オペレーター面接で何を見ているか

コールセンターのマネジメントを20年やってきました。コールセンターのオペレーターは、ほとんどがアルバイトか派遣スタッフです。

おそらくほとんどのコールセンターで苦労しているのがオペレーターの採用です。採用で苦労したことないというコールセンター管理経験者はいないと思います。

私は採用面接をたくさん繰り返して来ました。履歴書は数千人分を見てきましたし、面接も数百人は経験していると思います。

その経験をふまえて、面接の流れや、面接でどう見ているかを書きます。

面接の流れ

まずは会社に応募します。応募時に年齢や属性、経験をヒアリングされると思います。会社によっては応募の時の電話対応も採点して数値化しています。ですが、ここでの点数はあまり合否に影響しません。あくまでも参考程度です。よほどひどければ面接官にも情報は伝わりますが、その場合はオペレーターとして適性がないので、採用にならないほうがお互いのためだと思います。

次に、面接官は履歴書を見ます。履歴書では、どういう経験があるのか情報を把握することはもちろん、履歴書がキレイに書かれているかもチェックします。必須項目が空欄になっていないか、誤字脱字はないか、写真はしっかりと貼っているか等。ここで不備がある履歴書だと、就業後にしっかりと研修を受けられるのか、研修でスキルを身に着けてくれるのか、職場の仲間とコミュニケーションが取れる人なのか、このあたりが不安になります。

おそらく簡単な筆記テストもあると思います。お仕事によっては、実務テストもあります。筆記テストの問題は、性質が大きく2つに分かれています。それは①基本知識を確認するための漢字や計算問題、②正確な事務処理能力をはかるための正誤問題や短文の問題です。もちろん会社によってさまざまだと思いますが。

基本知識は小中学校レベルの簡単な問題ですが、もし分からない漢字があっても、現場ではパソコンで入力するので、あまり減点の対象にはなりません。重要なのは、事務処理能力をはかるためのタイプの問題です。落ち着いて問題に取り組むことができるのか、ここで間違いが多いと現場に入ってからオペレーションミスをしそうと思われるので、面接で相当いい印象を与えないと採用にはならないかもしれません。

そして、最後に面接ですが、その前に派遣会社について思うところがあるので書きます。

派遣会社のスタンス

現在、私は事業会社のコールセンターで、派遣会社からオペレーターを派遣してもらっています。

私は派遣会社も数多くありますが、大手でも、中小の派遣会社でも、だいたいどこも同じだと思っています。結局は、営業担当が誠実か、良い人材から運よく応募があったのか、この2点で差がつく程度だと思います。

派遣会社側でも、さすがにこの人は、というレベルの選定はしてくれますが、結構ハードルは低い印象です。とにかく数を打って、残ってくれればラッキーと言わんばかりに、次々に紹介しようとしてきます。

すべての派遣会社がそうとは言いませんが、少なくない印象を持っています。そういう対応をする派遣会社とは、信頼関係が築けないのに、なぜ各社が同じような振る舞いをするのか不思議です。目先の数字よりも長期的な関係を築く方がビジネスとして成功すると思うのですが。

面接では第一印象が大事

さて本題ですが、面接官として、応募者をどう見ているかです。

私は、やはり第一印象が大事だと思います。面接で何を質問するか、どう見るのかは第一印象によって異なります。

第一印象が良い場合ですが、採用を前提に面接を進めます。面接中の質問は、第一印象が間違っていないか、第一印象を崩すだけのリスクがないかを探す減点法となります。そのため、面接中によほどズレた発言などがなければ採用です。この場合は、質問はそれほど多くなく、時間稼ぎはしません。

逆に第一印象が良くない場合ですが、不採用を前提に面接を進めます。面接中の質問は、良くない印象をひっくり返すだけのポジティブな材料はないかを探す加点法となります。ここで結果をひっくり返すだけの加点をとるのは厳しいと思います。面接時間は、加点ポイントを探すためにいろいろ質問するので長くなります。

このように、第一印象が大きなアドバンテージになります。第一印象を良くすることに妥協しないでください。それでも、どうしても自分は第一印象が良くないと自覚している場合は、負けた状態から逆転が必要だということを理解して、加点ポイントを準備することと、よけいな減点をしないようにしてください。

どうすれば第一印象が良くなるのか

第一印象を良くするためにできること

・履歴書は手書きではなくパソコンで作成しましょう。手書きは字がきれいでないと読みにくいですし、パソコンで作成したものより見た目のスマートさは劣ります。手書きの方が思いが伝わるということは、私は感じたことはありません。

・写真はキレイなもの、清潔感のあるものを選びましょう。そして、写真はキレイにカットして、履歴書にまっすぐに貼りましょう。写真の形が雑にハサミで切られていると、事務業務に向いていない印象を持ちます。

・アピールポイントは必要最低限の情報量にしましょう。経験をアピールしようとして、文字数で勝負するのは良くないです。例えば「コールセンター経験、カスタマーサポート経験、事務業務経験」など、同じ経験としかみえないものが羅列してあっても、文字数でごまかそうとしているようにも見えますし、情報をまとめる能力に欠けるのではと思ってしまいます。

・笑顔と清潔感を大事にしましょう。面接官としては、採用した場合に、職場の雰囲気にマッチするか、仲間とのコミュニケーションが取れそうか、も重視しています。どんな職場でもマッチするコツは、笑顔であることと、清潔感があることだと思います。作り笑いも度が過ぎると敬遠されますが、基本的には笑顔でいて間違いはないはずです。

以上です。コールセンターに限らずですが、採用されてゴールではないですし、不採用が自分の価値を否定するものではありません。もし不採用になっても、あまり気にせずに、次にチャレンジしましょう。コールセンターの仕事はたくさんありますので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?