見出し画像

不便

便利だと言って、
通帳は紙から電子にした。

昔レンタルビデオ屋で新作は貸し出し中だと探し回った見たい映画は、HuluやNetflixで見るようになった。

昔はテレビ、CMやドラマ、ラジオでいいと思った曲をCD屋のおじさんおばさんに鼻歌で歌ったりイントロを机で叩いたりして説明して探したCDは、ストリーミング配信で事足りる。

友達と暇だからとエロ本を18歳未満とバレずに買えるか遊んだ本屋は今はなく、大体ネットで手に入る。

本は電子書籍で読むこともあるし、面倒な時はレビューやまとめサイト見てから買うときもある。

駄菓子屋やゲーセンに行けば怖い先輩達がたむろしていて勇気を出して店に入ったけど、今オレが子供だったら家でゲームやってコンビニでお菓子を買う。

昔は友達や好きな子に電話する時は家の電話で相手の親が出ないかドキドキしたけど、
今はメールもスマホもSNSがあるから別に相手のために時間を作らなくても繋がっている気になってしまう。

無駄な失敗もしないし、無駄な時間は省けるし、無駄な出費もなくなる、無駄なものもなくなる。
ミニマルってやつ。

仕事は別として、大した手間を掛けずとも自分にとって必要と思いこんいる人やものや体験だけが自分の周りに残ってしまう。選べてしまう。

でも偶にふと思う 〝日常で気付かずに選択している楽な成功体験よりも
手間を掛けたのに失敗したりバカにされた方が面白そうだし、何となく手に取った本や音楽や映画が面白くなくても良い。
会いたい人には時間を作って会いに行くべきだし。昔会いたくなかった人にも会ってみるのも楽しそう。
怖いと思っていた場所や人は案外違うかもしれない。〟 みたいな事って人間として大事な感覚だよなってことを

便利なものは便利だ。これからも使うし買うし体験する。

ただ
何も考えずに便利な方に流れないようにしようと思った。だから少しだけ抗って久々に不便さと無駄と遊んでみようと思う。

そう考えさせられる宝物のような無駄や不便が詰まってる手作り本棚。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?