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ボードゲームのデータ解析その2:BGGの複雑さに関するバイアス(An analysis of board games: Part II - Complexity bias in BGG)

※前回の記事は以下のリンク先を参照されたい。

本記事は、Dinesh Vatvani氏が2018年12月8日に投稿した「An analysis of board games: Part II - Complexity bias in BGG」の翻訳である。引き続き、BGGのデータ分析の話である。今回の記事は、BGGの上位100ゲームにメスを入れた話となっている。

BGGの上位100ゲームのリストは、私たちボードゲーマーにとって有益な指標となっているし、出版社・ボードゲームデザイナーにとってもステイタスになっている。ただ、上位100ゲームを見ると、複雑なゲーム、いわゆる重ゲーが圧倒的に多い。裏を返せば、少なくとも、BGG上の評価を得るためには、重ゲーを製作する必要があるように思えてしまう。

このように、BGGには複雑なゲームを好む傾向があるのか(複雑さバイアス)ということをデータから分析してみようというのが本記事の内容である。その上で、そのようなバイアスがあるのであれば、補正を加えてバイアスを"取り除いた"ゲームランキングを作ろうということを試みている。この補正後のランキングは非常に興味深く、これだけでも参照する意義があると思われる。なお、元記事は約3年前に投稿されたもので、データがやや古くなっていることには留意されたい。

元記事の一部の表については、noteにそのまま転記することができなかった。特に、補正されたBGGの上位100ゲームのリストについては、手作業で転記することとなった。「俺が苦労したんだからみんな読め」とは当然言えないが、ざっと眺めていただいて、思ったこと、感じたことをツイートなどで発信していただけると、訳者としてはとても嬉しいと思っている。

元記事は以下のリンクを参照されたい。また、ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリー機能を使用させていただいた。

はじめに

その1(※和訳は本記事の冒頭のリンク先を参照)では、どのようにBoardGameGeekからデータセットを作り出したかを説明した上で、販売、評価、複雑さの指標について、一般的な傾向を探った。そして、この趣味全体の様々なメカニクスやテーマの流行と過去30年間でどのように移り変わってきたかも見てきた。この投稿では、BGGの評価における複雑さのバイアスについて調査しようと思う。

評価における複雑さバイアス

BoardGameGeekの上位100ゲームの一覧は、この趣味において、とてもよく知られた"標識"(a very visible “beacon” )となっており、多くのボードゲーマーが、どのゲームを遊んでみるかとかどのゲームを購入するかとかの意思決定をするために、この一覧を利用している。この一覧は、コミュニティがボードゲーム体験の頂点と認識しているゲームが何かを形作るという役割を担っていることから、IMDb(※映画の総合評価サイト)の上位250映画に匹敵する。しかし、BGGの上位100ゲームの問題の1つは、大型で複雑なゲームが不自然なほど支配的であるという点にある。このことにより、この一覧にあるゲームの多くは、近付き難く、遊ぶのをためらわせるような見た目をしているので、良い新作ゲームを探しているボードゲーマーの大多数にとってかなり使いにくいものとなっている。ゲームの複雑さとBGG上での評価の高さとの間の関係性は、単に上位100ゲームに限られた話ではない。実際、ゲームがどれくらい複雑かであることと、BoardGameGeek上でどれほど高い評価を得ているかということとの間には、以下のとおり、かなり明確な相関関係がある。

注釈:上記のグラフは、ゲームの重さに関して100票を超えた投票のあるゲームのみが含まれている。

BGGのデータセットにこのような相関関係があるということにより、上位100ゲームが大型で複雑なゲームに偏在している理由が理解しやすいものとなる。

上記のグラフに基づいて、有益なコメントを数点したいと思う。

  1. このグラフは、より複雑なボードゲームが、本質的により優れたゲームであるということを必ずしも意味するものではない。上記のグラフは、認識されている複雑さと全体の評価との間に明確な(そして、統計的に有意な)関係性を示しているけれども、この結論を導いているデータセットには、例えば、複雑なゲームがBGGの母体となるユーザに対して不自然なほど魅力的に映るといった、強いサンプリングバイアスがあることをよく理解する必要がある。

  2. 上記のグラフの面白い特徴は、左下の区画の複雑性が低くて評価が低いゲームが位置付けられているグラフの尻尾部分(tail)に見られる。この"悪意の尻尾"は、比較的昔の大衆向けのゲームで構成されている。この悪意の尻尾部分にある全てのゲームは、1980年以前に販売されたもので、それよりも相当古いものも多い。悪意の尻尾を構成しているゲームを、以下の表に示した。

(※元記事のような表形式での表示が難しいので、訳者の方で転記した。左から、ボードゲーム名、評価、重さ、発売年という順に記載している。見やすい表は元記事を参照されたい。)
○×ゲーム」:2.6:1.11:-1300
モノポリー」:4.4:1.68:1933
Trouble」:3.7:1.05:1965
ペイデイ」:4.7:1.23:1975
チェッカー」:4.9:1.79:1150
パチーシ」:4.5:1.21:400
Sorry!」:4.5:1.17:1929
バトルシップ」:4.5:1.23:1931
Mouse Trap」:4.1:1.12:1963
Connect Four」:4.8:1.20:1974
人生ゲーム」:4.1:1.19:1960
オペレーション 」:4.0:1.08:1965
ゲス・フー 〜だれでしょう?〜」:4.8:1.12 :1979
Candy Land」:3.2:1.05:1949
蛇と梯子」:2.8:1.00 :-200
ツイスター」:4.6:1.09:1966
Pick Up Sticks」:4.2:1.05:1850
ビンゴ」:2.7:1.02:1530
Memory」:4.7:1.16:1959

複雑さバイアスを補正する

上記のグラフの回帰式(※グラフの実線部分)をみると、BGGのデータセット内で、どれくらいゲームの評価が複雑さに関連しているのかを明らかにしていることから、複雑なゲームの評価を下げて単純なゲームの評価を上げるといった調整を加えることで、人為的に相関関係を補正することができる。もっと数学的な方法を好む読者のために、評価と複雑さの間の回帰式の残差(the residuals of the regression)を参照している。

(※以下の)単純なアニメーションが、この手順が何をしているのかを直感的な説明のために役に立つだろう。

こういった人為的な補正を加えることで、全てのゲームについて"複雑さにとらわれない"(complexity-agnostic)評価を得ることができる。以下のものは、評価の補正を加えた後の、評価と複雑さの相互の関係を示した図表となっている。任意の点にカーソルを合わせると、ゲームの名称とゲームの新しい(※補正後の)BGGのランクと評価を見ることができる。

(※実際の図表は転記することができないので、元記事を参照されたい。)

この補正した評価を使い、全てのゲームを再度評価付けして、複雑さにとらわれない上位100ゲームの一覧を手に入れることができる。BGGは、ゲームの評価付けに、そのままの平均値をとるのではなく、ベイズ平均と呼ばれるものを使っていることに留意しておこう。これは、各ゲームに対して、ある程度の数の平均的な評価を効果的に与えている。これは、二、三個の満点評価しかないゲームが上位ゲーム一覧を独占しないように、ほんのわずかな評価数しかないゲームを平均にまで押し上げるようにデザインされたものだ。私は、同じような手法、つまり、BGGと同じようにベイズの事前分布を使う(事前分布において、5.5の評価を1000個ダミーで加える, ★末尾に追記あり。)。結果として、平均評価が高いゲームであっても、それよりほんのわずかに平均評価が低いゲームについての評価数が遥かに多いときには、低い順位となる場合があるかもしれない。こういった補正した評価を用いたBGGの順位一覧では、複雑なゲームが、上位に不自然な形で固まっているのではなく(skewed)、順位付けされたゲームの一覧全体に均等に分布している。したがって、素晴らしいが複雑ではないゲームの一部が、上位100ゲームにはっきりと現れるようになる。 

30票を超えた票数のある全てのゲームについて、複雑さバイアスに対する補正を適用した。以下は、一覧全てを見て回ることができるようにした、相互関係がわかる表(an interactive table)になる。特定のゲームに係る複雑さバイアスに対する補正の影響を見るために検索機能も搭載した。

(※補正後のゲーム順位の一覧は元記事を参照されたい。なお、以下のとおり、補正後の上位100ゲームまで抽出した。左から補正後の順位(太字)、補正前の順位、ゲームの名称、販売年、重さ、補正前の評価、補正後の評価となっている。実際の表は元記事を参照されたい。)

1:2:「パンデミック:レガシー シーズン1」:2015:2.80:8.50:7.94
2:38:「コードネーム」:2015:1.35:7.73 :7.86
3:9:「世界の七不思議:デュエル」:2015:2.24:8.01:7.73
4:1:「グルームヘイヴン」:2017:3.77:8.50:7.69
5:69:「クロキノール」:1876:1.28:7.55 :7.66
6:50:「パッチワーク」:2014:1.71:7.66:7.61
7:45:「チケット・トゥ・ライド:10周年記念版」:2014:1.95:7.69:7.60
8:21:「Mechs vs. Minions」:2016:2.45 :7.87:7.55
9:67:「Santorini」:2016:1.76:7.57:7.53
10:19:「マンション・オブ・マッドネス 第2版」:2016:2.64:7.89:7.50
11:42:「The 7th Continent」:2017:2.86:7.72:7.48
12:154:「ディクシット:オデッセイ」:2011:1.24:7.30:7.48
13:145:「スシゴーパーティー!」:2016:1.29:7.32:7.48
14:77:「レジスタンス:アヴァロン」:2012:1.78:7.52:7.46
15:99:「ジャイプル」:2009:1.53:7.42:7.46
16:6:「テラフォーミング・マーズ」:2016:3.25:8.17:7.44
17:175:「ディクシット」:2008:1.25:7.24:7.42
18:192:「ラブレター」:2012:1.20:7.21:7.41
19:56:「クランク!」:2016:2.22:7.64:7.41
20:212:「テレストレーション」:2009:1.10:7.19:7.40
21:195:「キングドミノ」:2016:1.19:7.21:7.40
22:41:「世界の七不思議」:2010:2.34:7.73:7.39
23:177:「コードネーム:ピクチャーズ」:2016:1.31:7.24:7.37
24:17:「ブラッドレイジ」:2015:2.89:7.91:7.35
25:81:「Star Realms」:2014:1.97:7.50:7.34
26:5:「Star Wars: Rebellion」:2016:3.60:8.17:7.34
27:85:「チケット・トゥ・ライド ヨーロッパ」:2005:1.96:7.47:7.33
28:8:「サイズ -大鎌戦役-」:2016:3.35:8.09:7.33
29:10:「The Castles of Burgundy」:2011:3.03:8.00:7.32
30:107:「宝石の煌き」:2014:1.83:7.41:7.32
31:18:「アーカムホラー ザ・カードゲーム」:2016:3.17:7.90:7.31
32:4:「トワイライト・ストラグル」:2005:3.54:8.21:7.31
33:57:「Star Wars: X-Wing Miniatures Game」:2012:2.47:7.63:7.29
34:160:「レジスタンス」:2009:1.63:7.28:7.28
35:118:「チケット・トゥ・ライド」:2004:1.87:7.37:7.27
36:39:「T.I.M.E ストーリーズ」:2015:2.67:7.73:7.27
37:23:「ワイナリーの四季」:2015:2.95:7.86:7.27
38:53:「ドミニオン:陰謀」:2009:2.44:7.65:7.26
39:166:「ディセプション」:2014:1.62:7.26:7.26
40:209:「キング・オブ・トーキョー」:2011:1.51:7.19:7.25
41:94:「キャプテン・ソナー」:2016:2.08:7.44:7.25
42:62:「ドミニオン」:2008:2.37:7.58:7.24
43:261:「フォーセール」:1997:1.28:7.11:7.24
44:246:「One Night Ultimate Werewolf」:2014:1.41:7.13:7.24
45:36:「Kingdom Death: Monster」:2015:4.19:7.74:7.24
46:110:「チケット・トゥ・ライド:北欧の国々」:2007:1.99:7.40:7.24
47:320:「PitchCar」:1995:1.13:7.03:7.23
48:333:「スシゴー」:2013:1.17:7.01:7.23
49:201:「Secret Hitler」:2016:1.77:7.20:7.22
50:135:「カルカソンヌ」:2000:1.93:7.33:7.22
51:183:「Onitama」:2014:1.69:7.23:7.22
52:281:「Time's Up! Title Recall!」:2008:1.19:7.08:7.21
53:66:「パンデミック」:2008:2.43:7.57:7.20
54:164:「アズール」:2017:1.92:7.26:7.20
55:138:「ミステリウム」:2015:1.92:7.32:7.19
56:22:「Star Wars: Imperial Assault」:2014:3.28:7.87:7.18
57:14:「Puerto Rico」:2002:3.29:7.96:7.18
58:223:「コードネーム:デュエット」:2017:1.58:7.16:7.18
59:30:「Puerto Rico: Limited Anniversary Edition」:2011:3.28:7.80:7.18
60:24:「オルレアン」:2014:3.10:7.85:7.17
61:79:「Arcadia Quest」:2014:2.53:7.51:7.17
62:227:「Sheriff of Nottingham」:2014:1.66:7.16:7.14
63:25:「コンコルディア」:2013:3.13:7.84:7.14
64:348:「ディクシット:ジャーニー」:2012:1.31:6.99:7.13
65:3:「スルー・ジ・エイジズ」:2015:4.35:8.32:7.13
66:399:「ゲシェンク」:2004:1.15:6.94:7.13
67:220:「アイランド ~アトランティスからの脱出~」:1982:1.71:7.17:7.13
68:180:「Star Realms: Colony Wars」:2015 1.98:7.23:7.13
69:102:「ゾンビサイド ブラック・プレイグ」:2015:2.57:7.41:7.12
70:52:「ロール・フォー・ザ・ギャラクシー」:2014:2.76:7.65:7.12
71:165:「バトルライン」:2000:1.91:7.26:7.12
72:363:「スパイフォール」:2014:1.28:6.98:7.11
73:376:「Time's Up!」:1999:1.22:6.96:7.11
74:297:「ロストシティ」:1999:1.51:7.06:7.10
75:73:「Stone Age」:2008:2.50:7.53:7.10
76:114:「Memoir '44」:2004:2.28:7.39:7.10
77:240:「センチュリー:スパイスロード」:2017:1.76:7.14:7.10
78:210:「Hero Realms」:2016:1.98:7.19:7.09
79:59:「シャーロックホームズ  10の怪事件」:1981:2.77:7.60:7.08
80:438:「Love Letter: Batman」:2015:1.22:6.90:7.08
81:361:「クー」:2012:1.43:6.98:7.08
82:96:「パンデミック:イベリア」:2016:2.67:7.43:7.07
83:49:「ファイブ・トライブズ」:2014:2.90:7.67:7.07
84:92:「パンデミック:レガシー シーズン2」:2017:3.12:7.45:7.07
85:112:「ティチュー」:1991:2.34:7.39:7.07
86:11:「グレート・ウエスタン・トレイル」:2016:3.72:8.00:7.06
87:115:「Legendary: A Marvel Deck Building Game」:2012:2.47:7.38:7.06
88:80:「Legendary Encounters: An Alien Deck Building Game 」:2014:2.71:7.50:7.06
89:471:「スカル」:2011:1.16:6.87:7.05
90:367:「One Night Ultimate Werewolf Daybreak」:2015:1.47:6.97:7.05
91:193:「タケノコ」:2011:1.98:7.21:7.05
92:270:「花火 / HANABI」:2010:1.70:7.10:7.05
93:256:「サグラダ」:2017:1.85:7.12:7.05
94:72:「ノイシュヴァンシュタイン城」:2014:2.67:7.53:7.04
95:26:「電力会社」:2004:3.28:7.84:7.04
96:7:「テラミスティカ」:2012:3.94:8.13:7.04
97:282:「ビブリオス:中世の写本師」:2007:1.68:7.08:7.04
98:37:「マルコポーロの旅路」:2015:3.19:7.74:7.03
99:47:「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」:2007:2.97:7.68:7.02
100:460:「BANG! The Dice Game」:2013:1.29:6.88:7.02

ゲームの中には、複雑さバイアスを補正した結果、ランキングの順位が相当に上がったり下がったりしたものがある。この順位付けの補正から最も恩恵を受けて、上位100に躍り出たゲームには、「スカル」、「BANG! The Dice Game」、「Love Letter: Batman」、「ゲシェンク」、「Time's Up!」、「スパイフォール」、「スシゴー」がある。反対に、最も損したゲームは、「トワイライト・インペリウム 第3版」、「アルケミスト」、「War of the Ring (first edition)」、「A Game of Thrones: The Board Game (Second Edition)」、「Through the Ages: A Story of Civilization」、「カヴェルナ:洞窟の農夫たち」がある。改訂された上位100のゲームを上から見ていくと、バイアスが残っているかについてまだ若干の懸念が残るが、私からすると、元々BGGの上位100ゲームの一覧よりも随分と合理的に見える。

新しくて良いゲームを試すことに関心が向いているボードゲーマーの大多数にとって、この一覧は、素晴らしいゲームで満たされていながら、かなりとっつきやすいように見えるのではないかと思う。BoardGameGeekのデータセットに内在する複雑さバイアスと、それを補正する方法について楽しく学べたらいいなと思っている。複雑なゲームが本当に良いゲームなのかどうかに関する議論は、まだ終わりが見えないが、願わくば、遊ぶための軽めの素晴らしいゲームを探している人たちが、BGGの上位100ゲームに関して満足させてくれるようなこの見解が、有用なものであるとわかってくれればいいと思う。

この分析のために書いたプログラムは、Jupyter Notebook(Python)の形式で、ここで見ることができる。

謝辞
Colm Seeleyは、私と一緒にこの作業をしてくれた共著者だ。
・Catherine Maddoxは、この投稿の文章と体裁について素晴らしいフィードバックを提供してくれた。
・Shut Up & Sit DownのQuintin Smith(Quinns)は、この分析の体裁のために、彼の講演の1つで用いられた資料の利用を許可してくれた。
・GitHubユーザのTheWeathermanは、この分析で使うためのデータを収集するために修正を加えたBGGのデータ抽出を行ってくれた。
・GitHubユーザのvividvillaは、CSVファイルから表にするための便利なツールを作成してくれた。

もし、この投稿を楽しく読んでくれたのであれば、次の記事も楽しめると思う。
Shut Up & Sit DownのBGG上位100ゲームに関する見解
Opinionated Gamersの記事「Are Boardgames Getting Better? An Empirical Analysis
・Oliver Kileyの記事「By the Numbers - BGG Rank Data + Analysis

以上

(追記1)
日本のボードゲーマーが書いた同じようなブログ記事を見つけたので、併せてご参照いただければ幸いである。

(追記2・本文中の★部分の補足)
訳者は統計学の専門家でも、データサイエンティストでもない。ベイズ統計について調査をして、表面的には大まかに理解したものの、5.5という数値の意味がピンと来ていない。原文では、「Bayesian prior of about 5.5 with a weight of around 1,000 ratings」とある。1000個の評価があれば5.5の評価がつくであろうという事前分布という意味であると考えた。誤りがあればご指摘いただけると幸いである。

上記のように、注記したところ、ドスたかひろ様が元のコードまでご覧いただき、正確な意味を教えていただいた。誠に感謝する。

(追記3)
hal_99様から、BGGのデータに関する独自の分析と考察をいただいた。詳細は上記のリンク先を参照していただきたいが、次のような要旨であり、非常に参考になる。
・上位100ゲームのメカニズム数は2007年以降に急増(御三家発売時期と一致)してある。
・ギークは目新しいものを好む傾向がある。多くのゲームを遊ぶと、シンプルなゲームでは、どこか既視感を持ってしまう。
・ワーカープレイスメントの発明により、複数システムの組み合わせが容易になった。業界の拡大により、デザイナーも増え、新規メカニズムの発明に注力された。
 →こういった事情が複雑なゲームが上位を占める要因となった。
・なお、重さ(heavy)に関する投票はかなり数が少ないことに留意する必要がある(「グルームヘイヴン」は4.8万票の評価に対して、重さの投票は2000票強にすぎない。)。

本記事と併せて、hal_99様のツイートを読んでいただけると、より広く深い考えができると思われる。考察をしていただいた上、追記をさせていただいたhal_99様には深く感謝したい。

(追記4)
ドスたかひろ様が、本記事では紹介しきれてないデータ解析を紹介するとともに、他の観点からのデータ分析を紹介している。ご興味があれば、以下のリンク先をご覧いただきたい。

※本記事の続きは、以下のリンク先を参照されたい。

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