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【3本目】(心の声)を捏造していませんか/あと1センチの恋



「相手の心の声が勝手に聞こえてきてしまう」ことってありませんか。


テレパシーとかスピリチュアルとか、そういう類ではありません。


どういうことかというと
例えば学生時代、先生に課題を提出したとき

「もう終わったの!?早いね!」

と言われたら。

私にはこう聞こえることがありました。

「もう終わったの!?早いね!」
(ちゃんとやったの?手抜いたんじゃない?)


()の中の心の声は、完璧に私の思い込みです。捏造。
要は、超が付くほどのネガティブで“気にしい”なんです。


特に人間関係の経験値が少ない学生時代は
相手の顔色を必要以上に伺って
勝手に悩んだり落ち込んだりすることがありました。

こういう(心の声)を捏造した経験、
誰にでもきっと1度はあるんじゃないでしょうか。


「楽しいとは言っているけど、なんかつまらなそう。帰りたいのかな」

「褒められたけど、これは絶対お世辞だな…」

「いいよって言ったけど、ほんとは嫌なんだろうな…」



みたいに、相手の心の声を探ったことってありませんか。


しかも厄介なことに(心の声)は8割方ネガティブです。

「もう終わったの!?早いね!」
(仕事が早い!優秀だ!)


っていうポジティブな(心の声)が聞こえたっていい気がするのに。
なかなかそうはいきませんよね。


割と今までのながーい話は前置きでして。

1番厄介だな、と思うのは
心の声がよく聞こえる人は、相手にもそれを求め勝ちということ。


自分が相手の気持ちを深く察してしまうあまり、
「いや、それくらい言わなくてもわかるでしょ!!」
という超絶自分勝手な理屈を押し付け勝ち。

特に家族・友人・恋人といった親しい間柄では
「いわなくても察してほしい」あまり
本心とは逆の言葉が口を突いて出る事ってありますよね。


本当は嫌なのに、いいよって言ったり。


本当は怒ってるのに、怒ってないよって言ったり。



そうやって、自分の(心の声)に嘘をつき続けると、
どうなってしまうでしょうか。


それがわかるのが映画「あと1センチの恋」です。


大の仲良しの幼馴染の二人。
本当は相手のことが大好きなのに、なかなかうまくいかない。


気づいてほしい自分の(心の声)は駄々洩れ。
相手の(心の声)は気づいてるけど無視。


あてつけで他の人と付き合ってみたり、

別の人との恋愛を応援してしまったり、

思ってる事とは真逆のことを言ってしまって喧嘩になったり。

…めっちゃありがちすぎるストーリー!


と思うでしょ?


こういうすれ違い系の恋愛ものって
大抵の場合は卒業とか引っ越しとか、そういう程よいタイミングで
どちらかが素直になってハッピーエンド!というのが王道ですよね。


でもこの二人は違います。


いつまですれ違うの?えっ、このまま映画終わるの!?


ってくらい、ずーーーっと続く二人のすれ違い。
予想の数倍長く続きます。

めちゃくちゃに歯がゆいし、むずむずするし、
なんでそうなる!?の連続。


2人がうまくいかない原因って、
身分の差とか価値観の違いとかそういう複雑な問題は1つもなくて


「自分を気持ちをしっかり口にする」


たったそれだけのすっごくシンプルなこと。

だけど結局それが1番難しい!

そういう等身大な悩みに翻弄する主人公がとっても親しみやすいので、洋画が苦手な人も見やすいはず。


「あと1センチ歩み寄ればうまくいくのに、その1センチがめちゃくちゃ遠い」


そういう意味が込められたタイトル含め、すごく素敵な映画です。


恋愛ものではあるけど、
「素直に自分の考えを口にすることがいかに大切か」
というシンプルなメッセージは
仕事・友情・家族、全ての人間関係において重要な教訓になるはず。


(もどかしすぎて、見る人によってはいらいらするかもしれません笑)

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