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利根川の向こうは星だけじゃなくて、距離感も段違い、一番近いコンビニが2km先、車じゃないと行かれない

一番便利なスーパーは8km
水琴の母親のちょっと先は20km先

車で動くと大した時間ではないけれど、距離で考えたら、新宿―立川が20kmだもの

おかげで小学校の校庭で野球が普通に出来るし、裏山にカブトムシが居る、デパートで買わなくて良いんだ、夜、歩いていて、平べったい虫が飛んできて、シャツに止まってゴキブリだと思って払ったら、クワガタだったとかw

犬の散歩をしていると、畦道にザリガニ、春先は田植え前の畦に雉がきぇええええええんっと啼いている

ボーイスカウトでキャンプ、猟で山には行っていたけれど、田舎に住むのは初めてだから珍しくて楽しいことばかりw

パソコン教室で知り合った、おじさんおばさんがシングルファザーだと知ると、差し入れを下さる、食事に招待される。

地元に馴染んできたら、千尋の嫌がらせも気にならなくなった。舞子はイジメを解消した後、ブラスバンドに入る、真央子も1200m先の小学校に通う。

舞子の電話に毎日数回、千尋から電話が有るが、喋るだけ喋らせて、切る。
面倒で着拒したら、僕に電話してきて、着拒を解除させろと騒ぐ。
本人の意思で着拒してると説明すると、僕が悪口を言っているせいで、無理に着拒させていると喚く喚く、同じことを親戚、兄弟が電話を掛けてきて騒ぐ。

「調伏してやるとです」
恵利が僕を脅そうと思ったのか、おどろおどろしいことを言い出した、里の真言宗の寺で調停、裁判に勝てるように護摩焚き祈願。

PCの性能が上がり、CDだった媒体がDVDになったので、記録を1つに纏められた。

いつまで待っても千尋の扶養から抜かれない、保険証も届かない。
山辺刑事の女房である、叔母が保険証で借金をされてしまうと、入れ知恵をしたそうな。

おかげで、病気も怪我も離婚が成立するまで自費で受診した。


調停最終日に千尋側が約束した真央子との面接のルールが提出されない。
「正月、真央子を連れて旅行に行きたいんだけど」
千尋から電話が有ったのは年末も数日の所だった。
「いや、約束したルールは?」
「娘に会うのにルールなんて要らないでしょ、調停は終わったから関係ないの、だから自由に会えるの」
「うん、そういう訳にはいかないんだ」
「いい、解る?調停が終わったの、だから自由なのよ」
「調停不調だと、次は審判なんだけど、どうするの? 弁護士はなんて?」
弁護士さん、我慢強い人で、調停不調までは付き合った、千尋と一族は全くそう思っていないが、依頼時に厳密に見れば虚偽が有ったものだから、降りてしまった。

依頼人に可能な限り有利に導くよう動くのが代理人、前提となる依頼に著しい錯誤、虚偽が有った場合は依頼契約は、どちらからでも解除できる。

面接の経緯も千尋側の説明と、こちらの提示では食い違い、物証のある僕が有利。

診療は敵わないけど、法律で法学士が看護師に負けられない(笑)

言葉の端々に、元サヤを願っているのが解る、ただ、メンツ大事の一族の手前、僕に折れることも出来ない、一族親戚兄弟、親からはやいのやいの追われ。
壊れているね(笑)

「別居調停を受け入れてくれないからでしょ?」
「受け入れる理由が無いもの、別居調停って、うやむやにして、そのまんまって事だぜ、なんも進まない」
「子供は母親と居るのが当たり前でしょ?」
「産んだだけで飯も食わせないのは親じゃないよ」
「食べさせていた、ヒロさんがワガママ言わせて好き嫌いさせた」
「いや、芸術的に素材を壊して、前衛の飯なんて誰も嫌だと想う」
「バカにして」
「ちゃんと食えるもの作ればいいだけの話じゃん、出来なきゃ、協力し合えば良いのに、僕が作るものを拒否したのは貴女」
「バカにして」
「してないよ、相手にしてないだけ、子育ての邪魔だもん、思い通りに動かないからって、殴ったりつねったり、力で抑えつけようとするからさ」
「躾よ」
「護摩焚き祈願、調伏行も?」
「関係ない」
「恵利さんが言ってたぜ、僕達を離婚させるのに一所懸命じゃん」
「姉妹だから、手伝ってくれてるの」
「あら、貴女より一年早く、国大出の婿を得たら、貴女が僕を得た、対抗心むき出しだったじゃん、そこらが、今回の事に関係ない?」
「関係ない」
と言いつつ、千尋の口調が変わった。

面接のルールは最後まで出てこなかった。
時折、僕の携帯に恨み言が入っている、それは自分の一族に向けるもので、僕は預かり知らぬ、金が無いのだって、実家を立派にするためで、岳父が言うように、皆の家等と、ちゃんちゃらおかしい。

千尋が苦しいのは一族と話を着ければ解決するのだが、それを思いつかぬのは暗愚なのだろう。

縁が有って夫婦に成ったが合わない、愛情も失せた、離れたいと言っていたのに、ここまで引っ張り、今は子供に負担を掛けている。

人同士が楽しく過ごすのに、相手を屈服させる必要が?

子供が心配だから、親権を取るではなく、千尋は親族にメンツが経たないから、親族は親権の取れない母親を育てる一族だと言われたくないから。

やんごとなきと抜かしていた頃から何も進歩がない。(笑)

娘達が成長して千尋にイビられないくらい強くなり、その時に望むなら、交流したら良いし、嫌なら会わない。

自分が子供に嫌われるのを容認出来ない、あぁ ここも僕の親父と同じメンタルだ(笑)

引っ越しの金が無いという名目で、僕への嫌味と自分が欲しい物を略奪するために、親戚を引き連れてきた、味方が居ると示威することで僕へのマウントも無意識に果たしていたのだろう。

金を節約するために親戚を連れてきたのだが、素人に大きなタンスを出すのは無理だったらしい、しかも、親戚が来た時点で、千尋の荷物は全て運び出したと報告が有った為、親父は千尋の差し向けた業者を拒否した。

千尋は僕に何とかしろと、何を考えたか業者の業務請書をFAXしてきたが、タンス1つ引取で運ぶのに10万ちょっと切るくらい、一人分の引っ越しなら、十分可能な金額だ。

その後、どうなったのか、僕は関わっていないから知らない。
親父にはぶぅぶぅ文句を言われたが、それも知らない。


自分を客観視出来ないから、事象の把握が出来ない者同士の闘いは関係ない。
娘二人とミケ、そしてそれを助けてくれる人達が大切だ。

人間関係なんて、それで良い、マウントなんて面倒くさいことをすれば、揉める、伴って、失くすものが増える。
縁と言う繋がり、縁の有った者を無理に縛り付ければ、僕の母のように病を得て生命を失う、一番狼狽えていたのは親父。
「下らない」
笑っていたら、ミケが足元に居た。
「ねぇ」
ミャアっと返事をした。

何度も電話があり、親権を渡せと言われた。
子供は千尋や一族の見栄の道具じゃない、僕の娘だ、行きたいと言うなら行けば良いけれど、虐待をされなくなる年齢までは無理(笑)

虐待をする奴は自身が弱くて、頭が弱く上手な導きを出来ない。躾だ、お前のためだと言うエクスキューズで虐待を続け苦しめる。

そのなれの果が僕だw すっかり性格が歪んでいる。
大切な子供に二の舞はさせない。

年末、電話のやりとりで意見を文章にして送ると約束したのだが、待てど暮らせど来ない。

訴状の案を下書きしていたら、平家弁護士から連絡が有った。
千尋が新しい代理人に依頼をし、代理人を挟んだ話し合いで問題を片付けたいと言う。

先方の代理人と事務所を聞いた、女性、僕と同い年、あれ聞いた名前(笑)。 数件、電話を掛けた。

子供の口から直接希望を聞きたい、子供の希望がわかれば場合によって解決すると言うのが先方代理人が面接を求めた口実。

面接希望日は3月の最後の金曜日、場所は東京ドームホテル。
子供たちの希望は決まっている、これでやっと片がついて落ち着いた生活が出来る。
子供たちは春休み、僕は年度末で忙しかったが車に二人を乗せて、とことこ出かけた。
パーキングはドームの方を使った。
二人は少年ジャンプショップを見つけて面接前に行くと言うから、宥めるのに往生した。

千尋の代理人、見覚えが有った、記憶に残る人なのだ(笑)
スーツは高価だが下品、上半身は棒のように細く腰骨から下が異様に太い、科学の実験に使うフラスコ、きどりんぼオーラむんむん、馬鹿にされまいと羽を目いっぱい膨らませているチャボ、司法試験を受けるための予備校に居た人(笑)男に媚びるけれど、誰にも相手にされなかった、確か一緒の受験は落ちて居た、3年頑張ったらしい。

平家弁護士も期末の忙しい時間をやりくりして来てくれた。
フラスコチャボがうちの先生に一言。
「どうして、お父さんが来ているのですか?」
僕がいると子供が本当のことを言えなくなるらしい。(笑)
親権争いが必要な14歳と6歳の子供、茨城から付添なしの移動は危険。

フラスコチャボは、うちの先生を上手く騙して千尋が子供と逢えるセッティングをしようと企んだ。
「ジャンプショップに寄って帰ろうか」
僕が言う、娘達が飛び上がって喜んだ。
「まぁまぁ」
平家弁護士に取りなされ、僕と弁護士二人、千尋と子供たち、それぞれがテーブルに別れてロビーのティーラウンジに座った。

ロビーは全面ガラス張りで明るく床も白っぽい大理石。天井も高い、オープンカフェで行き来する人、正面には後楽園遊園地のジェットコースター。

あちらのテーブルでは舞が千尋に敬語で受け答えしている、真央はケーキをほおばっていた。

「依頼人はいつ離婚すると言っていますか?」
僕はフラスコチャボに聞いた
「離婚しないみたいですよ」
「はひ?依頼人から調停を言い出しました 離婚すると騒いだのは彼女です」
「離婚を最初に言い出したからと言って意思が続くとは限りません」
「筋が違いません?」
「まぁまぁ、好きでいっしょになったのでしょう」
チャボが未婚なのは知っている、歌舞伎町界隈じゃ有名な“おばさん”   悪名“ワニガメ” 嵩に掛かってホストに噛みつき捲くる凶暴ながら、煽てれば財布は緩い客。 アフターは難行苦行。難易度最悪物件(笑)

隣のテーブルから娘たちが立つ、千尋も慌てて追ったが巻かれたらしい。
30分位して、舞子は少年ジャンプショップの袋を提げて、戻ってきた。  真央子も何か持ち嬉しそうだ、10分後に千尋もあたふたと帰ってきた。

面接は3時までの約束だ、2時40分になって、フラスコチャボ
「お嬢さんたちと観覧車にお乗りになれば」と千尋に勧めた。

観覧車は乗ってから30分、待ち時間は? 時間の概念がむちゃくちゃなところは千尋と共通?

平家先生のお時間もありますし。穏やかに言うと、チャボが更に獰猛な顔になった、ああワニガメ(笑)。予備校の時は男の前で、その顔をしなかった、 女子の間では思い通りに行かないと感情を表に出すと有名。

喧嘩をしても仕方ない、納得して貰う為に舞を呼んで、先方の先生とお母さんの前で希望を申し上げなと言った。
「パパと暮らしたい、ママとは絶対に暮らせない」
「舞ちゃんと暮らしたい」
舞と真央の声が大理石に反響、高い天井ロビーに響き渡った。  
この日はこれでお開きになり、西日暮里の又一順(ゆーいーしゅん)で小龍包をしこたま買い込んで帰った。

4月ワニガメがFAXを送って来た。
曰く、父親の妨害で時間が短く子供の意思を確認することが出来なかった。

曰く、茨城のようなところへは家裁の調査官が行かなかった、子供の意思を確認するには調査が必要である。
曰く、茨城のような地方都市では男尊女卑が激しく、娘2人の育成環境が疑問で有る。
(茨城の方、この小説を読んで怒らないでくださいね、ワニガメのFAXに本当に書いてあるんです(笑))

今度は青山の弁護士事務所に長女1人でおいで頂き、接見がしたい、父親が車で待っているだけでもプレッシャーなので、あくまでも単独、帰りには原宿で遊ぶという楽しみもある。 そうだ
接見の時ワニガメは横浜を自慢、青山に事務所があるのも自慢。
歌舞伎町情報でワニガメの原産地は関門海峡の向こうだ(笑) 男尊女卑?

親権争いの必要な年齢の女子中学生に1人で片道60kmを往復させ、帰りに盛り場での遊びを勧める? 安全の為に僕が拒否。


交渉が決裂したので4月に離婚裁判を起こした、家庭裁判所の管轄。

家裁の中で調停も裁判も処理されれば調停のときの資料が精密に活かされ易い、千尋の面接ルール無視なども反映される。 有利じゃん

ハレルヤと想っていたら敵もさるもの、反訴を起こしてきた。

要求は千万の慰謝料、親権の引渡し、養育費一人5万円✕2。
他に僕たちが住んでいる家、車、身包み脱いで置いていけ?上等だ。

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