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返済能力とインタレスト・カバレッジ・レシオについて

経済的な負担を抱える個人や企業にとって、借金の返済能力は重要な要素です。特に、貸し手にとっては返済能力の評価が不可欠です。返済能力を測るための一つの指標として、インタレスト・カバレッジ・レシオがあります。本記事では、返済能力とインタレスト・カバレッジ・レシオについて解説します。


返済能力とは

返済能力は個人や企業が借入金や負債を返済するために持っている能力や資源のことを指します。返済能力を評価するためには、個人や企業の収入やキャッシュフロー、資産などを考慮する必要があります。また、将来の収入見込みや経済状況の変動も考慮することが重要です。

インタレスト・カバレッジ・レシオとは

一方、インタレスト・カバレッジ・レシオは、返済能力を測るための数値です。このレシオは、借入金利息を支払う能力を示すもので、収入や利益が支払い利息の返済の何倍に相当するのか把握することができます。具体的には、インタレスト・カバレッジ・レシオは次のように計算されます。

インタレスト・カバレッジ・レシオ = (営業利益+受取利息+受取配当金) / 支払利息+割引料)

このレシオの値が高ければ高いほど、借り手の返済能力が高いと判断されます。一般的には、インタレスト・カバレッジ・レシオが2以上であれば、返済能力があると見なされます。しかし、業界や業種によって適切なレシオの基準は異なる場合があります。

インタレスト・カバレッジ・レシオは、貸し手や投資家にとって重要な情報となります。貸し手は、借り手の返済能力を判断するためにこのレシオを利用します。また、投資家は、企業の債券や融資案件を検討する際に、インタレスト・カバレッジ・レシオを参考にします。

インタレスト・カバレッジ・レシオが低い場合、借り手は利息の支払いに苦しむ可能性があります。低いインタレスト・カバレッジ・レシオは、借り手が利息の支払いに十分な資金を確保できないことを示しています。このような状況では、貸し手は返済リスクが高いと判断し、融資を行うことに慎重になる可能性があります。また、投資家も同様に、低いインタレスト・カバレッジ・レシオを持つ企業への投資はリスクが高いと見なすことがあります。

インタレスト・カバレッジ・レシオを改善するためには、いくつかのアプローチがあります。まず、借り手は収入を増やすために新たなビジネスチャンスを追求したり、コスト削減策を実施したりすることが考えられます。また、債務の再構築や返済計画の見直しを行うことも有効です。さらに、資金調達の多様化や利息率の交渉も検討することが重要です。

インタレスト・カバレッジ・レシオは、借り手の財務健全性や返済能力を示す重要な指標です。貸し手や投資家にとっては、このレシオを評価することでリスクを把握し、適切な判断を下すことが求められます。借り手としては、返済能力を高めるために経済状況や財務状況を適切に管理し、積極的な改善策を講じることが重要です。

返済能力とインタレスト・カバレッジ・レシオは、個人や企業の財務安定性と持続可能性を評価するための重要な指標です。適切な返済能力の確保とインタレスト・カバレッジ・レシオの維持は、借り手と貸し手の双方にとって利益と安全性をもたらすことが期待されます。

終わりに

上場企業や銀行から融資を容易に受けられる中小企業は比較的、この数値が高く財務的に安全なことが多いです。
逆にノンバンクからしか借入できない企業は1倍割れしていることも少なくありません。

財務的に苦しい企業の多くは粗利率が低い企業がほとんどです。例えば、建設業者の中で受注を受けるために安い請負契約場合があるかと思います。そうなるとインタレスト・カバレッジ・レシオが低くなり、返済が苦しみます。安請け合いは原則避けるべきでしょう。

会社にとって大事なことは営業と財務です。この両輪がしっかりしてこそ、安定した企業経営ができるようになると私は思います。