見出し画像

『Beep21』セガハード列伝特別編 ファイティングパッド6B誕生秘話

2019年9月19日に発売された
初代メガドライブミニに続き、
2022年10月27日に発売された
メガドライブミニ2

このどちらにも標準装備された
コントローラはおなじみの
「ファイティングパッド6B」
※以下「6Bパッド」と略します。

1992年末に初めて発表された時は
ボタンが3Bから6Bになっていたため、
「あの人気格闘ゲーム」が登場か?
と大きな話題を呼びました。

『BEEP!メガドライブ』1992年12月号のニュース記事より。キャプションに「メガちゃん早くダッシュして」と書かれているあたりに当時の期待度の高さがわかる。

翌1993年1月に発売された
6Bパッドは、同年4月23日に発売された
メガドライブ2と合わせて
本体に同梱されていくことになりました。

『BEEP!メガドライブ』1993年5月号特集記事より。廉価版として新登場したメガドライブ2やメガCD2の発表と同じタイミングで、カプコンから待望の「ストリートファイターIIダッシュ」の移植も発表され(※後にタイトルは「ダッシュプラス」となった)、ついに6Bパッド活躍の場がやってきた。

▼メガドライブ2開発秘話はこちらからご覧いただけます!

今回は当時この6Bパッドの開発に関わった
関係者に開発までの裏側を語ってもらいました。

取材回答者
長嶋 毅      1987年セガ入社。第五研究開発部(コンシューマーハード開発※当時)所属
伊達 敏範  1991年セガ入社。製品設計部機構設計課(※当時)所属
竹内雅彦   1992年セガ入社。製品設計部電気設計課(※当時)所属
※一部ゲスト回答:戸崎健司(コンシューマーハード設計担当  ※当時)

メガドライブユーザーにとっては
昨今のミニシリーズ含め、実は一番
使い込んでいるであろう6Bパッドの誕生秘話。

いったい6Bパッドはいつから企画され、
どのような苦労をて、完成したのか。

当時もあまり語られることのなかった
今回のエピソードを読むと、きっと
いま手にしている6Bパッドへの想い入りも
少し変わって見える、かもしれません。

ぜひご覧ください。

※本記事はこちらから読むことができます。メガドライブミニ2についての話題が凝縮された『Beep21』メガドライブミニ2臨時増刊号はここでしか読めない当時の開発秘話が満載!メガドライブミニ2関連記事をすべてご覧いただけますのでどうぞお見逃しなく!

 ※『Beep21』が初めてという方は、こちらの『Beep21』2021〜2022年分 超全部入りお得パックがオススメです!(※ご購入いただくと2021〜2022年に刊行された創刊1号・2号・3号・メガドライブミニ2臨時増刊号すべての記事を読むことができます!)


6Bパッドの最初の設計意図は...

──企画は実際のところいつ頃から?
長嶋 たぶん、企画(「ストリートファイターⅡ(※以下ストⅡと略すことあり)」の移植決定)から時間をおかずに開発が始まったと思います。当時はいろいろな形でメガドライブのテコ入れの要請があり、(現場では)多種の周辺機器を試作していました。その一環として「ストⅡ」→「6Bパッド」があったと言えます。企画サイドの本音としては、アーケードのほうは、(「ストⅡ」の大ブームで)すでに6Bの格闘が人気の主流にあり、3Bに戻ることはないから、6Bにしないとまずい、というのがあったのかもしれません。

──とはいえ、それまでのメガドライブのパッドは、3Bが基本でした。これを6Bにするにあたってはどのようなあたりを一番留意していましたか?
長嶋 今後、標準パッドは3Bから6Bに替わるという話だったので、今までのソフトがそのままちゃんと動く、ということをまずは最優先に考えました。

──実際のパッドはかなり小さいサイズとなりましたが、これは当初からの予定?
伊達 (1988年に発売された)メガドライブ自体が、当時の家庭用ゲーム機としてはめずらしくエルゴノミックデザインり入れていました。

『BEEP!メガドライブ』1993年3月号ニュース記事より。前の世代の3Bパッドは確かにエルゴノミック(人間工学的)なデザインであるのがわかるが、その分大きくなり、操作しにくい、という意見もあったと言う。6Bパッドは同じデザイン会社(ソルクスデザイン社)がデザインし、コンパクトかつ使いやすい形にされた。

なぜあの小さなデザインになったのか?

ここから先は

5,613字 / 3画像

最終収録予定記事数は実に50本以上!総文字量は40万文字超(※新書3冊分以上)の大ボリューム! A級資料満載の永久保存版をぜひお手元に!

伝説のゲーム誌『Beep』が2021年に21世紀仕様になって帰ってきた! 『Beep21』は他では読めない独自取材記事と当時の関係者による…

各マガジンの通常価格の単品合計が2,980円のところ、こちらの一気読み超全部入りパックだと2,480円で買うことができます。4つのマガジンの総文字量は120万文字超!新書10冊分近い大ボリューム!永久保存版アーカイブとしてぜひ!

21世紀に奇跡の復活を遂げた『Beep21』の2021年〜2022年の記事すべてを一気に読める超お得なパックがこちらです!『Beep21』…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?