見出し画像

「すずめの戸締まり」を観て鬱が少し軽くなった話(ネタバレ注意)

当アカウントで初めての投稿になります。アニメと料理が生きがいのべナオと申します。別アカウントではプログラミングの記事を書いていましたが、やっぱり趣味の文章を書くことが一番楽しいことに気付いたので新しいアカウントを作成しました。ぶっちゃけるとアニメ語れる友達が欲しいだけです。少しでもお付き合いいただけると嬉しいです。

最初に注意すると僕自身は医学の専門家ではありません。しかし過去にで苦しんでいた時期があってさまざまな本を読んでいたり、大切な友人がPTSDで苦しんでいたので医学書を読んで相談にのった経験があるので、当事者の立場でアニメが精神疾患を抱える方へ与えるポジティブな影響について感じたことを書いてみたいと思っています。しかし当然ですがアニメは前を向いて歩き出すための一つのきっかけに過ぎず、実際は病院で受診したり友人関係を増やしたりといった建設的な行動が最終的には必須なことは最初にお伝えしておきます。しかし僕は実際、心を許せる友人が一人もいなかったいくつかの時期に、アニメーションに何度も救われてきました。

今回は新海誠監督の新作「すずめの戸締まり」を題材に考えてみたいと思います。思いっきりネタバレに繋がるのでご注意ください。


東日本大震災のトラウマを乗り越えるすずめの姿

この記事で語りたいことは要するにこれだけです。今までのアニメではずっとできなかったことでした。

京都アニメーションの痛ましい事件が起きてから、あるいはそれ以前の悲劇的な事件や災害が起きてからというもの、私たち国民の心は忘却による癒しを求めていました。これ自体はPTSDの患者さんが回復へと向かうための最初のステップでもあるので何らおかしいことでは無いでしょう。

簡単に受け止めることができない悲痛なショックはまず忘れることで、心や感情と切り離さなければなりません。起こった事実を受け止めて原因を分析し始めるべきタイミングは、心が静けさを取り戻して正常な思考が働くようになってからです。

そうでないと起こったことの全ての原因が自分にあるかのように錯覚してしまったり(持論ですが、ある事象の因果関係はそれに関わった全ての人間や環境に及びます)、逆にそれに関わった自分以外の人間を強く批判することで人間関係を崩壊させてしまったりということになってしまいます。僕にも苦い記憶があります。

しかしPTSDの治療に用いられる認知行動療法と呼ばれる治療法では、患者さんのトラウマ的な記憶を少しづつ想起しながら整理することが重要だと言われています。これは僕なりの解釈ですが悲劇の記憶が完全に失われてしまうと、同じような状況に再び巻き込まれてしまう確率は結局下がらないのだから、そうなった要因を分析しなければならないということではないでしょうか?

作中では、すずめは宮城県生まれという設定が物語終盤で明かされます。母親が東日本大震災による津波で亡くなったという痛ましい事実と共にです。楽しむために観ているアニメにそんな全日本国民のトラウマを呼び起こすような、それも比喩ではなく直接的な表現を使わないで欲しいという方もいるかもしれません。

しかし日本列島という場所に住み続ける限りは、いずれまた同じことが起こる運命からは逃れられません。あの悲劇を忘れないで戦い続けてくれた人たちこそが、災害時に使い物にならなかった携帯電話回線の代替となるLINEというアプリケーションを開発したり、インターネットをより安定で高速なインフラとして発達させることができたのですから(技術の話は本職でもあるので長くなりすぎないようにこの辺りにしておきます)。

もちろん今の新海誠監督は、ただ悪戯に人のトラウマを呼び起こすだけ呼び起こして物語を終わらせるようなことはしません(過去の作品については必ずしも否定しません)。宮崎県から始まった、草太の奪われた体を取り戻す旅の最終地点を故郷の宮城県に設定し、草太が要石として眠る常世へ唯一繋がる扉がそこにあるという筋書きとすることで、悲劇の起こったまさにその場所に大切な人を救うための道がつながっているという美しい物語へと昇華させてくれました。

ここまで見事な風呂敷のたたみ方があるでしょうか。

この作品を観た人にはそれぞれに多様な解釈があるかと思いますが、僕の目にはこう映りました。「過去の辛いことをたまには思い返して、それと向き合った先に大切な体験が待っているのかもしれない

僕の人生では実際にそんなことがありました。勇気を出して友達を作るためにインターネットの世界でこうして発信するようになってから、後々重要となる出会いがいくつもありました。尊敬できるエンジニアの記事や何度も見返してしまうようなアニメ、映画作品もそこに含まれます。

それは健全な人間関係を築けなかったことによる衝突や喪失、それによる孤独こそがあらゆる悲劇の始まりだという事実を受け入れ、新しいつながりをインターネットに求めたからこそ得られたものばかりです。

正直まだ友人は多い方では無いので、このnoteを続けることで少しづつ増やしていけたらなと思っています。このアカウント専用のTwitterアカウントも、フォロワー0からのスタートにはなりますが開設しました。ぜひフォローしてもらえると嬉しいです。初期は相互フォロー歓迎です(サブカル系のツイートが多い方に限ります)。

べナオ@週刊アニメ語りたいnote (@benao_pokemon) / Twitter

すずめの戸締まりから学んだことはnote一本では語りきれないので、このnoteの評判次第で同じようなシリーズを続けたいと思います(端的にいうとスキをください)。最近の作品ですと「ぼっち・ざ・ろっく!」や「SPY×FAMIRY」も継続視聴しているので、状況次第でTVシリーズについての感想も書きたいと思います。

それでは今後ともよろしくお願いします!

2022のTVアニメトップ10をまとめましたのでよろしければそちらもどうぞ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?