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短歌44「雷魚の呼吸音」

唇の端にコーヒー 拭う時妙に野生の気持ちになる

焦れる踵 帰らないとは言えなくてパンプス砂粒痛いまま待つ

針のないスズメバチなら愛せるの波紋のように進化は進む

放課後の席替えうんざり遠い席 雨が止んだら進めのサイン

それすらもわからなくなり沈んでる雷魚の呼吸音時計の音

死にゆくわたしはどんな色でしょうマーガレット胸に積まれて

眠りの川に流される頃君の眼は開かれて音を聴く歯車の

衣替えの度に出てくるシャツが指針まだ覚えてるもう捨てられる

突然に鳴る電話が不愉快でこれから行くよ誰か来てくれ

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