データで見る2020年中国ECサイトのライブ配信市場。人気発信者のランキングも紹介

外出自粛が生活習慣を変えて、ECサイトで買いものする機会が増えてると思いますが、もっと身近なSNSでの買い物は日本でも流行ってきてますかね？

Facebook、SNSで通販　中小企業の出店容易に

かなり便利です。ただ、Amazonですらインチキ商品や偽レビューに溢れていて騙されることがあるのに、よくわからん人から買うなんてさらに不安ですよね。

それはもちろん中国でも一緒で、ちゃんとした商品なのか念入りに調べるのが大変です。

そんなとき、中国で頼りになるのがECサイトでのライブ配信動画です。このライブ動画配信がどれほど発達しているのかについてデータと議論が行われていたので紹介しましょう。

■中国でのライブ動画発達の歴史

インスタライブやYoutubeライブは日本でも認知され始めてると思います。中国ではずっと前から日常になりました。

ざっくり過去の歴史を振り返ると、中国でライブ配信が爆発的に盛り上がってきたのは2016年。全国で300以上のプラットフォームが相次いで台頭し、ライブ放送利用者が急増したのです。 

2016年ころに「快手」「斗鱼」（TikTokこと「抖音」は後発）などが流行りはじめ、ECサービスの大手プラットフォーム「淘宝」「JD」などでライブ配信からECの購入につなげる動画配信サービスが始まりました。

↑こんな感じでLiveで商品のレビューをしてくれて、欲しかったらそのまま動画画面からボタンを押して購入する

（日本の感覚で例えると、Webやアプリでテレビ通販のような放送が同時に数十万、数百万チャンネルやってると言うと理解出来きますかね）

そして4年以上たった現在、競争を生き残ってきたECプラットフォーム、ライブビデオプラットフォームは巨大産業となり、それに伴ってMCN組織が成長。影響力を持った「网红」（KOL的な存在）が次々と現れました。

今ではライブ電子商取引業界のチェーンが形成されています。

■ECサイトのライブ配信市場

iiMedia Researchのデータによると、2019年の電子商取引生放送の市場規模は4,338億元。2020年も業界規模はますます拡大を続けると予測されています↓

外出自粛もこの成長に貢献しているのは間違いないと思いますが、中国ではもともとWEBでの買いものが日本によりはるかに普及して、規模が大きい。アリババが毎年行う11月11日のセールでは約4兆円を売り上げるのです。

この売上を伸ばすための原動力がライブ配信。データではTmall（タオバオがCtoCのECサイト、TmallはBtoC向けのECサイト）加盟店の50％以上がライブストリーミングで成長しているとのこと。

当然、動画配信者たちもここに集まります↓

eコマースのプラットフォームで募集しているライブ求人数は、ライブ動画市場全体の3分の1を占め、メディア/出版/映画/文化コミュニケーションよりも多いのです。

■ECライブ配信のスターKOLたちの影響力

ECサイトのライブ配信を行っているスターたちの影響力ランキングなるものがまとめられていたので紹介しましょう↓

フォロワー数やどのくらい見られているかなどでランク付けしたもの。1位と2位は「李佳琦」（リー・ジャーチー）、「薇娅」（ウェイヤー）。このnoteでも紹介してきましたね。

今や中国で知らない人はいないほどの影響力があります。

そのほかも、テレビの有名司会者などがランクインしてます。上位の配信者たちは当然収入も凄いでしょう。もはやいくら収入があるのか不明です、超稼いでると思います。

僕の感覚だと、日本では去年くらいから動画がすごく注目されてますね。でもYouTuberなんかの話ばかりで、商品レビューや物の紹介を専門にやる動画プラットフォームや動画発信者はあまりいないのでは？

これをECプラットフォームがやれば利用者はみんな便利になるし、大きなビジネスになるのではないかと思います。

中国にいる身での意見ですが、Amazonでレビューだけで買うのは限界ですよ。あんなの機械が書いてるかもしれないしインチキも多いでしょう。それより信頼できる人が紹介したものを買いたいって要望があるのはジャパネットがバカ売れしてたことからもよくわかります。

きっと日本でも（ライブ）動画で商品レビューしてくれるってのは当たり前の時代になると思います。そしてYouTubeなんかとは別の国内サービスが出てきて欲しいです。

（参考資料）

https://zhidao.baidu.com/question/1429902466965861939.html

https://www.qianzhan.com/analyst/detail/220/200520-e486bcbc.html