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その夜、僕は空を飛んでいた、ほんの数秒。 あっと言う間に地面が近づいて、1階のバルコンのタイル&コンクリート、敷石に落ちたらヤバいって目に入って脳が演算する間も無く、身体を捻って、脚から着地した瞬間に、受け身を取る。

前方回転でごろんごろん、まるで空挺兵みたいに、カッコよくはなかったけれど2階から飛んで、怪我一つしなかった。 柔道が弱くて受け身が上手だったのと、爪先スクワットを日に100回こなしていたので足腰が強かったのと、まだ成長しきっておらず体重が軽かったから無事だった。

2階の僕の部屋では、体重80kgを超す親父がゴリラみたいに喚いている、いや、ゴリラは平和主義者だから、彼みたいに激高して、感情的にならないだろうと想うのは、今の僕だからw

中学2年生、40kgの僕は、ああ、上手く着地した、生きているって思っただけw、 その半年前には、足首を持たれて、玄関あたりの木の床に逆さで頭を叩きつけられて、今でも頭蓋が平らになって戻らないところがある。

この頃の親父は取引先、イタリア人のダニエレおじさんに気に入らないことを言われ、でも相手が正論だから言い返せなくて、いらいらしていたのだと、先日、会社の帳簿と書類を見て解った(笑)

僕は、どんな悪いことをしたのか?  頭蓋を平らにされたときは、語学の教科書を持って来いと言われ、それを肩と水平に前に突き出して、音読せよ、20回がノルマ、2ページで 1回が3分掛かる。  腕は震える、水平から下がる。  反抗したなとビンタを貰い、泣いたら、涙を流すのは更なる反抗だと、親父が激高した、突き飛ばされて逃げようとしたら足首を持たれて(笑)、逃げ足が早かったので、親父の部屋から玄関に逃げたのが、いけなかった。  足首を持たれて、逆さにされパイルドライバーよろしく、頭蓋ががんがんっと鳴った、右目が銀色に光った。

2階から投げ落とされた、この日は少年ジャンプを買ってきて、サーキットの嵐が始まる前の池沢さとしのエロマンガで男の子をしていた。 あぁんっと描かれている女の子に夢中で、足音を消して近寄る親父がドアを開けるまで気づかず、ベランダに逃げたら、投げ落とされた(笑)

家では漫画は禁止、例外で手塚治虫のシリアスものだけ閲覧を許され、悟空の大冒険やアンデルセン物語等のギャグ系は禁止

中高一貫の男子校に通わせてやっているのに、親父の言う通り勉強をせず、成績も上がらないのに、エロに興味とは言語道断、横断歩道、成敗してくれるになった(笑)

僕は成績が悪かった

親父の言う通りに勉強しないと、じくじく言われ、成績が悪いと殴られる、勉強が好きになるはずがない(笑)

中高一貫男子校も青学より、うちの息子は○△に通っていますと威張れるから、そっちにした。 青学受験の時に案内の上級生がお嬢でめっさタイプだから、そっちへ行きたいと言ったのだが、元女子大に通っても云々言われ、却下された(笑)

親父は子育てをしているのではなく、自分の見栄を張るのに、子供を使っていた。 また、幼い頃は親が絶対的権力者だから、子供が思い通りになって面白かっただけ。

育っていけば、思い通りには動かないし、期待通りにならない、更に長子長男の僕は、親父を愛してくれる母から寵愛の数割を簒奪した憎き相手。

ただ、自問して、それを認めるのは沽券に関わるから、悪いのは全部、倅 木偶の坊で、製糞機、会社を継げる器ではなく、いずれ会社を傾ける悪魔(笑) 倅が銭を喰うせいで自分が贅沢を我慢せねばならぬ。 敵

子から見れば、最初は神の如き存在、竹ひごでゴム動力飛行機を造らせれば名人、ひごをろうそくで炙りニューム管でつなぎ、美しい飛行機を作って、一緒に中野の刑務所脇の公園へ飛ばしに行った。

小学生くらいから、王になった、王権神授説の絶対君主、神より理不尽

中学生になり、あれ? 俺の言うことは間違いないって言ってなかった? 今のこれ、間違ってない? と気づくようになった。

一時隆盛だった会社も、海外の取引先と上手く行かなく成り、国内の取引先にしわよせを及ぼし(後日、帳簿で知った)なんでもかんでも責任転嫁、売上が上がらぬのは社員のせい、アイディアを思いついたのに、上手く行かなくなったのは倅の成績が悪くてイライラさせるから(笑)

思い返せば、親父は頭が悪いのに、たまたま時流に乗って、会社の隆盛を迎えたが、他人の行為に甘えるばかりで、無神経に裏切り、しっぺ返しを喰い続ける、社員も離反しいなくなった。

八つ当たりのターゲットは、いつも僕、 何度かリスカもしたし、出来たばかりの京王ホテルや高層ビルに忍び込んで、飛び降りる計画も立てたけど、怖いのw 出来なかった(笑)

エリスの爺さんと言うユダヤ人に、教わるまで、そんな状態が続いた。

おまえの親父は子を育てることで、子に育てられると知らないのだ、私も裏切られた、悪口を言ってすまないが、おまえの親父は愛情乞食で悪魔の眷属だと言われたw

愛するのではなく、支配を欲するものは、それによって愛されることを相手に強要し、人が離れていき、やがて滅びる。

エリスの爺さんは強くなれと言った。

愛するには強くなる事だ、禅に力愛不二と言う言葉がある。 まず自分を愛しなさい、自分を愛せない者は他を愛せず、愛し方を知らず愛されることのみ求めてしまう。 強くなければ愛せず、愛せなければ強くなれない。

おまえの親父は気づかぬまま死ぬかも知れない、それは仕方のないことで、おまえは巻き込まれぬよう、距離を取り、なんなら、縁を切りなさい。 親より自分が大切。  おまえに子が出来たなら、大切にしてやりなさい、おまえが呼んだ生命を精一杯愛しなさい。 そうしたら強く成れるよと、ちょっと子音の強い、訛りのある日本語で教えてくれた。

最初から完璧な親なんて居ない、子を大切に愛しいと想い、見つめ、何が必要か考え、知識を増やし、知識で智慧を回し、智慧を強くすることで知識を集めやすくする。 それもこれも子が可愛いからだ、可愛いと思う気持ちを大切にしなさいと、瞳が大きく見える老眼鏡ごしに優しいブルーの目が言っていた。

子と一緒に親と言う存在として成長するのは楽しいよ、年を取っても、子と仲が良いと、子が新しいことも教えてくれる。

今、子育てを、ほぼ終わって、振り返ると、エリスの爺さんが言っていた事が正しい。

子に今の時流を教えてもらえる、理解の助けを貰える、気持ちが老けないw育てられるだけじゃなくて、アンチエイジングにも効く、正しい子育て(笑)


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