入院生活記録①
こんばんは。絶賛入院中の異邦人です。
前回のnoteでは、まさかの第20回統一地方選挙投開票日当日に突然の腹部激痛に見舞われ、救急搬送された後に「急性虫垂炎」と診断され、緊急入院するまでの過程をご紹介しました。
今回ご紹介するのは、入院2日目の朝から3日目の夜に掛けて、即ち現時点で一昨日の朝から昨日就寝するまでの様子を簡単に書き綴っていきたいと思います。
2日目(4/24)
動くと痛むので、仰向けになって不動明王を決め込むも、いつも寝る時の姿勢では無いので余り寝られず、寝起きを繰り返し埒が明かないので6時頃諦めました。
そして大変なのがトイレ。催したら即、などと自宅のようにはいきません。まず肩身離さず隣にいるガートル台(点滴がぶら下がっているキャスター付きのアレ)が、即応態勢を機能不全にします。
何故なら、台の支柱にコアラのように抱きついている点滴管理の機械から電源コードを抜かないと動けないからです。この間が「命取り」になる場合は往々にしてあるでしょうから、トイレは早めに行きましょう。私も何とか、命からがら辿り着きました。
7時。
看護師さんが来て朝の検温と血液検査。まだ夜間担当の看護師さんで、本当に大変な職業だと思いました。しばし談笑して体温37.8度。前日の最高記録38.8よりは下がったが高い。トイレ行きがハードワーク過ぎたせいでしょう。多分。
8時。
同室の患者さんに配膳。点滴で栄養補給されているとはいえ、食事の楽しみにはかえられません。身体はもちろん精神的に食事に飢えているので辛い。ここで昼担当の看護師さんに交代し検温と血圧、酸素測定。
9時。
血液検査の結果が届けられ、入院当初は7あった問題のCRPは1.5まで減衰。しかし、基準値は限りなくゼロなので結論「高い」。
9時半?~12時。
睡眠不足だったせいか寝落ち。この間、知らぬ間に点滴が換装されていました。看護師さんは凄いですね。
12~14時。
暇なのでAbemaで無料配信している「進撃の巨人」ファイナルシーズンを見る。この作品、人間の心理描写は謂わずもがな国家機構が嘘吐きで暴力的だという本質を的確かつ赤裸々に表現していて本当に凄いと思う。途中で同室の患者さんに昼食配膳。飢えが募る。
14~17時。
Twitterを開いてみたり、パッドでお絵描きしたり、持ち込んだ長谷部恭男先生の「憲法とは何か」を読み齧ったり、やりたい放題。落ち着きがない。
この間、何度かトイレに立ったり自販機に飲み物を買いに立ったお陰か、先に挙げたガートル台の発進プロセスが早くなりました。要らない技術です。
17時~19時。
夜間担当の看護師さんに交代し検温と血圧、酸素濃度測定。元気ハツラツと言った感じの人。若干落ち込んでいたので少し元気を貰いました。その後、また同室の患者さんに夕食が配膳されるのを尻目に(カーテンで遮られて見えはしませんが)Abemaで少し「進撃の巨人」の続きを鑑賞していた所で、何の前触れもなく担当医襲来。
まだ嫌でたまらない「手術」ルートが残されている段階なので、医師が来るだけで戦々恐々でしたが、要件は「まだCRPは高いけど下がってるから、明日朝の検査結果次第で昼から食事ね」という内容で歓喜。前回急性膵炎で入院した時もそうでしたが、絶食中の「食事」解禁ほど破壊力のある言葉はありません。目の前の医者が神様に見えます。無神論者ですけど。
19時~22時。
iPadでお絵描き。如何せん緊急入院だったのでペンがなく、指で描く強硬手段に訴えざるを得ません。息抜きのお絵描きが修行になってしまいました。誰かペンを下さい。
22時。
ここで消灯。と同時に、担当看護師さんに点滴を交換して貰います。一礼して就寝。おやすみなさい。
3日目(4/25)
5時半頃。
昨日より良く眠れた上に、何ならまだ眠かったのですが、同居人のイビキが会心の一撃を繰り出してきたのと、何よりトイレの為に起きざるを得ない状況。昨日磨いた発進プロセスの腕でスムーズ(当社比)にガートル台を引き連れトイレを済ませ二度寝。
6時半~8時。
起きて「憲法とは何か」を読む。岩波新書から出ている長谷部恭男教授の著作です。砕けた表現も多くカチコチの法学書という感じではなく読みやすくオススメです。
8時。
昼担当の看護師さんに交代。検温と血圧測定。ここで交代ということは、要するに昨日の18時頃から夜勤の方が担当して下さっている訳で、流石に休憩はあるであろうものの本来眠る時間も含めて14時間は非常に重労働だと思います。待遇改善も勿論ですが根本的に人員拡充も必要なのが肌身で分かります。
9時。
時間が経つにつれ思考のストレージが「手術」の脅威で埋め尽くされていた所で、またしても何の前触れもなく担当医襲来。恐る恐る話を聞いていくと、もう抗生剤の点滴で事足りるとのことで、手術は「いらんな」との判決。あなたが神か。
10~12時
相変わらずTwitterを見たり、iPadでお絵描きをしたり、長谷部先生の本を読んだり、自販機に飲み物を買いに行ったりと落ち着きがありません。多分、ペンを持ってきていたらお絵描きで1日潰せたと思いますが、指ドローはペンとは比較にならないほど圧倒的にパフォーマンスが落ち込むので、楽しいと言うより修行です。疲れたら投げ出して余所事を始めます。
12時。
遂に待ちに待った昼食配膳。
どう見ても全て汁ですが…
まだ元気だった22日の夕飯を最後に実質丸3日「絶食」でしたので、嬉しさが勝る立派な食事です。
何も口にしていなかった分、あらゆる刺激物から遠ざけられ(恐らく)味覚が研ぎ澄まされているのか、写真では水にしか見えない重湯からでも、ごく一瞬だけ現れる僅かな塩味を感じ取られ、サツマイモきな粉からは… きな粉が圧倒的に強いです。サツマイモは去り際にスゥ… っと消えていく感じ。そんな謙遜しなくても良いのに。
しかし、アップルジュースは前の両選手とは打って変わって、味覚の暴力と言った感じでストレートに「リンゴ!」「甘味!」を伝えてきて、余りの美味しさに泣きそうになりました。この瞬間だけは、アップルジュースは食べ物です。
…しかし、このプレートに当たり前みたく存在している「お箸」は、何を掴もうというのでしょうか…
13時~14時。
例によって通りのランダム行動。
14時半。
恐らくベテランであろう看護助手の方と新人さんにシャンプーをして貰いました。新人さんが洗うのをベテランの方が補助しつつ的確にアドバイスするという感じで進められ、無事終了。ベテランの方は非常に人当たりの良い方で、新人さんもリラックスしていました。理想系ですね。
15時半。
看護師さんから郵便物のお知らせ。ここで、Twitter相互フォロワーの「大阪が好きやねん」さんから、お見舞いの品が届きました。「大阪が好きなやねん」さんには、この場をお借りして重ね重ね御礼申し上げます。中身は秘密ですが遊び倒しました。素晴らしいものです。
15時半~22時
基本的にルーティンなので割愛します。後は読書、お絵描き、「進撃の巨人」のゴールデントライアングルです。最後に、夕食を紹介して記事の締めくくりにしようと思います。
18時。夕食の配膳。
やはり、昼に引き続いて見渡す限りの汁…
いきなりどうしたの。
①終。
追伸
前回のnoteを御覧になった方はご存知かと思いますが、この記事は500円の有料記事としての体裁を取っているものの、実質的には殆ど全て読めます。ご支援頂けたら嬉しいです。
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