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Tesla騒動から考える中国ECサービス拼多多のビジネス

最近「拼多多」(pin duo duo)で買い物することが増えました。前までは「偽物サイト」とバカにしてたのですが、めちゃくちゃ安くクオリティもかなり良くなってきたからです!

隣の席の研究員が買ったiPhoneケース。送料込みで100円って、もはやどうやって儲けてるのかわかりません笑↓

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「拼多多」については以前僕のnoteでも取り上げました、今読み返してみても面白いです。

彼らは中国のECサイトの市場構成を大きく変えるかもしれない存在です。そして話題にも事欠きません。先週、アメリカのTeslaとの間に揉め事があり、中国のネットで大きな話題となりました。

■簡単な事情説明はこのとおりです

7月26日、「拼多多」と車の販売サービス業者の「宜买车」が「拼多多」のプラットフォームでTeslaモデル3の集団購買をはじめました。(集団購買について詳しくは上記のnoteを参照ください)

限定5台、そして「拼多多」による割引により市場販売価格より4万元(約61万円)も安くなるというもの。

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多くの中国の消費者にとって「拼多多」は、普段は食べ物や日用品をメインで買う、たまにiPhoneやSwitchなんかを買うサービスとの認識でしたので、「あの拼多多でテスラも買えるようになったの?」と話題になりました。

ちなみにTeslaは中国では直営販売なので、公式サイト以外のルートでは買うことができません。転売することも禁止されてます。

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この「拼多多」のキャンペーンに対して、Tesla側がすぐにWeiboで「合同キャンペーンはやっていない」との説明を出しましたが、「拼多多」側はキャンペーンを計画通りに実行しました。

すると8月15日、Tesla側が「拼多多による集団購入は転売になるからすでに成約された契約は無効になる」と主張しました。そのロジックはちょっと複雑で、

集団購入の場合には購入者ユーザーは拼多多になり、これはTeslaの公式サイトで注文されている。25万元はすでに拼多多に払い戻している、Teslaと購入者の間での直接購入は成り立たない

というもの。

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Teslaが拼多多ユーザーへの車引き渡しを拒否したタイミングで一気に話題に、話題ランキング4位まで急上昇しました。

その後、下記のような解決案が出されました

集団購買の資格のある人が、直接Teslaのオフィシャルサイトにて27万元(29万の販売価格から2万程度の政府手当を引く)を払って、拼多多がその分の2万元を負担してユーザーに還元、購入者は25万元でテスラの購入を実現。

でもこれは拼多多が抜け道を見つけた解決策で、利用されたTeslaは不満を持っています。今後もこういった問題が起こることが予想されますね。

日本のみなさんはこの件についてどんな感想を持ちますか?

僕らやはり拼多多はしたたかだと感想を持ちました。彼らは2万x5=10万元の費用で、1000万程度の広告効果(数回の話題とランキング上位の検索結果)を実現したと考えることができます。以前にも触れたように、この企業のマーケティングチームは超優秀なのでこの件が狙って行われていてもおかしくありません。

そして今後Teslaを買おうと思った人の中には、Teslaのオフィシャルサイトではなく拼多多での次回のキャンペーンを待つ人が増えるでしょう。まぁTeslaは中国でも人気なので決して車の販売に困るわけではないでしょうけど。

拼多多はますますユーザーを伸ばしてるようです。また改めて調べてみて、面白ければ紹介したいと思います。ぜひフォローしてお待ち下さい!

(参考資料)


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