見出し画像

Kickstarterにおけるボードゲーム価格の内訳(Kickstarter games price breakdown)

(訳者まえがき)
元NSKN Games、現Board & Diceの中の人であるAndrei Novac氏の投稿を翻訳した。元の投稿は、2021年11月8日にされている。
Andrei Novac氏の投稿は既に3つ訳しており、今回の話と関連する。末尾にリンクを貼っておくので、興味があれば、併せてご覧いただければ幸いである。

既に3つの記事を訳した経緯があり、内容が関連していることから今回も翻訳をしている。正直なところ、このような話題を提供することはやや品がないと感じているところではあるが、海外で話題になっていることをできる限りリアルタイムで日本に紹介することは意味があると思っている。

元の記事は以下のリンクを参照してほしい。

少し前の記事で、ボードゲーム価格がどのような構成なのか、誰がこれらのゲームの価値の一部を維持しているのかといったボードゲーム価格について話をしました。コメント欄では、キックスターターにおけるゲーム価格の内訳について教えてほしいという要望がありましたので、本日、それを明らかにしたいと思います。ただ、最初に免責事項(disclaimer)を述べないといけません。

免責事項: Board & Diceは、7年間にわたり20以上のクラウドファンディングキャンペーンを行ってきました。ただ、50万USドル以上となったキャンペーンはありません。CMON Global LimitedやAwaken Realmsのような企業になると、数百万ドル規模のキャンペーンで得ることができる利益について異なった見方を提供することができるでしょう。私が取り上げることができるのは、10万ドルから50万ドルまでの資金を集められた、5000人の支援者(backers)しかいない"よくある"(regular)キャンペーンだけです。(キャンペーンの規模で)原則が変わるわけではありませんが、大規模なキャンペーンであることの利点はあるので、それは否定しようもありません。これについては、この投稿の最後に触れたいと思います。

モデル
数字を簡単に見えるようにするために、100ドルのゲームをベースにしたモデルを使います。こうすれば、計算が簡素で(clear)明確になります。私の仮説を裏付けるために、私たち自身でクラウドファンディングをしたり(we wither crowd-funded ourselves, ※witherを訳すのが困難で何らかの誤記の可能性がある。)、直に情報を有しているゲームである、Snowdonia: Deluxe Master Set、Yedo: Deluxe Master Set、Dark Ages: Holy Roman Empire等のような実例を使っていこうと思います。

私の理論モデルは、単純な前提から始まります。ある出版社が、定価100ドルのゲームのためにKickstarter経由で資金を集めたとします。支援者は、当然、安く手に入れられると期待するので、希望小売価格はこれより高いものとします。そして,計算を単純なものとしたいので、アドオン(Addon)はないこととします。

手数料
集められた資金全体のうち、Kickstarterが手数料として5%をとっていきます。すなわち、100ドルの各ゲームから集められた(資金の)最初の5ドルは手数料で構成されています。加えて、Stripeの決済処理手数料が2.9% + 0.3ドル、合計で3.2ドルが別にかかります。

これらの手数料は、クリエイターがKickstarterを利用しようがGamefoundを利用しようが同じ料金となります。このプロセスを経る圧倒的大多数のボードゲームは、他のクラウドファンディングプラットフォームを利用していないので、私は他のプラットフォームについて語るつもりはありません。ただ、ちょっとした苦言を呈しておくと、Indiegogoも全く同じような手数料になっています。

ここでまとめておくと(After drawing the line)、100ドルのゲーム(まさに支援者が支払う金額)のうち、手数料を引くと、クリエイターには91.8ドルが残っていることになります。

デザイナーロイヤリティ
どんなゲームにもデザイナー(もしくはデザイナーグループですが、これ以降は単に"デザイナー"としておきます。)がいるので、その人の仕事に見合った対価が必要となります。典型的なデザイナーの報酬は、出版社の純売上高の6%から10%となります。私たちと仕事してくれたデザイナーのほとんどは、ロイヤリティの水準を7%から9%の設定していますが、これは古典的な流通モデルと小売店販売モデルを念頭に置いたものです(cover)。クラウドファンディングのゲームにおいては、デザイナーのロイヤリティは異なる基準となっている可能性があり、それは、大抵の場合に調達した資金の割合に応じたものとなっています。ただ、(私たちを含む)出版社は、古典的モデルに近づけた(simulating)ような、より複雑な基準も用いています。

私は2つのシナリオを分析しようと思います。1つ目は、調達した資金の割合に応じたもの、2つ目は(古典的な)流通モデルをシミュレートしたものです。

最初のシナリオ(割合)では、デザイナーは調達資金の3%から6%を得ます。2つの平均値を想定すると(4.5%)、1部当たりの出版社の全体コストは4.5ドルとなります。

2つ目のシナリオでは、計算が少し複雑なものとなりますが、そんなに大したものではありません。もし、100ドルのキックスターターゲームに希望小売価格を設定するとしたら、製造費(ここで想定しておかなければならないのであれば、製造費は25ドルになるでしょう。)のおよそ6倍の値段としますので、150ドルとなります。そこから、出版社は35%の利益(通常は(卸売の際に)65%の割引を伴います。)を保持し、さらにそこからデザイナーは8%のロイヤリティを得ます。全体の計算式は「製造費 × 6 × 0.35 × 0.08」となり、私たちの場合は、25ドル × 6 × 0.35 × 0.08 = 4.2ドルになります。

(調達した資金の)割合モデルとの差異は大きくありませんので、便宜上、100ドルゲームから4.5ドルのロイヤリティの水準が現実的であると想定しておきましょう。そうすると、デザイナーのロイヤリティを差し引いても、出版社はまだ87.3ドルを保有していることになります。

プレッジマネージャー
Kickstarterでは、支援者の配送データを集める機能が無料で提供されていますが、そのサーベイはいまのところやや簡素なものです。したがって、多くのプロジェクトでは、住所を収集するためにプレッジマネージャーと呼ばれる追加プラットフォームを利用し、様々なアドオンや輸送料を請求することになります(Kickstarterの外部で輸送料を請求することは、手数料を最小限にする1つの手段ですが、それが直ちにプレッジマネージャーを利用する理由にはなりません。)。プレッジマネージャーは不可欠なものではありませんが、かなり単純なキャンペーンを除けば、発送された品物(pledge)を追跡したり、支援者にトラッキングナンバーを送ったり、コミュニケーションをとったりさえすることができる素晴らしいツールです。今現在、Board & Diceが運営した最近の10個のプロジェクトでは、BackerKitを利用しました。正直なところ、このツールなしでプロジェクトを運営することを想像することができません。

プレッジマネージャー側も商売ですので(make a living)、サービスの提供の対価として手数料をとっています。通常の料金は様々な要素により異なりますが、調達した資金の1%から3%の間になります。ここでは、過去に支払った手数料の平均が2.5%でしたので、計算ではこの数値を使おうと思います。100ドルゲームにおいては、2.5ドルがプレッジマネージャーの手数料として支払われます。またまとめておくと、出版社にはまだ84.8ドルが残っています。

製造コスト
では、コスト的には大きい割合を占めるカテゴリーの突入することとしましょう(We've just entered the heavy weight category)。今までみたところ、他のコストはわずかなもののようにみえました。この項目は、おそらく、全コストの中で最大になります。Kickstarterで100ドルの値段のゲームを製造するコストはいくらでしょうか。

小売店で販売されるゲームの場合、ざっくりと見積もるとすれば(the rule of thumb)、「製造コスト : 希望小売価格 = 1 : 6」となります。クラウドファンディングにより、私たち出版社は、ディストリビューター(※卸売店と考えれば足りる。)や小売店ような中間業者を間に挟む必要がなくなったので(cut off the middlemen)、ゲームの製造に先立って資金を出してくれた支援者の負担も減らすべきといえます。この場合の適正な比率は、1 : 4になるでしょう。そうすると、100ドルのゲームでは、製造コストは25ドルであるべきです。さぁ、これが合っているか事実確認(fact check)をしていきましょう。

Snowdonia: Deluxe Master Setをみると、Kickstarterの価格は88ドル、製造コストは24ドルでした。比率は、1 : 3.67となります。私たちは、1 : 4となるように計画したのですが……ストレッチゴールのせいです。

Yedo: Deluxe Master Setをみると、Kickstarterの価格は71ドル、製造コストは16.38ドルでした(当初は18ドルの計画でしたが、私たちの工場が素敵なサプライズをしてくれました。)。したがって、比率は、1 : 4.33となり、期待を上回ることになりました。

この2つの平均値をとると、比率がぴったり1 : 4になります。

Dark Agesのクラウドファンディングを実施した時は、状況が少し異なっていました。Kickstarterでの価格を88ドルと設定したのですが、コストの見積りが大きく外れ、結局、1部当たりの製造コストが33ドルとなりました。その比率は、1 : 2.67です。しかし、出版社は全知全能であり、そのようなミスを犯さないと想定します。1 : 4の比率に忠実に従いましょう(stick to)。この場合、仮想の出版社は、仮想のゲームの製造コストとして25ドルを支払います。まとめると、まだ出版社には「84.8ドル - 25ドル = 59.8ドル」が残っています。全ての手数料を支払って、ゲームが製造された後の状態はそんなに悪いものではありませんね。

海外への輸送コスト
ほとんどのKickstarterのクリエイターは、支援者に商品(rewards)を発送するために、複数の大陸のフルフィルメントセンター(※配送のためのハブとなるセンター)を利用します。これにより、効率的なコスト構造を実現させるとともに(※原文は、"that their cost structure if efficient"とあるが意味が通らないので、"that their cost structure of efficientの誤記と思われる。)、支援者が輸入税、関税、VAT(付加価値税)やGST(物品サービス税)等を支払う必要がなくなります。

しかし、どこから商品を発送輸送すればよいかについてどうやって判断するのでしょうか。そのような判断をするために、世界中の支援者の分布(spread)を見る必要があります。

上の画像は、Dark Agesのキャンペーンページの画面です。次の画像はEtherfieldsのものになります。

支援者の数には大きな違いがありますが、挙がっている国はかなり一致していると思います。1番多くの支援者はアメリカで、次いでEUがあり、そして、更に小さい割合となりますが、カナダ、UK、オーストラリアと続きます。

Board & Diceが運営した3つのプロジェクトを使って、地域別の内訳を作りました。そして、データが正しいか検証するために、他の出版社のプロジェクトを利用しています。こちらがその結果となります(where we stand)。

*アジア: 日本、韓国、中国、香港、マカオ、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピン
**オセアニア: オーストラリア、ニュージーランド
***北アメリカの58%の内訳は、アメリカが51%、カナダが7%です。

したがって、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、アジア+オーストラリアにあるフルフィルメントセンターが、最も理にかなったものとなり、95%以上の支援者が、何ら心配することなく(worries-free)ゲームを受け取ることができます。アジアとオーストラリアを一緒くたにしている理由も触れておくと、前述のオーストラリアとニュージーランドだけでなく、アジア諸国もカバーしている専用のフルフィルメントセンターがあるのです。

検討を先に進めるために、ゲームの大きさと重量、そして全体の部数を更に想定しなければいけません。このゲームの価値は100ドルですので、ゲームの大きさはチケット・トゥ・ライドの箱の2倍くらいのサイズと大まかに想定しておけば穏当でしょう。この想定は、フルフィルメントセンターまでの最適な輸送手段が何かを見つけ出すために必要になります。2番目の想定は、印刷部数になります。(記録破りというほどではないが)成功したプロジェクトでは、4000部の印刷が可能でしょう。上記の円グラフの数に適合するように、この部数を各フルフィルメントセンターに配分してみましょう。
・アメリカ: 51% × 4000 = 2040
・ヨーロッパ: 32% × 4000 = 1280
・アジア+オセアニア: 8% × 4000 = 320
・カナダ: 7% × 4000 = 280
・そのほかの地域の残りの部数は、アメリカやヨーロッパの輸送に加えることができ(私たちはヨーロッパを選択しています。)、そこから輸送することができます。

先ほど言及した大きさのゲームの場合、40フィートコンテナに3500部まで、20フィートコンテナに2200部まで、1パレット当たり約100部を詰め込むのが無難です。そうすると、輸送は、次のとおりに行います。
・アメリカ: 1 × 40フィートコンテナ
・ヨーロッパ: 1 × 20フィートコンテナ
・アジア+オセアニア: 4パレット
・カナダ: 3パレット

現在の価格(2021年9月29日)では、コストは次のようになります。
・アメリカ(西海岸のフルフィルメントセンターを想定): 21500ドル

・ヨーロッパ(ドイツかポーランドのフルフィルメントセンターを想定): 19000ドル
・カナダ(トロントのフルフィルメントセンターを想定): 2200ドル
・アジア+オセアニア(中国のフルフィルメントセンターを想定): 600ドル

海外輸送の合計コストは43300ドルになります。通関、税関検査、関連する手数料が加わると、総計が44000ドルとなりそうです(これでも、やや楽観的ですが。)。この総計を輸送するゲームで案分すると、1部当たり11ドルになります。

海外への輸送コストを考慮しても、出版社はまだ48.8ドルを残しています。

フルフィルメントコスト(フルフィルメントセンターから支援者までの輸送コスト)
大多数のKickstarterのプロジェクトは、輸送料を別途請求しているので、このコストが調達した資金を深刻に減らすようなことにはなりません。しかしながら、ほとんどの出版社がこのコストの一部を負担しており、輸送料が完全に法外の値段となるようなことはありません。ここでは詳細について細部まで検討することができますが、とても退屈な計算、多くの表、多くの平均化が続くことになります。私たちがBoard & Diceで採用した方針は単純で、他の多くの出版社と共有するものです。すなわち、全体のフルフィルメントコストから、平均してとりあえず10ドルを負担するというものです(例えば、EUでは、集荷、梱包、輸送のコストやVATを負担することとなります。)。それゆえ、計算を単純なままにするために、実際の輸送料のうち出版社が10ドルを負担するというこの想定を使い続けることにします。ここまでをまとめると、残りは38.8ドルになります。

マーケティング
私自身はマーケティングの専門家ではありませんので、詳細にまで踏み込んで話すことはできません。ただ、数字については大好物ですので、過去のキャンペーンを見てますし、このことについて他の出版社とよく話もしています。したがって、私たちが過去に想定したのと同じくらい、キャンペーンを成功させるためには、どのくらいのお金をマーケティングに注ぎ込まなければならないかについては考えを持っています。私たちは、4000部ということで話を進めてきました(つまり、クラウドファンディングで400000ドルを調達しています。)。これには、25000ドルのマーケティング努力を必要とします(マーケティングの天才がいて、完全に独創的なアイディアを持っていれば別ですが。)。もちろん、この出資額でより多くの認知度を高めることになるかもしれませんし、全く役に立たないこともあり得ます。今から、平均的な場合のシナリオを検討していきましょう。私たちは、マーケティングのために1部当たり6.25ドルを注ぎ込み、もう一度まとめると、32.55ドルを残しています。

アート
近頃、見た目が悪かったり、見た目が普通だったりするゲームは、クラウドファンディングではほとんど支持を集めません(material)。美しさの基準は人によって様々ということはわかりますが、成功する製品を作るためには、上質なアートワークにお金を使う必要があります。いくつかの出版社がアートにいくら払っているのか知っていることもあり、100ドルゲームでは、アートワークに対して最低でも15000ドルの支払が必要と想定するのが無難でしょう。これを4000部で割ると、1部当たり3.75ドルとなり、残りは28.8ドルとなります。

デベロップコストと(会社の)維持費
重ねていいますが、誰も知りたがらないような微に入り細を穿つ(grueling)詳細について立ち入るつもりはありません。その代わり、ここ数年かけて収集した、Snowdonia: Deluxe Master Set、Yedo: Deluxe Master Set、Dark Agesのようなゲームのデータを利用したいと思います。これらのゲームのそれぞれについて、ゲームデベロップ*、プレイテスト、アートディレクション、マーケティング、販売、管理(administration)等の作業が展開されるので、約1800時間の作業を注ぎ込むことが必要でした。
*ゲームをデベロップするために、最低でも500時間の作業を費やすと考えるのが穏当です。大作ゲームであれば、2倍の時間が必要となります。これには、内部と外部のテストプレイ、ルール作成と校正、ブラインドテスト、調整等が含まれます。ただ、出版社は他にも膨大なコストがかかっていますが、単純に費やした労働時間を挙げています。

2つ目の要因は、1時間当たりの作業コスト(the cost of an hour of work)です。これは、働く場所によって大きく異なり、ブルガリアの7ドル以下からデンマークの45ドル以上までの幅で変わります。

公式に発表されているEUでの1時間当たりの人件費(hourly cost of labor, ※上記グラフの元のサイトをみると各種の用語の説明がされている。)は32.5ユーロ = 37.6ドルで、アメリカでは36.5ドルです。しかし、より控えめな25ドルという見積りを使いたいと思います。1500時間がかかると合計は37500ドルとなり、1ゲーム当たりでは9.375ドルとなります。 

またまたまとめると、私たちには19.425ドルが残ります。

その他のコスト
返品、パーツ交換、通貨の換算はほとんど避けることができない数少ないその他のコストであることが明らかです。これらのコストについては、クラウドファンディングが終わって数年後に知ることになりますが、数年間の(キャンペーンの)運営(practice)して初めてこれらのコストを説明することができるようになりました。低い見積りだと、1部当たり1ドルとなり、高い見積りだと、1部当たり2ドルになります。間の数をとって1.4ドルとしましょう。最後にまとめると、18.025ドルが残りました。丸めて18ドルとしましょうか。

まとめ
KickstarterやGamefoundでのゲームの値段(輸送量は含みません。): 100ドル
コスト
・Kickstarter/Gamefound手数料: 5ドル
・Stripe利用料: 3.2ドル
・デザイナーロイヤリティ: 4ドル
・プレッジマネージャー手数料: 2.5ドル
・製造コスト: 25ドル
・フルフィルメント(企業負担分): 10ドル
・マーケティング: 6.25ドル
・アートワーク: 3.75ドル
・ゲームデベロップ、会社の維持費: 9.375ドル
・その他: 1.4ドル
全てのコストを差し引いたら残りは18ドルとなりました(実際には18.025ドルですが丸めています。)。
税金がかかってきますが、ポーランドでは利益に19%の課税がされるので、14.6ドルが手元に残ります。実際の利益率は14.6%となりました。

結論?
製造数に応じて増加しないコスト(アート、デベロップ、ミニチュアの鋳型等)は、当初見込んでいたよりも多くの支援者を得られれば、大幅に(負担率が)減ります(diluted)。ほとんど全てのキャンペーンにおいて、内部的に設定した最低限の目標(limits)に達することができたのは幸いでしたし、想像していた最高の結果を上回るキャンペーンも一、二個ありました。しかし、数万人規模の支援者がいることが必要なのです。私は、利益率の上昇を想定するだけでなく、フルフィルメントの労力やその他のコストが上昇することもまた想定しなければなりません。

これは理論上のモデルにすぎませんし、30%の利益率を叩き出したキャンペーンを聞いたことがありますが、100万ドルの資金を調達したにもかかわらず赤字になったキャンペーンを聞いたこととあります。後者の場合、ストレッチゴールが問題の原因であることが多いですが、近頃は輸送費の高騰も原因となって何社かが被害を受けています。

必ず成功するレシピなんてものは存在しませんが、クラウドファンディングはうまくいけば相当大きな利益を生み出して、小規模出版社が大きく前に飛躍することも可能となるのです。

以上

※関連する記事は以下のとおり(特に2番目の「ボードゲーム価格の内訳」が本記事と強い関連性を有する。)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?