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微笑みの国、タイの魅力―その3

最近は、コロナの影響で笑えない人々が増えてきました。もちろん、タイでも影響があり、心から笑いたいのに、苦笑いの人も結構います。
それでも、微笑みの国は笑い続けています。

悲しくても自分にマイペンライ、マイペンライと言いながらニコニコしています!
タイでは、「ยิ้มวันละนิด จิตแจ่มใส yím wan lá nít cìt cɛ̀m-sǎy イム ワン ラ ニッ(ト) ヂッ(ト)ヂェ(ム)サイ 毎日少しずつ笑ったら心が明るくなる」ということわざがあります。何があっても笑いましょうという意味です。

さらに、コロナで観光に大きな影響がでているタイでは、危機を自給自足で乗り越えようとしています。

「足るを知る経済」とは

「足るを知る経済(タイ語で、セッタギットポーピアン、英語でSufficiency Economy)」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。タイの前国王ラーマ9世が提唱した経済指針で、仏教の教えに倣った考え方です。

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▲タイの前国王ラーマ9世と田んぼ
写真出典:https://kanisornsri.wordpress.com/sufficiency-economy/

足るを知る経済の考え方は、内側・外側からの変化の影響に対して、
「①ほどほどに+②合理的+③良い防御」を持ち、さらに、会社・環境・もの・文化のバランスを取り、対応できるような計画と実践をおこなうための「知識(能力、慎重さ、注意深さ)」+「道徳(正直さ、勤勉、忍耐、調和、共有)」を持つことです。

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▲写真出典 上:https://www.stock2morrow.com/article-detail.php?id=1270
      下:https://kanisornsri.wordpress.com/sufficiency-economy/

簡単に言えば、経済が回るために贅沢してもいいが、自分が困らない範囲で合理的で身の丈に合った生活をしよう、ということです。

この足るを知る経済の概念を用いて、自分の人生を変える人も結構いるのではないかと思っています。つまり、これは農家や企業人のためだけにあるのではなく、普通の人にも使える概念なのです!

では、一般の人はどのようにこの概念を利用できるのでしょうか。このNew Normal(新たな日常)の時代で、具体的な例を見ましょう。

ある人が今回のコロナショックで給料が減り、さらに、借金を背負っているとします。これからの生活について、足るを知る経済の概念を用いて考えると、以下のようになります。

①自分の経済力を意識してほどほどに生活し、
②家計簿を作り、これからの支出を合理的に考え、
③お金を使うこと以外に興味を持つことで自分を防御する。


そして、返済の計画を立てる情報や知識を集め、自分と他人を困らせない道徳の心を持ち行動する。
日本人にとっては当たり前のことかもしれませんが、タイは国土が豊かで、食べるものにも困らないことが多く、身の丈以上の生活をしている人が多いので、コロナ禍の危機にこの考え方はとても大切になります。

足るを知る経済は、実は特に専門的な経済技術などではなく、シンプルで誰でも出来る経済の考え方なのです。

タイでは、世界一になることより、自分たちで自給自足できることが何よりだと考える人が多いです。出来たら微笑みも増えると信じています。GNPよりGNH(Gross National Happiness)=笑顔

タイ語☆ミニ講座-3

ไม่เป็นไร  mâypenray
マイペンライ
 大丈夫!

「大丈夫」「どういたしまして」「かまいません」「気にしないで」など、様々な場面で使えるので、便利ですよ!

続く

記事を書いた人:難波江ティチャー
日本に20年近く在住。タイの大学では、経営学専攻日本語副専攻、タイ語講師になるためのタイ語教育学専攻、日本の大学院では、経営学マーケティング観光経営専攻。現在は母であり優しいタイ語の先生です。最近は、タイ語に挑戦したいと思っている人のために、まじめなタイ語初級の本を執筆中です。本を楽しみにして下さいね!


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