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古代祐三が訊く! めがてんサウンドの秘密【第2回】前編 細江慎治インタビュー(聞き手・古代祐三/文・鶴見六百)

【おしらせ】ただいまデザインのリニューアル中です。

古代祐三さんの「自分が読者だったらこんな記事が読みたい!」という想いから生まれた本企画。古代さん自らが、影響を受けたレジェンドコンポーザー達に話を訊いていくインタビューです。
今回お話を伺うのは、ナムコ出身のレジェンド・細江慎治さん。細江さんがゲーム音楽制作を始めたのは、アーケードゲームのサウンドがPSG系からFM音源系へと急速に切り替わっていった1980年代後半のことでした。当時のナムコは、FM音源チップを、コックピット筐体の『サンダーセプター』に続いてテーブル筐体向けのシステム基板「システムⅠ」にも搭載したばかり。そんな中、細江さんはシステムⅠ最初期の傑作『ドラゴンスピリット』を皮切りに、名曲を次々と生み出してゲーマーの胸を熱くしていきます。
さて、当時「胸を熱くさせられたゲーマー」の一人だった古代さんは、細江さんにどんな話を訊くのでしょうか? 今回もコアでディープな内容をお楽しみください。(2022年9月21日・古代氏のスタジオにて収録)

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どうしても最初に訊きたい『ドラゴンスピリット』

──前回のHiro師匠インタビューが、読者に忖度しないディープ過ぎる内容にもかかわらず大好評でしたので、今回も読者が付いてこれるかどうかは考えずに、深いところまでやっちゃってください(笑)。
 
一同 (笑)。

古代 細江さんと言えば、もう何度も何度もインタビューで話されていると思うんですけど、やっぱり最初に『ドラゴンスピリット』(以下『ドラスピ』と略)の話題を、どうしてもやりたくて。
 
細江 ずいぶん昔になっちゃったね(笑)。
 
古代 そう、ずいぶん昔になっちゃったんですけど、いまだに覚えてるんです。有楽町駅前のゲーセンで、友人のおにたま(オニオンソフト・武田寧氏)と一緒のときに、「すごいシューティングがある!」って遊んで。
最初はゲームに夢中だったんだけど、遊んでいくうちに「これ音楽すげえな」と、たちまち気に入ったんで、テープレコーダーで即行録音して、PC-88mkⅡSRでコピーしたんですよ。この流れは、『スペースハリアー』と全く一緒(笑)。

古代 それで……どういう経緯か覚えてないけど、おにたまが主宰するオニオンソフトがコミケで頒布はんぷしていた「100円ディスク」というミニゲーム集に、私がコピーした『ドラスピ』のボス曲を使ったゲームが入って(笑)。堂々とやってたんですよ、当時は(笑)。
 
細江 『シューティングマスター』だったっけ?
 
古代 たしか『ウインクロリゼス』じゃなかったっけ。記憶違いかもしれないけど。
 
──おにたま(武田氏)に確認しておきますね。

武田氏に確認したところ、『ウインクロリゼス』というゲームでした(100円ディスク No.2収録。1987年8月コミックマーケット32にて頒布)。

古代 その100円ディスクが細江さんの手に渡って、曲がすごく高評価だったと聞いて、「え、マジ!?」と。それが最初のつながり。
 
細江 (笑)。
 
古代 実際に出会ったのは、おにたま経由の友人の誰かと一緒に、いきなり「細江さん家に遊びに行く」という話になって、調布のご自宅に遊びに行ったのが最初ですね。
で、細江さんからシンセを借りた、と(笑)。
 
一同 (笑)。
 
古代 自宅に行った日かどうかは覚えてないんですけど、知り合っていきなりS-330っていうローランドのサンプラーを借りたんです。こころよく貸していただけました(笑)。
まあ、すごいスピード感ですよね。すべて『ドラスピ』が縁で始まった、と。
 
──それなら最初に『ドラスピ』の話からやりたくなるのも当然ですね(笑)。

曲は「なんとなくできるもんだ」

古代 それで本題なんですけど、『ドラスピ』を作ったときってどんな感じだったんでしょうか?

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