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wowakaさんが死んでしまった。

「誰が止められるというの 心が叫んだ声を
あぁ今すぐに伝えなくっちゃいけない気がしたんだよ」
(ポラリス/ヒトリエ)

wowakaさんが死んだ。
動揺していて、何をしていても悲しい。
居ても立ってもいられず、このエントリーを書いている。


wowakaさんが死んでしまった。
4月8日の11時、ヒトリエの公式からLINEが来て、訃報を知った。ショックで言葉も出なくて、全く仕事も手につかず、未だに鬱屈とした気分が続いている。

ボカロPであるwowakaさん(現実逃避P)に出会ったのは、2009年のこと。
高校生だったわたしは、とにかく人から嫌われないように、怒られないように、モヤがかかったような灰色の日々を過ごしていた。
そんな時に出会ったwowakaさんの曲の数々。

生きづらさ・なんとなく鬱屈とした気持ちを代弁するかのような歌詞と、人間に歌い切れないほど音に文字を詰め込んだ『裏表ラバーズ』
言葉遊びと、それを音にうまくハメた音遊びに心地良さが癖になって、どんどんのめり込んでいった。 『ローリンガール』『ワールズエンド・ダンスホール』『アンハッピーリフレイン』などのヒット作に、わたしも例に漏れずハマっていった。

大学生になり、次第にボーカロイドから離れ、邦ロックにのめり込んでいった頃、LiSAさんの『覚醒屋』『EGOiSTIC SHOOTER』などを耳にした。
「これはwowakaさんの作曲では…?」と思って調べてみたら、本当にそうだった。

その後、wowakaさんが『ヒトリエ』というバンドを組んでいたことを知った。「イマジナリー・モノファクション」というアルバムを聞いた時には、いまいちピンと来ず、そのまましばらく時間が経過していった。

2014年の秋のこと、パーソナリティの菅野結以ちゃんがだいすきで聞いていた、TOKYO FMの『RADIO DRAGON ‐NEXT‐』で、ヒトリエの"Radio Wonder"というコーナーが持たれた。

そこで流れていた『カラノワレモノ』にひとみみ惚れして、「WONDER AND WONDER」のアルバムを購入し、初めてヒトリエのライブに足を運んだ。
こんなに音に合わせて身体が揺さぶられるバンドがあったんだ、こんなに音が心地いいバンドがあったんだ、と心の底から驚いた。
WONDER AND WONDERの付属のライブDVDは、擦り切れるほど見た。

それから新譜が出るたび夢中になった。
「トーキーダンスを踊りませんか?」の時は、ミューコミ+のジングルがヒトリエになったことを思いっきり喜んだし(あんなにもすぐに、ヒトリエ!ってわかるジングルそうそうないよね)

「DEEPER」が出たときは、なんとなく「GO BACK TO VENUSFORT」のおかげでzeppに行くのが楽しくなったし、「IKI」が出たときは、こんなに全曲好きになれるアルバムは初めてだ、とおもった。
特に『目眩』がいちばんすきで、アンコールのいちばん最後に演奏されるのがとっても嬉しかった。

「思えば思うだけそれが眩しいのは
それをただひたすら願っている君だから
わかってる 僕らは眩しさに夢を見る
変わらぬまま行こう 未だ知らない場所へと向かおう」
(ヒトリエ/目眩)

この部分にいつも励まされていた。

「ai/SOlate」が出たときは、とうとう真っ直ぐに愛を渇望してきたな、と感じた。
「ラブという得体の知れないもの(裏表ラバーズ)」と歌っていたwowakaさんは、いつしか「世界があたしを拒んでも今 愛の唄歌わせてくれないかな(アンノウン・マザーグース)」と歌うようになった。

初音ミクの声を通して、自分の思いを届けてきたwowakaさんが、自分の肉声を通して愛を叫んでいる。渇望している。とても人間的な部分を垣間見た気がした。

そしてポラリスが出た時は、こんなに前向きな曲を書くようになったんだ…!と感動すら覚えた。
「HOWLS」のアルバムが発売されたのが、ちょうどわたしの誕生日の前日で、これは誕生日プレゼントだなあと思いながら聞いていた。発売前『SLEEPWALK』が公開されたときに、Instagramで感想を送ったりもした。
6月には新木場のライブに行く予定だった。

あまりにも、突然すぎた。
後悔しないよう、行けるライブは見に行って来たつもりだった。
それでも、それでもあまりにも早すぎるよ。早すぎる別れ。

「忘れられるはずもないだろう 君の声が今も聞こえる」
(ポラリス)

なんてあなたのことですよwowakaさん。

わたしがいちばんすきなツイートはこれ。

きっとこうやって、心臓がキュッて、なっちゃったんだな、って思ってる。

ただの一ファンでしかないけれど、彼の生み出す音楽と紡ぎ出す言葉に救われて、それをひとつの灯りにして、生きてこれた日があったこと、
ずっと忘れず、これからも大切に聞いていきます。だいすきよ

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