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♯20 耳管開放症という障害。

炎症箇所

話を戻さないと。
そう、紹介状片手にやってきたのは私の生まれた病院。

実は何回かここの耳鼻科もお世話になっていた、それは朧げながら覚えている。
ただなんで通っていたのか、どうしてあの女医がいる耳鼻科に毎回戻っていたのかなどの詳細は覚えていないし、母に今更聞く事もないから詳しい話は出来そうにない。

そして紹介状を持って診てもらったこの時の出来事も、申し訳ないがほとんど覚えていない。
私が覚えている範囲でのお話になってしまう事をご了承願いたい。

覚えている事は、本当にあの耳鼻科に通っていたの?
本当にあの先生がこんな治療をしていたの?と驚かれた事。

炎症箇所が酷く残っていたらしい。
加えて何年にも及ぶ治療で鼓膜もたるみきっていた。

そしてこの総合病院では、あの女医はとてもとても素晴らしい、非常に良い先生で通っていると数名の先生が検査結果を見て言っていた。

『あの先生はそんな人じゃないと思うけど、でもここまで炎症が残っているのは。
けど言っている症状が出ている理由が分からない』


大丈夫、大丈夫。
何だよ私はこんな事慣れっこじゃないか。

ここまで私は書ききれないほど色々な科にお世話になっていた。

毎回言われる分かりませんの言葉。
原因がない発熱、白血球の異常、全身の湿疹。

毎回言われる言葉、原因が分かりません。
朝目が開けられなくて、自力で眼球を動かすことも出来ず運ばれたこともあった。
結局それも大きな病院でさえ返ってくるのは分かりませんだけ、二週間激痛の中目を包帯で覆って過ごした。
気づいたら見える、痛くない。

強いていうならこの時から私はメガネ生活になったくらいだ。
元々目がすごく良く困ったことは何もなかったのに、今では左目は測定不能、これもおかしな話で私は見えているつもりだけれど、どうもどんな検査をしてもピントが合わないらしい。

だから結局度数を変えても見え方に違いが出ない、それで結論測定不能。
右目は0.02、おまけに強乱視で酷いものだ。

あぁ、大丈夫、そうだそうだ、大丈夫。
だからこそ母も私もそうだよねしか思わなかった。
先生信じて、なんて言うつもりも無いし、どれだけ訴えたところでプロが言うんだからそうなんだ。

けれど先生たちはちゃんと考えてくれた。

やっぱり滲出性中耳炎が一番酷いからまず一回チューブを入れて様子を見ましょう。
部分は多分すごく痛いと思うので全身麻酔でどうですか。

勿論そのつもりです、痛いのなんて私はどうも思わない。
痛いのは辛くない、一番辛いのは聞こえる事だから。

私は聞こえる事がこの人生で一番辛いことです。



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