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大阪梅田の女子大生巻き添え飛び降り事件に関しての安楽死制度考察

はじめに記しておく。私は安楽死制度の導入は賛成だ。

10月23日に起きた大阪梅田の女子大生を巻き添えにした男子高校生の飛び降り事件に関して、Twitterを散見していると安楽死制度導入化を推進するようなつぶやきをそこそこ見かけた。​

安楽死制度は導入すべきとは思っているが、この件に関しては正直微妙なところ。

まず私自身の安楽死制度に関しての考察を連ねたいと思う。

どういった場合に安楽死は必要か?

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個人的に以下に該当するのであれば、本人希望のもと一定条件を伏しての安楽死導入は有りかと考えている。(有りかというよりは一定条件のもとでなら導入されても然るべしという感じ)

・治療回復の望めない末期医療患者

・要介護の後期高齢者

・成人以上で3〜5年以上通院経歴があるにも関わらず社会復帰の望めない重大精神疾患患者

3つめに関しては個人的希望も入っているが、1、2番目は法改正して取り入れてもいいんじゃ無いかと真面目に思っている。

安楽死が導入されているオランダでの導入きっかけの事件なども、終末期医療患者に対して行われたものであるし。

オランダで、安楽死の容認はなぜ可能なのかhttps://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0069.htm

少子高齢化が進み若年層の負担が増え続ける日本ではいずれ尊厳死の問題は避けて通れないのではないかと思う。

法案成立にあたっては世論の声が今より高くならないと厳しい感じはするけども。介護疲労による親族間の殺人増加やALS女性嘱託殺人事件のような事件が頻発していけば、いずれ国として動かざるを得ないんじゃないのか。

安楽死制度を導入するにあたってハードルとなるもの

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・障害者団体、難病団体、宗教団体、弁護士会などの反対

・相続問題

・社会的損失額

他にもまだまだあるけどもざっとこの3つ。

一番ネックなのが恐らく社会的損失額。自殺した場合の社会的損失額というのが厚労省から発表されている。

こちらの資料を見ても分かる通りGDPと比較して見ても中々に大きい額である。末期医療や後期高齢者は経済的側面から考えて安楽死制度が施行された際に対象となる余地はあるけれども、少しでも回復見込みがある(と見られる)身体健康状態にある精神疾患者を対象とすると経済的損失が膨らむ可能性が高いと推察する。

国としては経済的損失が拡大すると分かりきっている政策は実行しない。そも経済対策が向上すれば自殺者数が減少することはデータとして出ている。

つまり国が正しい経済対策を行えば自殺者数を減らすことは可能なのである。にも関わらず、回復見込みのある精神疾患者を安楽死の対象とするのは国が劣っていると認めるのと同義なのではないかと思う。

なので、国として精神疾患者の安楽死が認められるというのはあり得ないと推察している。

制度として保証されてしまうと安楽死を希望する精神疾患者の数は計り知れない。今回のような巻き添え飛び降り事件や座間事件が相当数頻発すれば頻発して世論の声が高くなればもしかしたら変わる日が来るかもしれないが、それはあまり明るくない未来だなと思案している。


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