【観戦雑記】湘南が出来ることは?① 川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ
スタメンと開始時の立ち位置。
試合のレビューというよりは、湘南が次節どう戦うかについて見ていくスタンス。川崎・鹿島ファンの方々はその点をご留意を。
■試合経過
川崎は従来通り逆三角形の4-3-3、一方鹿島は湘南戦から変更して4-4-2のダイヤモンド(あるいは4-3-1-2)で臨む。鹿島の狙いは明確で、2トップ+トップ下の3枚で2CB+アンカーを捕まえに行く。その分両サイドバックが空いてしまうが、「そこは許容した」と岩政監督のコメント。開始直後の2失点とも起点は川崎の両サイドバックからで、許容したリスクは結果的にカバーし切れない大きなダメージになってしまった。湘南も相手サイドバックへのケアには頭を悩ませているところで、鹿島と同じ轍を踏まない工夫が必要になる。
前半終盤〜後半15分程度まで、鹿島は2トップをサイドバックに当てて浮き球を送り、フィジカルでのミスマッチを作り出して前進に成功する。川崎は2トップ+アンカーを監視されると割と簡単に前に蹴り出し(GKが丹野であったのも影響があるのかもしれない)、全体を押し上げる時間を作り出したかったが、関川と三竿が跳ね返して鹿島が押し込み続ける。後半6分には左からのクロスに仲間があわせて鹿島が1点を返す。ファーで鈴木が呼び込みつつ、ニアをケアするジェジエウの前に入りこんだ形は参考になるかもしれない。
川崎は後半14分に狙われていた小林と登里を下げ、知念と車屋を投入してフィジカル面での強化を図る。時間的に交代に踏み切りやすかったので川崎も交代カードを切りやすく鹿島の時間は長く続かなかったが、スタートからこの戦い方を選択していたら結果はわからなかったのではと思う。交代選手、とくに知念の働きで陣地回復の時間を得た川崎はボール保持の時間を増やしてペースを取り戻しにかかる。試合はそのまま攻勢を強める鹿島、時間を使いつつ耐える川崎の構図を保ったまま終了。
■湘南が出来ることは?(ボール保持の場合)
まず第一に、今年1回目の対戦となったアウェイ戦のことは忘れたほうが良い。あの試合の川崎はプレー強度が足りていなかったし、何よりジェジエウが不在だった。ましてや2連覇中の王者が残留争い中にチームに2回も負けるわけにはいかないと相当なモチベーションで臨んでくるのは想像に難くない。
川崎がボールを保持し、湘南が耐え忍ぶ時間が長く続くと予想される。湘南が勝ち点を取るために狙うべきは、少しでもボールを保持する時間と相手陣でプレーする機会を増やすことだ。それには鹿島が示した前進方法に注目してみたい。練度と強度が高い川崎のプレスに引っかかる前にボールを送り込み、町野と相手サイドバックでミスマッチを起こせれば陣地回復の時間を得られる可能性がある。少なくともジェジエウと谷口が構えるピッチ中央で待つよりは見込みのあるチャレンジだし、そこにインサイドハーフ1枚と瀬川が絡めればチャンスにもつながる。仮に奪われたとしても即座にピンチになりにくい位置であるため、リスクが低く一定のリターンが見込める戦法である。
しかしながらごく一部の時間ではあるものの、一度やられた戦法に二度もやられるチャンピオンチームではないはず。湘南としては0-0の状態で時計を進めるための1つの方法として捉える程度がよいだろう。特に失点を避けたい試合開始直後から飲水タイムまでの時間限定であれば有効なはずなので、勇気をもって繋ぐ時間と強い気持ちで走る時間で割り切って戦ってほしい。
鹿島とは違い高さで勝負できるのが町野1枚しかいないため、どちらのサイドで勝負するか?という問題が浮かび上がるが、それはどちらのサイドでボールを奪うか?と表裏一体である。試合の大部分を占めるであろう非保持時と奪取の狙いについては、8/31に行われる川崎vs鳥栖のゲームを見てから考えようと思う。
試合結果
J1リーグ第27節
川崎フロンターレ 2-1 鹿島アントラーズ
得点者
8’家長(PK)
14’脇坂
51’仲間
主審
佐藤隆治