未成年へのオンラインゲーム規制でまたも中国が激震。ネット民の意見を紹介

最近の中国は、未成年の成長に関わる一連の動きが様々な産業に影響をあたえています。つい先日に起きた学外塾への取り締まりから、今度は未成年のオンラインゲームのプレイ時間への制限がますます厳しくなる政府規定が新たに発表されました。

その影響で、ネットイースをはじめとする中国の上場オンラインゲーム大手がまた株価が暴落しています。中国の未成年にオンラインゲームが悪影響があるのではないかということは今までも散々議論されてきていて、何度もさまざまな規制が行われていました。これまでの事情については以前にnoteで紹介したのでこちらを。

そして今回はオンラインゲームのリリースライセンスを発行・管理する中国国家新聞出版署が公布した「未成年のオンラインゲーム溺れ防止への更なる厳格管理についてのお知らせ」。未成年の精神と身体の健康を守る為に、オンラインゲームをプレイできる時間帯をさらに厳しく制限しなければならないと決められましたのですが、これが半端ない厳しさ。。

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具体的には「金、土、日と法的休日の20時から21時の1時間以外では如何なる形でも未成年へのオンラインゲームサービスの提供が禁止」というもの。また、実名登録制を徹底的に行い、実名未登録のユーザーへのサービス提供も禁止されます。新規制のルールを違反するプラットフォームは厳しく処罰するとのことです。

記者会見では、新規定のリリースには下記のような配慮があることが紹介されました。

・ここ数年、中国のオンラインゲーム産業の急成長に伴い様々な問題やトラブルも生じました。特に未成年のオンラインゲーム溺れは、すでに社会問題であり、親からの苦情も強烈で政府管理部門への要請も多々あります。
・青少年は国の未来であり、彼らの精神的な健康も非常に大事です。以前から行われたオンラインゲームに関する未成年保護の一連の動きの延長として、(9月1日の)新学期に合わせてより効果が期待できる新管理策を発表しました。
・それぞれの時代の青少年にはそれぞれの時代に流行るゲームがあります。オンラインゲームには双方向性、没入感、リアリティー、操作の便利性などの特性があり、今までにない魅力があって没頭しやすいです。特に未成年の場合は自己管理能力が比較的に弱く過剰使用しがちです。
・オンラインゲーム溺れ防止は社会的な問題で、政府規制や企業の努力だけではなく、家庭や先生たちにより効果的な教育と指導も欠かせない。

というもの。以前オンラインゲームへの規制について、ボクの周りでも議論がありました。それは「オンラインゲームに関するしつけは本来は社会や学校の先生ではなく親がやるべきことであり、政府まで手を出すことではないでしょう」というもの。しかし(仕事が忙しい人もいるかもしれませんが)あまりにも無責任な親が多くて、まともに子供と接せず、スマホを渡せばそばにいなくても大丈夫だと思ってる親がたくさんいるという事実です。

それで成績が急落したり、不登校になったり、膨大な課金をしてしまった後に未成年という理由で運営会社に返金を請求したり、などは頻繁にニュースになります。

そして、このような動きについての中国のネットユーザーの意見もいくつかピックアップして共有します。

未成年からの声
・政府機関は未成年の精神状態だけでなく、成人の精神状態も考えてあげてください。毎日家に帰って夜遅くまでtiktokを見て時間を溶かして休めず出勤することは社会貢献に支障が出ていません?
・やばい、超頭が良くて飛び級して大学に入っても未成年だよ。センター試験が終わったらやっと思う存分ゲームできるようになると思ったけど、大学3年生までは毎週3時間とは夢がないです。
・別にゲームしなくてもtiktokやネット小説やドラマとかも、娯楽といえばいくらでもありますよ。そろそろ未成年のネットも禁止にしたらどうですか?
成人から
・学外塾が禁止されて課外の時間が以前より多くなってオンラインゲーム漬けにならないようと心配しましたが、今回の新規制でホッとしました。でも、まともな運動が可能な場所も少ないし、男の子が大人しく座って読書というのも難しいです。一体どうやって育てればいいかわからなくなりました。
・これでMOBAのような対抗性ゲームでは(じいちゃんばあちゃんにお願いをして実名登録してもらって)50歳以上のプレイヤーが激増することでしょう。そしてSteamにも小学生ユーザーが増えるでしょう。下手にすればSteamも危うい。アプリストアでの有料オフラインゲームが爆発的な成長を迎えるかも。
・子供がゲームしたいと要求してきても「ママがしちゃダメって言ってるんじゃないよ、国がしちゃダメだからダメです」と親が気楽に説教できるようになりました。
・今人気のオンラインゲームはほとんどが重複性の高い対抗性のゲームです。新しい知識も必要なく、ただの時間潰しです。これでもう少し学習性のあるゲームが開発出来たら社会全体のオンラインゲームへの認識がちょっと変わるかも。
・今回のゲーム規制によってtiktokやKwaiが新たな成長点を迎えるじゃないですか。成人の実名登録アカウントの裏売買も儲かりそうだ。

などなど。やっぱり中国ネット民の発想とアイディアにはいつも刺激を受けます笑

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↑「今の子供たち本当恐ろしい、弟は4歳なんだけすでにオンラインゲームをして、親のお金を使って、教えたことこともない汚い言葉たくさん知ってる...」。規制によって一部の子供たちのリテラシーが爆上がりしそうです。

こんな規制がいきなり登場してゲーム関係者には悲鳴を上げてる人たちがたくさんいます。日本の記事では全体におけるパイとしては大きくないから影響は限定的などと書いてるものもありましたが、決してそんなことはないです。これについては他投稿で中国のネット統計についてとして書こうと思いますので、ぜひフォローしてお待ちください。

それにしても、週末でも1日1時間しかゲームさせてもらえないって子供たちは流石に気の毒だなとも思いました。日本の皆さんはこれについて賛成ですか?

(参考資料)

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1709516994445071558&wfr=spider&for=pc


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