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短歌

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書き始めたばかりの短歌まとめてます。
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短歌59「ひまわり」

睡蓮の霧の中には誰ひとり帰ってこない無言がある 花時計四季をも計る花の色 冬は吹雪で春は…

酒部朔
2年前
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短歌58「さよなら」

マニキュアの剥げたとこを隠してたさよならの言葉アクリルの向こう 家中の音が止まるの怖くっ…

酒部朔
2年前
11

短歌57「わたしたち女」

2人のペディキュア並ぶ青い刻乱暴ないから終わりがない 手を繋ぎ柔らかいと思った花の匂いに…

酒部朔
2年前
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短歌56「童話」

長い髪だった頃は童話だった髪の匂いで夢を見ていた 夢見る大きなくじら目が覚めた新芽の生え…

酒部朔
2年前
9

短歌54「テレパシー」

心臓より少し早いウィンカー君の口からちいさめの歌 山道で手を繋いでたふたりきり長い影が僕…

酒部朔
2年前
10

短歌53「ゆるした」

許されたこと犬にだけはあるみたい幣のような尻尾のリズム 死にたいのは誰も彼もじゃないけれ…

酒部朔
2年前
11

短歌51「目」

まだ暑くない土地に住むあなたの目しっかり夏とらえている 後の世に伝説になる綺羅星にありえないもの義経の首 煙吹く車に顔を埋める男ひどく愛しているように見え 過去の糸足首を引くきつくきつく 蹴散らして前きっと見つめる 大きな目から涙落ち真珠のごと止めるすべなし自動人形 海見てる 波が呼んだら耳の中風でいっぱい小さな嵐 とろりとした牡蠣の歯ごたえクリーミーさ小さい海がここにあった カラオケで耳がやられて歌えずに若者の街雨で敗走 目に睫毛刺さる日もある 更衣室制汗剤

短歌50「雨でした」

雨洗う道路の熱 白い泡 君だけのものひとつはあるの 雷雨があなたを襲う 意志がある 本屋…

酒部朔
2年前
9

短歌49「炭酸水」

透明の万年筆をよく使う沈み込むこころ呼ばれないよ 27°気が早いかと白Tシャツいつの間にや…

酒部朔
2年前
10

短歌48「睫毛ふせて」

相変わらずのロボですねその優しさ壊れた肩もわからないんだ 夏の雪ありえないものそれ見える…

酒部朔
2年前
8

短歌47「球根と雨」

死にてえな カップラーメン開かなくてカリカリしてる血の方が沸く 球根を思う小さな塊を 散…

酒部朔
2年前
9

短歌46「流星」

全てのテーブルにある希望って無くならないから食べていいよ どうして使えない言葉あるんだろ…

酒部朔
2年前
9

短歌45「モンスター」

乱暴が好きなひとなどおりませんトマトのヘタを大切に洗う 垢BANにされし君モンスター明るい…

酒部朔
2年前
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短歌44「雷魚の呼吸音」

唇の端にコーヒー 拭う時妙に野生の気持ちになる 焦れる踵 帰らないとは言えなくてパンプス砂粒痛いまま待つ 針のないスズメバチなら愛せるの波紋のように進化は進む 放課後の席替えうんざり遠い席 雨が止んだら進めのサイン それすらもわからなくなり沈んでる雷魚の呼吸音時計の音 死にゆくわたしはどんな色でしょうマーガレット胸に積まれて 眠りの川に流される頃君の眼は開かれて音を聴く歯車の 衣替えの度に出てくるシャツが指針まだ覚えてるもう捨てられる 突然に鳴る電話が不愉快で