著ですよね。

(本稿とは直接関係ありません、、、が、全ての偏見に抗う人たちのアンセムです!)今年度ぶっちぎり全世界NO.1でカッコいいベスト・ソングを聴いてください!

・Racist, Sexist Boys/The Linda Lindas

ロックダウン中に受けた男子から受けた嫌がらせに対して怒りをぶつけるL.A.ガールズバンドThe Linda Lindasの曲、Racist, Sexist Boys

男性ばかりで集まるスタートアップシーン

僕が仕事で携わる業界で、昨日、男女不平等が問題視されました。

これは、登壇者が男性だらけのセミナーに対する、クリエイティブ・アクティビスト辻愛沙子氏の問題提起の投稿です。

たびたび問題になる男性登壇者だけのセミナーやカンファレンス。以前から指摘する声が挙がるようになり、改善もみられるようにもなってきましたが、いかにスタートアップ界隈のコミュニティがホモソーシャルな世界であるのかがわかる出来事です。

男性がフォーカスされてきたスタートアップ業界

スタートアップやベンチャーの起業家と聞いて名前が浮かぶのは誰でしょうか?アップルのスティーブ・ジョブス?マイクロソフトのビルゲイツ?

大成功している創業者がたまたま男性だったからと言えるかも知れませんが、女性の企業家だってたくさんいます。にも関わらず、映画やドラマで描かれるスタートアップ企業モノもほとんどが男性チームです。実話ベースの「ソーシャルネットワーク」などはもとより、フィクション作品も「シリコンバレー」「ベータス」など描かれるのは男性チームばかりです。

共同創業者を慎重に選ぶと、信頼できる男友達を優先する?説

なぜBoys Clubになるのでしょうか。その一つに創業メンバーの選び方の問題があるように思います。

起業する際の創業メンバー選びの重要性は様々な場で説かれています。Y Combinator 創業者のPaul Graham からのアドバイスとして有名なドキュメントにも明確には、「よく知る人と組む」と記載があります。

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出典 
http://www.slideshare.net/takaumada/how-to-start-a-startup-42996994

よく知る信頼できる優秀な共同創業者。この選択として「信頼できる優秀な友人と創業する→男性同士の分かり合う信頼関係が優先される」ということにつながって、創業メンバーに男性同士を選択するケースが多くなっている傾向があるのではないかと考えています。

そもそも母数として男性が多い起業家育成コミュニティで男同士で組む→男性創業チームが成功する→輩出する育成コミュニティに男性が集まり女性比率は低いまま。このスパイラルがあり続ける限りジェンダーフリーで機会均等になることは少なくなってしまいます。

男比率の高いお笑い芸人やミュージシャンの養成所でチームを組む際に男同士で組むことが多く成功者も男性チームが多いイメージでしょうか。このような環境ではYoasobiのようなバンドは生まれないかもしれません。

さらに、日本の場合は日本人だけで起業することが多いでしょうし、男性同士・同国籍での創業が占める割合が圧倒的多数だと思います。

中国人女性と共同創業したら、めちゃんこ強いチームになった

僕は、今の会社を中国人の女性クリエイティブディレクターと共同創業しました。グローバル市場で事業展開するときに経営にダイバーシティがないと戦えないと思っていたからです。

結果、まだ創業3年目ですが、現在のチームは男性日本人は僕を含めて2人で、残りの9人は全て外国人女性です。僕も含めて、全員がミレニアルズ以降の世代で比較的若い組織。男性日本人のもう一人も、僕とはまったくタイプの違うエンジニアです。

やってみて思ったのが強い組織になっているということ。少人数でもスピーディに事が進んでいきます。女性主導のプロジェクトやマネージメントはロジックではない感情で動くつよさがあります。感性で信じれるものにくどくど説明が不要。男性マネージメントに必要な余計な資料が一切必要がない。そうしたパワフルさは目を見張るものがあり、僕は対外的にロジックで説明が必要な際に説得材料をつくる裏方の仕事が中心です。

なので、現段階での僕の実感としては、ポリコレを抜きにして強い組織にするために最初からダイバーシティ共同創業を目指すこともをオススメします。まだまだ僕自身が成功したわけではないので道半ばですが。

もちろん、男性同士が悪いわけではないですが、もっと創業メンバー時点で多様性のあるチームを選択する起業の形が増えていいと思います。

僕も完全ホモソーシャルな世界の出身

かくいう僕がかつて所属していた広告代理店の世界は最悪のホモソーシャル環境でした。前職で経営に携わっていた際にたびたび課題になっていたのがダイバーシティの欠如でもありました。女性比率だけでなくエンジニアや外国人も少ない。人材として多いのは、エンタメ・カルチャー好きの体育会系ノリ日本人男性が9割といった状態。

女性の創業者で広告業界を牽引した会社もありますが、2000年代〜2010年代初頭くらいまでは人材の偏りが問題として話題になることすら少なかったと記憶しています。

男性主導のハリウッドも大きく変わった。

#MeTooは 、プロデューサーや監督が男性ばかりを占めるハリウッドのセクハラ・パワハラ問題に端を発しました。そこから大きく変化して、2021年のアカデミー賞の作品賞・監督賞を受賞したのは「ノマドランド」という女性主導チームの作品です。 

監督は中国人女性「クロエ・ジャオ」 。そして、プロデューサーとして尽力したのは、主演女優賞を獲得した「フランシス・マクドーマンド」です。女性が主導した作品が映画産業でもっとも栄誉ある賞を獲得したことは、#MeToo運動による変化を象徴しています。

「ノマドランド 」は、ポリコレ的な調整によって選ばれたわけでは決してありません。ノミネート作の中でも誰もが納得する素晴らしい作品であるからこその受賞でした。平等な機会さえあれば「性差」と「能力」は関係がないことを示しています。

起業をしようとする男性がビジネスを強くするためにダイバーシティを求め成功体験を得ること。このことが男女平等社会を実現するカギになるのではないかと思います。

僕たちも一つの良いサンプルになれるよう頑張ります。

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