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2022年10月の記事一覧

詩28「台風とメランコリア」

台風とメランコリア

「星」の付く街の皮膚科に向かう
昨日の台風の尻尾がまだ停滞している
風が丸くわたしをくるんで強い力でシャツを巻き上げた
髪の毛はもうぐしゃぐしゃで直す力もない
坂道は長く続いて息が上がるので
マスクを外して新鮮な空気を肺に満たした

指先にクトゥルフの目玉のような水泡ができて
その数は日々増えている
宇宙から来た神話生物の目玉は大小さまざま
夜になるとたぶんそいつらは蠢いて

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詩27「ミザリー」

宇宙人がやってきてあたしの手首を掴んだ
燃えるような夕焼けだった
薔薇の花びら散らしたような
今まで見たことのない、見たことのない赤
おそろしく綺麗な

涙が横に流れていって納屋の床に滴った
よく見るとあなたも泣いてる
行かないでくれと懇願している
ごめんなさいあたしの脳は全てを拒否して
忘却の津波に揺れてる

古いホウキや錆びたオイルの缶
埃を被ったテントだとかそういうのはわかるの
あなたは誰な

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