自閉症は別にランダムじゃない
たまに、「自閉症者の突然の行動に意味や理由などない」というような解釈を見かけることがありますが、私はそういうことはないと思っています。
例えば「騒がしい部屋に入れられると大声を発する人」がいたら、「部屋を静かにしてあげよう」とか「この部屋はやめてあげよう」とか考えるのではないでしょうか。
しかし、「自閉症の行動はランダムだ」という思い込みにさらされていると、この「騒がしい部屋に入れられると」という『理由』を見落としてしまうことになります。
それを見落とされて「この人はランダムに大声を出す!」と決めつけられてしまっては、対策も取れませんし、誰にとっても不幸なことでしょう。
FCには困ったことに、この種の決めつけを助長する面があります。
FCで表現される知性こそ本物、他の声や動きは体が勝手に動いてしまうことによるノイズだ、という主張をするからです。
これは単に、自分が『理由』を探せなかった行動を、ノイズということにして無視してしまっているだけだろうと私は思います。
そうして自閉症者の本来の『声』を、FCという「自分から見て意味があると思えるもの」で塗りつぶすことで「自閉症を理解した!」という誤解をしてしまいます。
『理由』を見つけたり想像したりするのは、地道な気構えがいる行動です。だから一瞬で「理解できた!」と感じさせてくれる『楽な答え=FC』に飛びついてしまうのかもしれません。
けれどそれでは、本当の自閉症者は置き去りにされてしまうのです。
……続きはまた。