推し活の辞め方。
私も昔やっていました、推し活。
お金も時間も体力もかかるし、一番大事なのは気力だと今は思う。
生活に影響ないくらいまではお金使いきろうという勇気と、明日の仕事を考えず目一杯休日を使う向こう見ずさ。
テレビ、新聞、雑誌の情報収集。
ネットのコミュニティに属することもSNSをやることもなかったけど。
スポーツ選手の追っかけだったのでメディアの情報さえ間違ってるのは実際に現場で見てよく知ってたから、無駄な情報は入れたくなかった。
スポーツ選手の追っかけで大変なのは、行ったところで不在なことも多く、いても出てこない。
ただ交通費と時間を浪費して終わる。
遠征に帯同してるはずがいない、逆に残留組のはずなのにいない。
そんな空振りばっかりでも、年に数回、今日は確実にいるってこともある。
そういうときはだいたい他のファンの方もいるので、それに紛れてサインをもらったり写真撮ってもらったりする。
ご本人に直接
「写真お願いします」
「サインください」
「ありがとうございました」
という私の言葉が届いてるんだっていう感動。
本人を目の前にしてもホントに実在してるのかよくわからない。
(本人は「はい」しか言わないから)
かつてはとても有名なチームで活躍していて新聞の一面を飾ることも珍しくなく、
少し派手な話題もあった人だったから、古いスポーツファンの人だとすぐ反応するような人。
だから私も
「こんなすごい有名人だし、長年のファンもたくさんいるだろうし、私一人の存在は気づいてないだろう」
なんて思っていた。
ある日の試合中。
その日も飛行機で駆け付けたんだけど、どうやらケガをしたらしく
試合会場にも来ていないようだった。
残念だけどあるあるなので、ボーッと試合を見ていた。
トイレに行く途中、チーム関係者の方が来場者に話しかけていて
私も「誰のファンなんですか?」ときかれた。
たぶんアンケートかマーケティングの一部。
答えると少し置いて
「もしかして遠くから来てます?」
と、言われた。
そこから話をきくと、ご本人が私のことをご存じだった。
その流れで声をかけてくれたチーム関係者の方も私のことをなんとなく知っていたみたい。
すごくびっくりした。
ずっと憧れてて大好きで、サイン書いてもらってるほんの10秒に満たない時間も「実在してる?」って疑っていた人が、私のことを知っていた。
それからそのチーム関係者の方はケガの具合や心配ないことを詳しく教えてくれた。
衝撃だったんだけど、それからなぜか気が抜けてしまって
それまでのように推し活ができなくなった。
嫌いになったとか、全然そんなんじゃなくて
自分でも全然わからない。
毎週のようにしていた遠征は年1,2回になり、
確実に写真とサインをお願いできるときだけに。
そうこうしているうちにコロナ禍になり、
そもそもいろんなイベント興行が無観客になったので
フェードアウトしていってしまった。
しかしコロナ禍突入直後、これから世の中がどうなるのか、
スポーツ観戦、ライブ、もう二度と行けないのか。
ファンサなんて夢のまた夢か???
と思うと悲しく不安で、この気持ちを乗り越えたいからサインをいただけませんか?と、
前に撮ってもらったツーショット写真と返信用のレターパックを添えてチーム事務所宛に送った。
返事はすぐ、1週間で届いた。
写真に青ペンでサインが書かれていた。
背景が黒かったから青ペンにしてくれたのかな。
自分の写りのいい写真を選んだけど、よくみると黒い部分が多くて
その選手のユニフォームも黒い部分が多くて
とてもサインしにくい写真にしてしまった。
申し訳なさと同時にすごく嬉しかったし、やっぱり当時はデルタ株の脅威がすごかったから
これが最後にもらうファンサになったなぁなんて思ったりして。
SNSで仲間を見つけてどこかのコミュニティに所属して、
メディアに出される情報だけでキャッキャやってたら
もう少し長く、もしかしたらまだ推し活してたのかも。
一緒に楽しめる仲間がいるのは大切。
もしかしたらそっちの方が充実してたのかもしれない。
推し活は元気の源。
お年寄りなんかにも推奨されるらしい。
何かを好きっていうパワーって何にも代えがたいし幸せなこと。
『推し』がいるかいないかで生活はずいぶん違うと思う。
私にもまた推しが見つかるかな。
ただいま模索中。
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