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『Beep21』当時の開発者が語るシリーズ メガドライブ2開発秘話 書き手 : 岩上佳昭

2019年9月19日に発売された
初代メガドライブミニに続き、
2022年10月27日に発売された
メガドライブミニ2

メガドライブミニ2の形状は、
ご存じの通り1993年4月23日に
発売されたメガドライブ2を
ベースとしたデザインになっています。

©SEGA こちらは1993年に廉価版メガドライブとして発売されたメガドライブ2本体の写真。一見メガドライブミニ2と見分けがつかないほどだが、コントローラの差し口の部分に違いがあるのがわかる。

今回は「セガハード列伝」の番外編その1として
メガドライブ2の設計秘話を当時のハード設計
担当であった岩上佳昭氏に語っていただきます。

【岩上 佳昭(いわかみ よしあき)プロフィール】
・1965年4月生まれ
・1986年4月セガに入社
※セガのコンシューマー用(家庭用)ハードを開発している第3研究開発部所属(※当時)
【過去担当ハード】
・3Dアダプター(セガ・マークⅢ)
・メガアダプター(メガドライブ)
・マスターシステム2(廉価版)
・メガドライブ2
・Super 32X
・Pluto(プルート※セガサターン派生機種。未発売)

※本記事はこちらから読むことができます。メガドライブミニ2についての話題が凝縮された『Beep21』メガドライブミニ2臨時増刊号はここでしか読めない当時の開発秘話が満載!メガドライブミニ2関連記事をすべてご覧いただけますのでどうぞお見逃しなく!

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1991年「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の
大ブレイクで、ハードの北米シェアで一時期
スーパーファミコン(SNES)を抜くほどに
なったジェネシス(北米版メガドライブ)。

続く1992年には
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」が
発売され、さらに人気が加速。

そこでオーダーされたのが
とにかく売れやすくするために
徹底的にコストダウンした
新型メガドライブ
でした...。

メガドライブ2登場までに
開発現場はどのように設計をしたのか。

岩上氏が当時の様子を明かしてくれました。


大量採用とハード部門への配属

岩上 私がセガに入ったのは1986年4月。元々ゲームが好きだったのですが、ちょうど就職活動をしていた(1985)年に(プラザ合意で)円が(1ドル)230円から中に180円ぐらいまで一気に上がりまして。それで会社推薦すいせんをシチズンとかで受けていたんですが、会社推薦受けていても全員落とされる、みたいな状況になってしまったんです。それで逆に自分が得意なところで、募集を多くしている会社がいいだろうということでセガを受けたんですが、すぐに合格しまして。ちょうどセガも人手が全然足りない時期で、大量採用をしていたんですね。

 セガに入ったら、図面設計とか基板図面の設計作成をする部署に配属されて、4〜5月に入って、7月にはもう図面を書いていました(苦笑)。最初はトイショー用のディスプレイ制作をやって、続いて3Dアダプター(セガ・マークⅢ用)の設計、デザイン、モックアップを作って...という感じで。

 その後は、メガアダプタとか、マスターシステムIIをやって、メガドライブ2を担当したんです。

©SEGA メガドライブのカートリッジ部分に上から挿して、マスターシステム以前のセガソフト(ゴールドカートリッジ・マイカードマークⅢ)を遊ぶことができるようになるアタッチメント「メガアダプタ(1989年1月26日発売 / 4,500円)」。この周辺機器は岩上氏が担当したものであった。この後に岩上氏はマスターシステムIIを担当することになるが、そこでの経験が廉価版でもあった新型のメガドライブ2に生かされていくことになる。

マスターシステムIIから継承されたコストダウンの発想

岩上 1993年に発売されたメガドライブ2というのは、基本的にはマスターシステムII(1990年発売)と同じ考えで企画が始まったんです。上からの命令で「コストを下げろ」「とにかく安くしろ」という感じでね。マスターシステムIIの時は、コストを70%にしろというのがあって。要は3割落とせというわけでしたが、メガドライブ2の時もその時の流れを継承してるんですね。

©SEGA  1990年に発売されたセガ・マスターシステムII。※写真提供セガ

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