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Design War season1-1

20XX年。日本、某所にて。
山岳地帯に大きな錆びれた工場が並ぶ。
工場の扉が開き、全身が黒尽くめの男が入ってきた。
「おい、きたぞ。
コッコッコッ…足音が静かな工場内を響かせる。
コッコッ。数人の工場員の前に立つ黒尽くめの男。
「ウホン。おい、手前ら。強制的にお前らを雇いたいんだけど、いいか?

———

古びた狭い定食屋。
「おい、お前もそろそろ仕事見つけろよぉ。いいか?ずっとお母さんの脛を齧ってばかりじゃあ、自立なんてできないぞ?
「おじさんはいいよね。だって公務員でしょ?俺なんて、給料もろくに貰えないのに、俺の頭で入社できるところなんて、ブラック企業でしょ?
「案外、公務員も風当たり厳しいんだぞ…?そんなの、入って見なきゃわかんねーっつーの。
「むりむり。まあ、お母さんに迷惑ばっかはかけられないのはわかってるんだけどさ。
俺は、多彩 翔(たさい かける)。大学を卒業してから、26歳の今まで、就活が全然うまくいかなくて、3社受けて、全滅。先輩からは、
「高望みし過ぎ
とか、
「履歴書と面接が弱い
とか、
「まず、受ける会社少な過ぎ
とか、
「泣くの早過ぎ、早よ起きろ
と言われた。相沢 東周(あいざわ とうしゅう)は、大学のサークルの先輩で、ずっとよくしてくれた。でも、それから挫折して、家に引きこもるようになった。お父さんが10年前に亡くなってから、お母さんがずっと1人で切り盛りしてくれてたから、就活始めた時は意気込んでたんだけれど、ダメだった。
「俺は、本当は絵の勉強したいんだよ…。
「絵か。うん、仕事、見つかりそうかな?
「分かってるよ。食えないのなんて。てか、お母さんに仕送りもとか言ってたから、ちゃんとした企業に勤めないとだし。
「ちゃんとってのはわかんないけどな、翔くんがやりたいのやればいいさ。ただ、お母さんが心配してたんだって。急に引きこもるようになったから。
「うん…。わかってるって。あした、ちょっと求人見るよ。
「明日じゃない!!きょう!!!
定食屋のテレビから臨時ニュースが流れる。
「ここで臨時ニュースです。先ほど、群馬県高崎市の工場にて爆発が発生し、その火が燃え移り山火事が発生しています。これは、上空からの映像です…
「近っ!すぐそこじゃん…
「爆発って、放火?事故?なんか、御巣鷹山の事故思い出すな…。
「ねぇ、ちょっと行こうよ、すみません〜、お会計お願いします。
「翔くん、俺が払うんでしょ?
「たーちゃんお願い〜。出世払い!
「分かったわかった。外で待ってて。
腹の満たされた2人は、事故現場へと車で向かう。

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