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はからずもゴミ箱も飛ぶ4月

2022.4.1(金曜日) the new fiscal year

ほんとうにゴミ箱は飛ぶんだなぁ。

早朝から北風が強い。
まだ暗いうちからベランダではガタンゴトンと音がしている。起き上がって確認したいが、眠気には勝てずそのまま放置する。
6時半、起きてベランダを確認すると大きな仕分用ゴミ箱がベランダの端から端まで移動してひっくり返っていた。ロックがしてあったので中身が飛び出すことはなかったが、夜明け前のガタンゴトンはこの音だったんだと思いながら元の位置に戻した。
強い北風は止むことなく続いて、朝ごはんを食べているときにまた端から端まで2〜3度宙を浮きゴミ箱が飛んでいった。ゴミ箱が飛ぶ瞬間を生まれて初めて見た。
ベランダの外に飛び出してはマズいと思って、今度はエアコンの室外機の柱にロープで括り付けて飛ばないようにしようとするが、私の技術ではどうにもならない。出勤前の夫が一度着たスーツを脱いで悪戦苦闘の末にやっとそれは成し遂げられどんな強い風が吹いてもびくともしなくなった。
でも見た目はとても不細工。早く風が止まないかと願う。

今日は、夫の会社で新入社員の入社式があるらしくていつもより40分早く出社しなければならないと言って急いでいたが、こんな時に限ってこんな事態が発生する。
遅れるわけにはいかないのでタクシーを呼んで乗っていった。
たいした距離ではないので走った方が早いのではないか?と思ったがそれは言わなかった。ゴミ箱と悪戦苦闘した後に、「走れ」などといくら私が鬼嫁でも言えるものではない。
私がもっと力強い技術を持っていれば済むことだが、それは今更無理だ。

18歳から成人となるらしい。
日本の成人の定義が曖昧すぎて20歳でもピンと来ていなかったのに、18歳と言われても尚更ピンと来ない。
テレビのニュース番組で18歳の人たちにインタビューをしていた。
その中で、
『私たちにそんな権限押し付けられても、責任負えない…ていうかまだ負いたくないですけどぉ〜』と言っていたのが印象的だった。
たぶん、ほとんどの18歳がそう思っているのだろう。
私たちの18歳の頃は、「早く大人になりたい、早く大人と認めてほしい」と大人に見られるような服装をしたりメイクをしたりしていたが、今はまったく逆になってしまった。少しでも若く見える服装をして、若く見えるような喋り方をする。「いつまでも子供でいたい、できるなら一生子供でいたい。いつまでも誰かに保護してほしい」というのが本音だ。
心理学の本のタイトルに『いつまでも若くいたいと思うのは勝手だが、いつまでも子供でいたいと思うのは虫が良すぎる』というのがあった。
誰も大人になりたいと思わない日本国民、さてどうなるのかな。

街を歩くと、新入社員っぽい人たちが集団で歩いている。
スーツが似合ってないのですぐにわかる。
このスーツが似合うようになる頃、きっと大人になるのかもしれない。
いや、ならないのかもしれない。
この歳になった私でさえ、時々子供みたいな考えが浮かんで自己嫌悪に陥るのだから…

あぁ嫌だ嫌だ。


読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。