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コーチング雑感 ーいつまで続けますか?ー

長年コーチングセッションをやっていると
本当にいろいろな方のお話を聞きます。

その中でも
「いつまで続けますか?」と
私が質問したことで
相手が変わり始めた事例について
紹介します。

以下は
個人が特定できないよう
また守秘義務の関係上
多少ぼやかした状態でお話することを
お許しください。

【30代前半 男性Aさんの事例】
1年後に起業することを目標に
まずは3か月、週1回の
コーチングセッションを受けているAさん。

「前回のセッションから1週間経ちました。
 この1週間はどのように過ごしていましたか?」

「はい、前回話を聞いてもらって
 俄然やる気が出たので
 あっという間の1週間でした。」
 
「それはよかったです。」
「ところで前回のセッションの最後に
 次のセッションまでに
 起業準備として
 何を、いつまでに準備するのか?
 まずは抽出して視覚化するとおしゃって
 いましたね。
 それについては
 どの程度やることができましたか?」

「やる気が出たので、やろうと思ったのですが、
 結局、何も手をつけられませんでした。」

「やる気が出て気分も良かったのに、
 やろうと思っていたことが
 やれなかったのは、
 どのような理由があったのでしょうか?」

「思いついたことを視覚化しようと思って
 パソコンには向かったんですよ!
 だけど、考えているうちに
 思考が散漫になってしまって・・・
 結局、一度気分を変えようと思い
 YouTubeを見始めたら止まらなくなって
 しまって・・・」

「そうなんですね。
 パソコンには向かって、
 起業準備について考えることまでは
 したのですね。
 だけどそれ以上は進まなかった。」

「はい、そうなんです。」

・・・・間、省略・・・・

「それでは次回までに
 どうしたら今の状況から
 更に一歩行動することができそうですか?」

「なんか、パソコンに向かっていると
 つい、YouTubeとか見たくなっちゃうので
 パソコンは開かずに
 ノートを開いて、まずは落書きでもするように
 思いついたキーワードだけでもいいから
 書いてみようと思います。」

「あっ、それは良さそうなアイディアですね。
 それは今のあなたにとって
 どのくらいやる価値がありそうですか?」

「アナログなやり方ではあるけど、
 このほうが集中力が続きそうです。」

・・・そして1週間後のセッション・・・

「前回、ノートを開いて落書きでもするように
 思いついたキーワードだけでも書いてみようと
 思うとおっしゃっていましたね。
 実際はどの程度の進捗になったかを
 まずは話してもらえますか?」

「はい、実はほとんど何も進んでいないんです。」

「それは、それは・・・
 今度は何が障害になったのですか?」

「やる気はあったんですよ! 
 だけどこの1週間、本業の業務が
 忙しくて。。。
 家に帰ってきたらヘロヘロで
 何もやる気がしなくなっちゃうんです。」

「本業が忙しかったんですねぇ。」

このようにAさんは
毎回セッションでモチベーションが
あがっては
「こうやってみます」
「あぁやってみます」
と自分がどう行動するのか
アイディアを出しては
行動宣言をするのですが
結局翌週のセッションで進捗を尋ねると
あれやこれやと理由をつけて
結局何も進まないまま1か月が過ぎました。

2か月目に突入した最初のセッションで
やはりまたAさんは「できなかった理由」を
並べていました。

そこで私は
「セッションをスタートして
 1か月が経過しました。
 1年後に起業したいので
 本業をやりながら起業準備を
 しっかりとやっていきたいという
 気持ちに、まだ変わりはありませんか?」
とたずねてみました。

「えっ、どうしてそんなことを
 聞くんですか?
 僕は起業したいという夢に変わりは
 ありません!」

と少し興奮したように答えるAさん。

そこで私は
「それではAさん。
 いつまであなたはこのようなゲームを
 続けるつもりですか?」

「えっ?」

「セッションのたびに
 次回までにこれをやります!
 あれをやります!と
 気持ちよく行動宣言をしてくれるのは
 私もうれしいですが、
 毎回次の週になると
 やれなかったことの言い訳を
 ツラツラとお話されてばかりで
 一向に何も状況が変わっていないことには
 気づいていますか?」

「私にはAさんが、
 やると言って、やらないという
 ゲームをやっているように
 感じてしまうんです。」

「そのゲーム、いつまで続けますか?」

Aさんは黙ってしまいました。

しばらくの沈黙の後・・・

「そうですね。
 この1か月の僕は
 やらない言い訳ばかり話して
 格好悪かったですよね!
 起業をしたいのは本当です。
 せっかくこうやって
 話を聞いてもらっていたのに
 やれなかった理由は
 ”1年後に起業をする”という目標を
 持っている自分が恰好いい!
 そしてそのためにコーチをつけている
 自分に酔っていただけかも
 しれません。
 本腰がまったく入っていなかったと
 思います。」

「そうですか。
 あなたの素直な気持ちを
 話してくださってありがとうございます。」

「僕は1年後の起業に向けて
 しっかり一歩を踏み出したいです。
 どうしたらまずは一歩を踏み出せるでしょうか?
 何かアドバイスをもらえませんか?」

「そうですね。
 たとえばですが、あなたの親戚や知人、
 友人で起業をされた経験がある方に
 心当たりはありますか?」

「友人の友人が3年くらい前に起業を
 したと聞いたことがあります。」

「ご自身が、しっかりと起業に向き合うために
 友人を通してその方に話を聞く機会を
 作ってみるというのはどうでしょうか?
 実際に起業された方の話を生で聞くというのは
 あなたにとって刺激になるのではありませんか?」

「確かに。起業して3年くらいなら、
 起業までの道のりなどもリアルな話が
 いろいろ聞けそうです。」

「いつ、その友人に連絡を取りますか?」

「LINEで定期的に話をしているので、
 とりあえず今、ここでLINEでお願いだけ
 しちゃいます。」

といって、すぐにスマホを取り出して
友人にLINEをしました。

すると数分で返事が来て
「今週末に一緒に合う時間をつくろう!」と
いうことでした。

このようにして
Aさんは週末に友人を通じて
起業した方と会うことができ
起業前の必要な準備や費用、
起業後の苦労やわくわくする話など
様々聞くことができたと
翌週のセッションで喜々と話して
くれました。

そして更に翌週のセッションでは
起業に向けて具体的な準備項目と
いつ、どこで、何をするのかについて
スケジュールをカレンダーに落としたものを
私に見せてくれました。

「いつまで続けますか?」

この言葉、
言うタイミングは確かに少し
難しいかもしれません。

ただ、
コーチが真剣に相手と向き合って
話を聞く姿勢を示し
双方に信頼関係ができていればこそ
刺さるフレーズになったと
言えるでしょう。

今回の記事はいかがでしたか?

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