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小論文の作り方✑オリジナリティーに関して

(美術予備校で小論文を教えています。ここでは短く小論文を講じます。)

 小論文を書く人は自分の文章にオリジナリティーがあるかと気にするかもしれません。小論文も文章による自己表現であるので、その文章に「自己」と認知させるなにかがあることを望むひとは多いかもしれません。

 おそらく他の文章に「オリジナリティーがある」と感じた経験のある人もいるでしょう。ただ他のオリジナリティーと自分のそれが同じものである必要はきっとないはず。つまり、オリジナリティーの学習は時に厄介です

 ここでは「写真」を題にした自作を2つ紹介しながら、オリジナリティーに対するごく簡単なアプローチを紹介します。オリジナリティーそのものには深入りはしませんが、学習の迷子を避けるねらいがあります。

 まず、1つめの小論文がこちら。

写真1

 写真に瞬間の魅力が映ること。その内容を主張していると捉えれば、この小論文は平凡な事実を述べているだけのものになると思います。「半眼」の細部の記述やカメラに対する感動のフレーズによって補強されています。

 続けて、2つめの小論文がこちらです。

写真2

 こちらの主張は逆説的な印象もありますが、写真が真実とかぎらないことは加工を含めてけっして珍しいといえない主張です。この文章は活字で「写真」を表現する構成や主張の打ち出し方によって成立しているでしょう。

 まとめます。解答をきちんと意味づけ自分なりの記述を強めていけばオリジナリティーみたいなものは育っていく。オリジナリティーの有無を気にするより、自分のアイデアと記述に集中することが小論文のベストでしょう。

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