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【音楽雑記】#34 サザンオールスターズ「綺麗」のバラード曲が心に刺さった。(1983年⑥)

TBSドラマ「ふぞろいの林檎たち」が始まった。

1983年のサザン関連の話題でいうと、5月からドラマ『ふぞろいの林檎たち』が始まった。山田太一原作・脚本。主題歌にサザンオールスターズの「いとしのエリー」。挿入歌にも数々のサザンの曲が使用されていた。初期のサザンの名曲がドラマと連動して、さらに印象は深まった。特に「栞のテーマ」「My Foreplay Music」などが効果的に使われていたと思う。

サザンは1982年にシングル曲「チャコの海岸物語」「匂艶 THE NIGHT CLUB」「Ya Ya (あの時代を忘れない) 」がヒットしていた。また、この頃は色んな歌手が桑田さん作曲の曲をリリースしていた。研ナオコ、高田みづえ、中村雅俊など。「ひょうきん族」がらみで「アミダばばあの唄」というのもあった。

アルバム「綺麗」とシングル「EMANON」がリリースされた。

そんな中、1983年7月にリリースされた6枚目のアルバムが『綺麗』(きれい)だった。

個人的に、それまでのサザンの曲はシングル曲はテレビで知っているし、アルバムもつまみ聴き程度だったが聴いていた。それぞれの曲が才能あふれる良い曲だと思っていたが、胸にせまるまでの曲はなかった。

ただ『綺麗』のバラードナンバーは、心にぐっとくるものがあった。

シングル曲にもなった「EMANON」は、その頃のサザンにしてはチャートランキングが低かったが、個人的には、これまでになく気に入った。
アーバンでメロウな、まったり心地よい16ビート、半音階を多用した流れるようなジャジーでトリッキーなメロディライン。ピアノ単音のメロ、ミュートギターのリズムに美しい管弦のバックハーモニーが被さる。サックスソロの後の大さびでは、わかりやすいメロディライン。
桑田さんは、やろうと思えばここまでできるよ、ということを示した渾身の楽曲だと思った。

「サラ・ジェーン」にぐっときた。

そして、個人的にサザンで一番好きな曲が「サラ・ジェーン」だ。
多感な少女を主人公に歌った曲。この曲を聴くと映画や小説を読んだ感覚になった。この曲もゆったりとした16ビートに、ブラスアレンジが美しい。そしてスティーヴィーを彷彿とさせるハーモニカソロ(八木のぶおさん)。

「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」はアルバムA面のラストのバラード。好きな曲だった。単調なリズムマシンに、エレピとフリューゲルホーン、ブラスアレンジが美しい。そこにせつない歌詞が淡々と歌われる。

曲調的には前3曲のが好きだが「旅姿六人衆」も名曲だ。(好きな人も多い)

サザンは次のアルバム「人気者で行こう」では本格的にデジタル楽器が投入されていき、「綺麗」でのバラードの曲調は、それ以降あまり見かけなくなった。
「海」には、その雰囲気があって、シングル曲候補だったらしいが、直前に
「ミス・ブランニュー・デイ」に変えたというエピソードがある。エレクトロポップに舵を切ったサザン。もしも「海」がシングルだったら、どんな歴史になっていたんだろうと思ってしまう。


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