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2020年1月、17年越しにJagataraに出会えたという話、中編。

渋谷へ

わたしは茅ヶ崎での研修を終え、渋谷へと向かった。

東京には一時期、毎年行っていた時期があったが、渋谷に訪れるのは初めてだった。平日だったとはいえ夜の明るさと人の多さは地元の比ではなく、ただ圧倒された。

人の波をかき分けて、わたしはタブレットのグーグルマップとにらめっこしながら、会場である渋谷クラブクアトロへと歩を進めた。

着いた先にはライヴのポスターがあり、わたしを出迎えてくれた。

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開演前

何事も余裕以上の時間をもって事に臨むわたしだったけど、それ以上にすでに多くの方々で列が形成されていた。

少しずつ進んでエレベーターで階上に向かい、わたしもそれにならったが、しかし着いた先では、エレベーターから下りてすぐの場所から動けなくなった。人が多かったからだ。

そこには同じJAGATARAのファンで埋まっていたという、夢のような光景。大分では絶対に見られない人数を目の当たりにして、わたしは全身が震えるくらい嬉しくなってしまった。

周囲の誰もがJAGATARAの話しかしていないという、夢のような光景。年齢層はおそらくはバンドブームの頃からJAGATARAに熱狂していたのであろう方々がメインのようだったけど、若い方もちらほらいらっしゃる。遠くの方で「『もうがまんできない』って曲があってさ〜」なんて声も聞こえた。

自分以外にもライヴ目当てで上京してきた人なんているのかなあ…そうだとしたら、わたしと同じように嬉しい気持ちでいるのかな。いろんな考えがよぎる。

やがて開場し、整理番号順に入場。まずは物販。絶対に買おうと思っていたTシャツと、目についたJAGATARA本も1冊購入しておいた。

ライヴのためにわざわざ上京するほど好きでも、その知識には穴が多い。これでまた深く彼らのことを知ることができると思うと、満ち足りた気持ちである。まだライヴは始まっていないというのに…。

なお物販では(JAGATARAメンバーの)OTOさんがお茶を販売されていて、ビックリした。

ライヴ会場、わたしはビールを片手に前へ陣取ろうと考えていたが、前列はすでにコアなファンによって埋まってしまっていた。

それでもできるだけ前へ…それで、下のような写真が撮られるだけの場所には何とか動くことができた。左の柱が少しジャマだったが、何も見られないよりは余程マシだと思った。

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司会進行はかつてのJAGATARAのコーラスであり、Jagatara2020の立ち上げ人である南流石。その南さんが言うことには、

「今日は3時間…いや、4時間くらいいくかもー!」

てっきり2時間程度のものかと、完全にナメていた。しかし4時間なら4時間もJAGATARA漬けになれるという幸せは、この先どうあっても味わえるものではないと考えると、それもまた良し! である。

豪華すぎたゲスト

鮎川誠 / 近田春夫 /こだま和文 / 田口トモロヲ/不破大輔 /いとうせいこう/ 町田康/ Nobutaka Kuwabara / 高田エージ / 吹越満 /大槻ケンヂ /向井秀徳 / 永山愛樹 / 七尾旅人 / 折坂悠太

以上が、1/27に開催されたjagatara2020ライヴのゲスト。垂涎どころではないこのメンツ、しかしお恥ずかしながら存じ上げない方もチラホラ…よって、わたしにとって特に思い入れの深いアーティストのみ触れることにする。

今ライブでは、JAGATARAの各曲をゲストが入れ代わり立ち代わり歌うという内容。粋な演出ではないか!

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生まれて初めてこの目で見る大槻ケンヂ(オーケン)は「タンゴ」で参加。

自分がJAGATARAを知ったのも、オーケンがカバーした「タンゴ」。こんな偶然があろうか。しかもオーケン、歌が上手くなっていた(いろんな人からも同じことを言われまくったらしい)。

ただ、歌が上手くない(わたしはけっしてそうは思わなかったが)オーケンも、それはそれで味があってよかったのではないかと思う。

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町田康(町田町蔵)の「アジテーション」

同曲をあまり聴いてこなかったのが悔やまれるが、それでも間近に町田康がいるだけでテンション爆上がりだ。

同氏の小説はどれも読み応え抜群で、特に「告白」はわたしがもっとも好きな小説のひとつである。これも後追いながら、INUもよく聴いていた。

近々の著書によると、最近禁酒をしたらしい。

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いとうせいこうは高田エージと共に「みちくさ」

そもそも同曲自体が最高の出来(JAGATARA中屈指の名曲であり、江戸アケミの言いたいことがこれに凝縮されているとすら勝手に思っている)なのだが、それに輪をかけて最高な即興ラップには度肝を抜かれた。

いつまでもどこまでもループが利く仕様(JAGATARAの曲はどれもそのように構成されていると聞いたことがある)で、わたしたち観客もずっと体を揺らしながらそれを楽しんだ。何も遠慮をすることがなく、ただひたすらに、思いつくままに踊り続けられた。

(帰って奥さんにこの事を話したら「いとうせいこうが出ると知ってたらライヴについていってた」と、まさかのポイントに反応)

…本当は文章で表現できていない部分でそれぞれの曲に対して相当感動をしていたのだけれども、表現力が追いつかない。無念である。

後半へ続く。


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