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【雑記/紹介/応援】鳥が感情を知る遠き日の物語。キツネノテブクロの咲く頃に#創作大賞感想

 昨日はSFファンタジーでしたが、今日もファンタジーです。でもまたガラリと違うやつ。ファンタジーというか、神話です。



まずはタイトルをみておきましょう。

<1>ボクは鏡にうつらない(1)(5300)
<2>ボクは鏡にうつらない(2)(6200)
<3>ボクは鏡にうつらない(3)(7400)
<4>夜に溶けて飛ぶ鳥(6200)
<幕間1>王国の滅亡と魔の一族の伝説(1600)
<5>月のない夜の姫君(1)(6000)
<6>月のない夜の姫君(2)(4800)
<7>月のない夜の姫君(3)(4100)
<幕間2>創世記・祝福の翼(1500)
<幕間3>夜色の翼は高くに(1800)
<8>そして、キツネノテブクロの咲く頃に(1)(7700)
<9>そして、キツネノテブクロの咲く頃に(2)(6500)

タイトル後ろの数字は文字数(概数)です。

 メインストーリーが、「ボクは鏡にうつらない」「月のない夜の姫君」「そして、キツネノテブクロの咲く頃に」と3つあって間に掌編が挟まれているようなスタイルです。

 で、あらすじはこんな感じです。

背に翼を持つ一族の中で「ボク」だけが鏡にうつらない。ママが「ボク」に触れないのはそのせい。「ボク」が鏡にうつる「ボク」を見つけたら、ママは頭を撫でてくれるかもしれない。「ボク」はそれを願って毎日ママの背を追い、鏡の中に「ボク」を探す。
 「ボク」の七番目の姉である「わたし」は弟に、鏡にうつらないのは弟だけではないことを告げ、弟を連れ一族の城を出て旅に出る。その目的は、弟に言った『鏡にうつらない子に会いに行く』だけではなかった。
 そしてたどり着いた場所で「ボク」が知ることになった、事実とは――。
 神話の時代の終わり。翼ある一族の末裔として生まれた姉弟の、数奇な運命と絆を描く、ダークファンタジー。

第1話のあらすじより

 こちらのあらすじは主に「ボクの鏡にうつらない」についてです。
 「ボク」視点で語られるため、語り手の幼さゆえの不明瞭な部分ができていて、読んでいる大人は「?」と思う部分もあるかと思います。ミステリーで言えば、ナゾの提示の章。と同時に一番メインのストーリーになっています。
 で、その「?」の部分が次の章から分かっていく。
「夜に溶けて飛ぶ鳥」は「ボク」が出会った「魔女」視点、
「王国の滅亡と魔の一族の伝説」は世界設定、
「月のない夜の姫君」は「ボク」の「姉さま」視点、
「創世記・祝福の翼」は世界設定、
「夜色の翼は高くに」は「ママ」視点、
「そして、キツネノテブクロの咲く頃に」は再び「ボク」視点、
という感じで、様々な角度からこの世界を読み解いていくというスケールの大きな話です。

 昨日紹介した「ミサキキラー」は異種族は異種族のまま、越えられない一線があるな、という印象がありましたが、人間ではないものの人間の感情を獲得するような様子でしょうか。

 優しさのある童話のような伝承のような神話のような雰囲気の一品です。
 ってか、こういうがっちりした世界観を作れるようになりたい🐤



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