分かり合えないこと、キレること〜日刊弁慶2020.8.2

多様性の時代だ。ホントかどうかは知らん。半分くらいはイデオロギーだと思うけど、まあとりあえず多様性。

多様性論者を困らせるのは今回はしないけど、多様性って大変だぜ?話し相手と理解し合えない可能性が増えるんだもん。イライラするっしょ。でも理解し合わなきゃいけないわけ。「あいつはヘンだ」で片付けちゃダメなわけ。そういうことに決めたんでしょ?

日本は元来ハイコンテクストな地域で。。。なんて言っている人がいてかっちょいい言葉だなって思った。ハイコンテクストってのは、要は育ってきた環境とか、価値観とかがみんなあんま変わんないってことらしい。つまり、暗黙の了解が多いってこと。それなら衝突とかあっても受け入れやすいんじゃないか。

でも、今は(そんな言葉があるか知らないけど)ローコンテクストを前提しなきゃいけない。分かり合えないのをベースに考えなきゃいけない。で、「わかってくれない」を理由にキレちゃいけないわけ。「わかってくれない」を当たり前にするって宣言してんだから。

でも、わかってもらうために一番有効なのは、まさにキレるってことなのかもしれない。暴力。法律って、法律=権力者の価値観を設定して、そこからはみ出したら暴力振るうからな、っていうことなわけ。そしたら見事にみんな同じ価値観共有するでしょ。赤で渡っちゃダメ、自動車速度出しすぎちゃダメ。これは罰=暴力でコントロールされている価値観だ。

あなたのことを無意識に誤解・差別してしまう人に対してキレる、ってのは、暴力で相手の価値観を歪めようとする行為だ。法律が上手く機能していることからも分かるとおり、「キレる」は一つの有効な方法だ。本当に苦しんでいる人に対して、それは間違っている、なんて綺麗事は言わない。

ただ、あなたがキレてしまえば、キレられている相手の方を、あなたは理解しようとしていない。相互理解の形ではない。まあ片方だけでも理解してくれれば、目標の半分は達成しているわけだけど。

でも、ある種に美意識として、キレるってダサくない?感情全部出ちゃってますよ、お兄さん。素っ裸ですやん。怒るくらいなら、昨日食べた美味しいハンバーグの味でも思い出してる方が幸せだしスマートだと思うな。

そういえば「怒りの作法」って連載始めたの思い出した。全然進めてないわ。


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