「Kindleインディーズマンガ」で地獄を見そうになったので、全力逃走した件
「Kindleインディーズマンガ」……それは、誰もが知っているあの「Amazon」が運営する、誰でも１ページから無料でオリジナル漫画の電子書籍を出版でき、読むのは無料・作者は読まれたら分配金が頂けると言う、まさにWin-Win・夢のようなサービス――！
今日はそんな「Kindleインディーズマンガ」に夢と希望を抱いて投稿した結果、地獄を見そうになって全力逃走した件についてお話し致しましょう。
アナログ絵描きは画材代がかさむ
自分は、透明水彩絵の具を使用するアナログ絵描きです。
透明水彩絵の具は薄めて使うので、一回買えばかなり長持ちするのですが、問題は紙。
絵を描くには紙が必要。でも100均で売っているような画用紙では駄目。
良い絵の具より、良い水彩紙が絵の出来栄えに大きく関わります。
そして、気付けばどんどん値上げされている高級水彩紙。
漫画は安めの水彩紙を使用していますが、消費量が激しい。
漫画でガシガシやるせいか、筆もすぐ摩耗してしまって買い替えばかり。
Skebは依頼ゼロ。グッズも最初の頃２回買って頂けた以降ゼロ。
FANBOXを支援者特典なし100円で一瞬やってみましたが、さすがに申し訳なくて終了。
最近原画販売を始めてはみたものの、あまり良い未来は見えず。
とにかく、自分は絵で稼げない。描けば描く程赤字。
Kindleインディーズマンガドリームを目にする
元々存在は知っていたのですが、何かめんどくさそうだなーとずっとスルーしていました。
……が、たまたま目にした某N様ちゃんさんの話題。
すげー！と思って調べてみると、●千ダウンロードされただの、●万ダウンロードされただの、儲かるから漫画描きならやらなきゃ損！的Kindleインディーズマンガドリームが、あちこちで語られていました。
心が貧弱・財布も貧弱な愚かなべーたは、またしても夢と希望を抱いてしまったのです。あの地獄の事をすっかり忘れて――。
ざわ……ざわ……
たのしいげんこうづくり♪
色々調べた結果、１巻辺り50ページ位が良いと思い、１・２巻を同時作成する事に。
１巻の表紙は、複数の漫画投稿サイトで１位を取れた事もある、サムネイルに使っている絵。２巻の表紙はこの為に描き下ろしました。
目次と奥付ページを作り、特別感を出して沢山ダウンロードして貰う為に、Kindle版限定のおまけ漫画も制作。
まるで本物の書籍のように出来上がりました。オラわくわくすっぞ♪
最初のアカウント登録は少し悩みましたが、その後の投稿は簡単で、まるで漫画投稿サイトに投稿するかのような感覚。
ストアに既に投稿されている作品群を見ながら、自分もここの仲間入りするんだー♪ 沢山読まれるかなー♪と、審査終了を待ち侘びました。
戦慄・蘇る地獄
申請より２日。Amazonより無事審査終了・公開開始した旨のメールが！
早速前もって用意していた宣伝画像と共に、XにKindleインディーズマンガにて特別なおまけ漫画付きKindle版が配信開始された事を、夢と希望に溢れてポスト。
翌日夜、どの位ダウンロードされたかなー♪と、ドキドキわくわくしながらレポート画面を初めて開く。
※内４は、確認の為複数端末でダウンロードした自分。
蘇る、地獄……ッ！！！
※なお、この時自分は色々と早合点・勘違いをしていました。
・この数は今日のみの集計。昨日分は含まれていない(とは言っても、それを含めても大して数は変わらず)。
・Xは外部URLを載せるとかなり間引きされる。そもそもフォロワーさんに気付かれていない可能性。
・ストアの新着にまだ掲載されていなかった。
また筆を折ろうとする
あんなに頑張って作ったのに、まさかこれ程読まれないとは……。
みんな沢山読まれたって言ってたのに、自分はやっぱり需要ゼロ。自分なんかが漫画を描いていても存在意義無し。
漫画を描くのは体力もお金もいるし、時間も沢山取られるし、誰にも求められていないなら、もう描くの辞めよう……。
※少数ながらもダウンロードして下さった方がいた事に対する感謝は、ショックのあまりどっかに行ってます。
だが、今回は違った
いやいや、ダウンロードはされなかったが、自分は頑張って作った。サイコーにヒャッハーな電子書籍を作った。
それについては大変満足している。
逃げろ！全力だ！！このままじゃSkebの時の二の舞だ！！！
思えば自分には頼る相手がいたじゃないか。
そうだよ。我らが主人公・良かった探しの達人。
自己啓発ポジティブ白まんじゅう・ネクちゃんがな！！！！！
そう。いつも通販しているあのAmazonに、自分の描いた漫画が他のプロの書籍と一緒に並んで表示されている。
それだけでカッコいいじゃないか。
もう、ダウンロード数を気にするのはやめよう。レポートも、見ると心に良くないからもう見ない。
その内恐怖の収益通知メールが来るだろうが……ネクの言葉を思い出せ！
薄々気付いていはいた事
Kindleインディーズマンガでの成功者達の喜びの声ばかり鵜吞みにし、でかすぎる希望を抱いた結果突き付けられた現実に絶望し、(Skeb程では無いが)振り回された相変わらず愚かな自分。
２週間ぐらいストアを観察していたのですが、上位は同じ人のシリーズで埋まりがち。人気ジャンルも偏っている。
この絵で何でこんなに読まれているんだ？と思って作者を調べたら、X万アカ持ちがわざと下手に描いたものだったり。
これ、元々SNSとかで大量のファンを抱えている人しか勝たんヤツだ……。
反省と感謝
自分のような弱小は、期待する事自体が愚かな世界でした。
ダウンロードして下さった方、評価を付けて下さった方に感謝し、３巻以降も投稿できるよう、弱小なりに細々と描き続けて行こうと思います。
どうもありがとうございました。
ちなみにそんな愚かな弱小が描いた漫画はこちらです。
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