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微笑みの国、タイの魅力―その2
魔法の言葉「マイペンライ」
タイ語に「マイペンライ」という言葉があります。
「マイペンライ」は「大丈夫」、「気にしないで」などの意味を持つ言葉で、タイ人の国民的な口癖のひとつです。遅刻しても「マイペンライ」、注文を間違えても「マイペンライ」、失敗しても「マイペンライ」。
タイ人は、相手を慰めたい、心配する気持ちを軽くしてあげようという思いで、この「マイペンライ」を使うことが多いのです。この使い方は外国人にはすぐ理解できず、驚いたり、怒ってしまう例もあります。
例えば、車をぶつけておいて自分から「マイペンライ」と言うこともあります。日本人から見ると「まず謝れ!」と怒りたくなるのはわかりますが、落ち着いてね。実は、「責任を持ってなんとかしますよ、話し合いましょう、私は大けがじゃないので心配しないでね」などという緊張を和らげたい気持ちで使っています。
もし、日本人なら「ごめんなさい、だろう!」という場面で、タイ人から「マイペンライ」と言われたら、冷静になって、相手の慰めたい気持ちを汲み取ってあげてください。
このマイペンライの言葉から、タイは「てきとうな国」と感じてしまう人がいると思います。しかし、この「てきとう」さ、「ルーズ」さが、タイの魅力のひとつになっていると感じています。
旅行者がよく体験する例を見てみましょう。
外国人が日本に早朝に飛行機で到着したあと、ホテルにチェックインしようとすると、たいてい「チェックインは15時からです。アーリーチェックインは、○○円です。」と言われ、どっと疲れます。
一方、タイでは早朝に到着してしまっても部屋が空いていれば「マイペンライ」でアーリーチェックインはほとんどが無料で可能です。
私から見れば、もし部屋が掃除できていて、どうせお客さんが入る時間を待つだけなら、ちょっと早めにお客さんを休ませてあげることで、少しでも良いサービスの提供につながるんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
このマイペンライ気質が、多くの外国人、特に日々ストレスにさらされ疲れ果てた人々を「癒しの国」、「許される国」タイに誘うのだと思います。
もちろん、マイペンライには心が癒される一方、マイペンライ気質のタイだからこその不自由さもあります。
以前、私がタイで新築の部屋に住んだとき、洗面台の蛇口をひねったら、シャワーから水がでてきたことがありました。また、タイのデパートで商品について店員さんに質問してみてください。詳しく商品について知らない人が多いのです。
日本では考えられないことですが、そういうことはタイでは日常茶飯事です。でも、慣れているので、特に怒ることもありません!
「マイペンライ」は、問題があっても「何とかなる」、というタイの人々の心を励ます魔法の言葉ではないでしょうか。
▲タイではマクドナルドも笑顔にワイ(合掌)ポーズ(写真: THICHA NABAE)
タイ語☆ミニ講座-2
อร่อย a-rɔ̀y
アロイ
美味しい
タイには日本人の口に合う食べ物がたくさんあります。美味しい時は、「อร่อย a-rɔ̀y アロイ」と言いましょうね。
記事を書いた人:難波江ティチャー
日本に20年近く在住。タイの大学では、経営学専攻日本語副専攻、タイ語講師になるためのタイ語教育学専攻、日本の大学院では、経営学マーケティング観光経営専攻。現在は母であり優しいタイ語の先生です。最近は、タイ語に挑戦したいと思っている人のために、まじめなタイ語初級の本を執筆中です。本を楽しみにして下さいね!
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