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働く人を大切に扱わない国に未来はない



スイスから帰国しました。

日本に戻って来た感じること。
コンビニの乱立。

セブンイレブンの隣にローソン、
その向かいにファミマ。

これは日常の光景です。

ところが近年は、セブンから
100メートル離れた並びに
新規でセブンが開店したりします。

もう、意味が判りません。

何十件、この地域にコンビニが
出来ようが、地域全体での
コンビニ消費額が増える訳では
ありませんから、これはチキンレースです。

同じパイを奪い合っているだけ。
そしてどのコンビニも24時間営業。

人が足りないと言いながら、
外国人のアルバイトを配置し、
シフトが埋まらなければ
店長が連続勤務。

私の自宅近くのファミリーマートの
店長さんは、週に1~2回しか
起きている家族に会えないと
ぼやいていました。

日本はこれでいいのでしょうか。
誰を幸せにするために拡大戦略を
行きつくところまで行こうとしているのか。


★スイスやカナダの合理的価値観

スイスはスーパーや百貨店が
土日営業することを法律で禁止しています。

働く人を休ませるためです。
そうしないと経営者は店を開けたがります。
売上が欲しいから。

ジュネーブもチューリッヒのダウンタウンも
週末は閑散としています。

カナダも土日は百貨店は休みです。
ショッピングモールは11時から17時くらいまで
開いていた記憶がありますが、クリスマスは
24.25日と全面休業です。

以前、12月25日にバンクーバーで
簡易なホテルに泊まったら、
「今日はスタッフがいませんので
 シートとタオル交換はセルフサービスです。」
とフロントに紙が貼ってありました。

働く人が家族と過ごすためです。


では、スイスやカナダは消費が冷え込んで
不景気かと言うと、そんなことはありません。

人は必要なものがあれば平日に買うし、
不要なら土日にお店を開けたところで
買いません。

コンビニが24時間営業だからという理由で
深夜の3時に、消費を底上げしようと、
いらないものを買いに行きますか。

しまっていれば、開いている時間に行くだけです。

日本は労働時間が無意味に長く、
社会全体の総労働時間が長いので、
人件費を低く抑えるしかないのです。

日本の低賃金は異常です。
若い人が所帯を持てない、車が買えない。

スイスの最低賃金は時給2,000円です。

営業時間が短くても、同じ売上が確保できるなら
一日4時間だけ働いて貰えば良いのです。

自社のサービスの価格を決める時、
一か月又は年間に欲しい売上目標が
あると思います。

この金額を固定して、
24時間365日働くのか
1日6時間週4日で同じ売り上げを
確保するのか。

そこを決めないと、客単価を10%上げよう
と言った「既存の価値観の延長線」にある
話には、未来はありません。


極端すぎると思うのであれば、
たとえば週5日働いているなら、
週4日で同じ客数で、同じ売り上げを
得られる単価を設定してみてください。

週1日は、趣味の時間でも
自己啓発でもボランティアでも
充ててはどうでしょうか。

経営者が模範を示し、
社員にも奨励する。


★AIが千才一隅のチャンス

中学生と話す機会がありました。

「AIが人の仕事を奪うかも知れない」
と社会科の先生が話してくれたそうです。

今ある仕事の多くはなくなると。

たとえばコンビニはもう無人店舗の
実験が始まっています。

自動車も自動運転が技術的には
可能なところまで来ている。

すると、どうなるか。
「仕事を奪われる」のではなく
「ボロ雑巾のように働かなくて良くなる」のです。

AIにやれるものはやってもらい、
どうしても人間優位な仕事は人間がやる。

働きたくない人は、ベーシックインカムで暮らす。

恐らく、これは私の見立てですが、
化石燃料が再生可能エネルギーに
転換する瞬間を、私たちは見届ける
ことが出来そうです。

この流れは止まりません。
自動車がガソリンから電気に
変わるのに、恐らく10年は掛からないでしょう。

日本国内にいると、変化に鈍感に
なりますが、外国に目を向けると
変化は一気に進んでいます。


話を戻します。

自社の客単価を上げるためには
ぜひ、長期ビジョンを持って、
「できるだけ働かない」こととバーターで
考えるようにしてください。

あなたなら、できます。


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