顔色を変えない兵庫県知事と、感情に訴えるマスコミ等

最近のニュースは、自民党総裁選挙と、兵庫県知事のネタが毎日のように流されますね。

自民党総裁選挙が「まるでお祭り」のように報道されているのも酷いと思っていますが、兵庫県知事の問題の報道も同様に酷いと思って見ています。

兵庫県知事の問題は、「内部通報者保護法」における内部通報として通報した職員が亡くなられたことの衝撃が大きいのですが、
報道内容が、「パワハラ」「贈答品」に偏っていることが酷いと思っています。

注目の「百条委員会」でも、ある委員の方が
「どんな気持ちで付箋を投げたのですか？」
「パワハラだと思っていますか？」
という質問をした場面が報道されています。

え？？？

ここで、兵庫県知事の気持ちを確認する？？？

公益通報者保護法等、
法令違反に該当する事実を確認する為の質問はしないの？
と思ってしまいました。

そこで今回の百条委員会のメンバーを見れば、
県議ばかりで、法律関係は、自民党の弁護士資格保有者のみのようです。
（第三者委員会みたいな専門家の集まりではないのですね・・・）

なるほど・・・

「百条委員会」にも期待できないですね・・・

議員さんですもの、
市民の溜飲が下がるような、
マスコミウケするような質問をしたいのですね。
って思ってしまいます。

マスコミの報道も、視聴者にウケる場面の切り取りではなく、
本当に大事な場面の報道をして欲しいものです。

対する兵庫県知事は、
マスコミに対しても、百条委員会に対しても、
顔色を殆ど変えずに、言葉に気を付けながら、
理路整然と説明します。

既に弁護士もついているようです。

そして、
泣きながら記者会見した元副知事も含め、
県幹部（含むOB）の味方が結構いるようで、
知事側の支援体制は出来上がっているように見えます。

だから、知事は冷静なんですね・・・

本人も、「裁判にも対応できる」と言っていますから、
裁判で負けないロジックと陣営を準備済みなのでしょう。

しかし、仮に、法律上の問題がグレーだからと言って、
今回の問題がうやむやに終わってしまうのであれば、
大きな禍根を残すと思います。

今後、行政機関における公益通報者は出なくなるでしょう。
民間における公益通報者も減るかもしれません。
そして、県職員や国民は、政治社会の理不尽さに打ちのめされるでしょう。

そして、

今回の兵庫県知事の問題は、他の自治体でも起きうる問題です。
もしくは、既に起きているかもしれない問題です。
斉藤知事、個人の問題だけでなく、
兵庫県という自治体の組織上の問題も含むはずです。

自治体だけでなく、
閉じられた業界（学校・医療関係・警察・自衛隊・芸能界・マスコミ・政治等）に共通する問題点も含むはずです。

昨今の悪いニュースは、
閉じられた業界で起きることが多いような気もします。

上記のような閉じられた業界は、社会全体に及ぼす影響が大きく、
もっと監視が必要なセクターだと思います。

そして、マスコミ、国民は、
この問題をもっと冷静に見て、論じる必要があると思います。

今後、法律関係者による冷静な報道が増える事、
および、
兵庫県知事およびその周辺の方々が、
公務員としての良識および、
人としての良心に基づいた対応をされること
を願ってやみません。