「キツネノテブクロの咲く頃に」第3話 #ファンタジー小説部門
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キツネノテブクロの咲く頃に<3>ボクは鏡にうつらない(3)
(約7400字)
姉さまとの旅は、とっても楽しかった。国ざかいをこえてからもずっと、姉さまとボクは森の中を進んで、たまに道に出ることがあっても、とおりすぎるだけで、道を歩いたりはしなかった。だけど旅のはじまりとちがって、夜じゃなくて昼、太陽が出てる時間に歩くようになったから、ボクはいろんなものを見つけて、もう声を出してもよかったから、それがなんなのかをぜんぶ、姉さまにたずねた。
「これ