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《マスク後退は失策》 医師450人が公開書簡

一昨日(6月24日水曜日)の国家安全保障会議(NVR)は、マスク着用義務を大幅に緩めた印象が強かった

その後2日ほど、日中の気温が30℃超えの日が続いたせいもあろうが、見回すと街中を歩く人らのマスク着用率が劇的に下がっているので愕然としていたのだった。

こちとら日本人なのもあり、そりゃ確かに暑いけど人混みこそはマスク着用でしょうよ?NVRの発するメッセージってのは強力なんだなあ困ったねえ、と思っていたところであった。

主に家庭医450人以上の皆さんが、困ったねえどころではないんだ!というのを公開書簡の形で訴えている

ベルギーは、住む地区に拠らず自分で選べる、という意味では縛りの緩いかかりつけ医制度となっている。個人が紹介状なしでいきなり総合病院や大学病院に行くと、割高の診療費になる、という仕組みは、日本と似ている(というか日本がその方式を導入した)と思う。

今般、公開書簡を出したのは、Facebook内のクローズドなグループ《医師にとってのCOVID19》で、小規模診療所、専門医、歯科口腔医、理学療法士などがメンバー。出口政策が進むに従い、待合室でさえマスクを着用しない、手洗い励行を厭がる、といった「意識低い系患者」の例が増えて来たことに危機感を募らせて来たことが背景にある。

かなり長い書簡であるので、以下に抄訳を記す(文中強調は筆者による):

「NVRの出口政策フェーズ4の発表と、毎日伝えられる感染関連数値の減少傾向との2つは、コロナ禍第1波はほぼ収束、第2波まではまだ間がある、という誤ったメッセージを与えてしまった
現在の関連数値減少傾向は、あくまでもロックダウンが機能し、厳密なマスク着用と手洗い励行の結果、ようやくもたらされたものに過ぎない。
公共の場でのマスク着用を必須ではない、としたNVRの決定は、時期尚早という意味で誤っている。
また、会合の参加者人数の制限についても、なぜその数値なのか、どうして7月1日と8月1日で規模の違いが出るのか、などについて、その根拠となる説明が一切ない。段階的に緩和している、ということだけしか伝わらず、夏になっていくにつれて事態は徐々に自然に回復していく、という印象のみが独り歩きしている。

無症状感染者が相当数存在する、ということをメッセージとして発していない
おそらく検査数が追いつかないことへの批判を避ける意図があったとも拝察出来る。

NVRの疫学者、医療関係者はマスク着用の維持を事前に訴えていたにも関わらず、発表ではわざわざ「必須ではない」と明記した。健康福祉よりも企業活動などが優先された妥協の産物の可能性もある。政府は、予防的疫学措置を最大限に活用するチャンスを逸した

コロナ禍は収束していない。インフルエンザより確実に感染力が高く、重症化した場合の致死率あるいは後遺症の深刻さについて、もっと周知される必要がある。」

抄訳以上。

後遺症の深刻さについては、少しずつ報道も始まっているので、稿を改めて書こうと思う。



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