酒好き主婦のときどきホテル生活vol.16
vol. 16 悲しみも痛みも乗り越えて…
どんより曇り空、しかも強風吹く1月中旬。
今年は新年早々いろいろありすぎて、ちょっとまだ立ち直れそうにないな…
と思いながら、
[Hotel Hankyu RESPIRE OSAKA]
それまでは暖かい日が続いていたのに、ホテルに行くとなるとこの寒波。
凍えながらキャリーを引き、滅多にしない手袋まで装着して出かけた。
予定通り午後3時チェックイン。
ホテルのロビーはわんさとお客がいる。ほとんどが外国人。
パッと見た感じ(言葉なども吟味して)中国人60%、欧米人30%日本人10%といったところだろうか…その10%の中の一人が私である。
日本人と欧米人は個人的にチェックインを行なっている。
自動チェックインの機械から出てきたのは35階の最上階「わぁお〜」と喜ぶが次の瞬間「もし地震が起こったら...」と言う不安もよぎる。
このホテルは2回目。以前の宿泊の時に短編小説を一本書き上げたという縁起のいいホテル。ロビーにはUCCポットコーヒーのマシンが並べられていて、宿泊客は自由に飲むことができる。その一台を占領して何杯もコーヒを作っては自分の水筒に入れるということを繰り返している人たちがいる。
さすがやね。この人たちはやっぱり現役やわ。
少し(いやかなり閉口)しながら私は自分の分を入れてロビーでコーヒーをまず一杯飲む。
このロビーにいると、不条理な短編くらいすっと書けそうなくらい物語が溢れている。
コーヒーを飲み終えて、35階まで上がる。
窓からの景色は、グランフロント大阪のビルとインターコンチネンタルホテルの窓がくっきり見える。
ふぅ〜っと脱力してベッドにダイブ。しばらく昼寝する。
30分ほど寝ただろうか、起き上がって荷物を整理した。
そこのあなた「少ないやん」と思ったでしょ。
今夜は居酒屋に行くつもりなので、お酒は少なめ。居酒屋でたらふく飲もうと思ってますのよ、へへへっ。
でもまぁ、まず一杯。
お疲れさまです。
ビールを飲みながら少し仕事をしたんだけど、なんか集中力がないわ。
そしてちょっと考えごと。
最近、最近といってももう3ヶ月ほど前になるけどstand.fmで声の配信、カッコよく言えばラジオなんだけどね、始めたわけよ。
ここでお知らせが遅れたのは、まぁ大人の事情ってやつがあって、それは大人の事情だから言えないんだけどね。それで今になったわけだけど…
今まで文字でしか私を知らなかった方が、声を聴いて「あらやだ、イメージが違う」とか「あらやだ、変な声」とか「あらやだ、自己主張しすぎ」とかの思いを抱くかたも...はい、いることでしょうが、そこはね多めに見て欲しいんですよ(勝手ながらね)
そのstand.fmをやり始めて早くもな〜んか嫌なムードが漂うことに気がついて、今はちょっと考え考え放送しているんだけど、その嫌なムードというのが、人を支配しようとする輩がいるのですよ。
「俺のいうことを聞いてれば間違いないから」みたいなことを言ってきて、stand.fmの創業者でも関係者でもなんでもない人なんですよ、その人。
それでね、言うことを聞かないというか無視してると自分のチャンネルで無視した人とかの批判をし始めるのよ。批判というとまだ聞こえはいいけどはっきり言って『悪口』を言い始めるわけ。
「あんなのバカだとか、あんなのもうやめちまえ、どうせ暇つぶしのババアだろう」とか…
で、自分のテリトリーに入ってきた人のことは、ベタ褒めするのよ。
「そうそう、俺の言うとおりやってればいいんだよ」みたいな。
「はっ?バカはどっちだよ。そっくりそのままお返ししやす」と、思いながらブロックボタンをポチッと押しました。
SNSにはありがちではあることですけど、この件は本当に嫌な気持ちにさせられましたよ。それでね、もうやめちゃおうかなと思ったんだけど、その人がね「あんな奴は長くは続かねい、そのうち消えてくよ」みたいなことを言ってたので、「くそっ、意地でもやめるか」と思って現在に至ってます。
すまんね、久しぶりなのに愚痴ばっかりでさ。
そんなこんなの困難を経てやっとでございます。
その点noteはドラブルもなくとても平和だと思う。
喋るのと文字にするのはまた違うかもしれない。文字は1文字ずつ打っていくから脳みそと繋がってるけど、喋るのはその時の感情もあるから言っちゃいけないことも言っちゃうことがあるのかもしれないな。
改めてセリフではない言葉を顔の見えない相手に向かって喋ることの難しさを感じています。
まぁ、そんなド素人丸出しの私の放送ですが、怖いもの聴きたさ?あるいはそっち方面のマニア(何のマニアだよ)の方?いらっしゃったらお聴き下さいませ〜
夕方になってきたので、シャワーを浴びて夜の街に出かける準備をする。
ここのホテルはスパはないけど、トイレとは別になっててちゃんと湯船があるからいい。それと滝のように流れるシャワーヘッドもいいわ。
ちゃちゃっとお化粧をし直して、目星をつけておいた居酒屋に向かう。
何が嬉しいってデュワーズでハイボールを作ってくれた。
私はデュワーズが好きなのだ。安上がりで美味しいのよ。3杯飲んだ。
入ったのは串焼き居酒屋。
アラカルトで12本くらい頼んで、あとはサラダと〆に雑炊を食べる。
隣の席にいた観光客(言葉からして南米系)の方達がワインをボトルで数本頼んで飲んでいて、私にも飲めとご馳走して下さった。
南米系の方って欧米系の方とはまた違った陽気さがあって私は好き。
よく飲み、よく笑い、よく喋って、実に楽しそうだった。
ワインを二杯ご馳走になった。
こういう思わぬ出会いがあるからひとり飲みは楽しい。
1時間ちょっと滞在して、ホテルに戻る。
帰る途中で知り合いとばったり会って「こんな時間どこ行くの?家、反対方向でしょ」と言われて「こっちにも家があるのよ〜」と言ったら「はぁ?」って顔してたけど、理由は言わずそのまま別かれた。こういうのは理由を説明したらシラけてしまうから「はぁ?」くらいに留めておいた方が面白い。
ホテルに戻ったら、ロビーはまだまだ人がいっぱい。
ほとんどが中国らからの観光客の方々。元気である。
部屋に戻ってサッパリしようとシャワーを浴びる。
パジャマに着替えて、さて、部屋飲みを始めよう。
このビールは初めて買ってみたけど、かなりフルーティなクラフトビール。
フルーティとは聞こえがいいけど、私のような年季の入った酒飲みにはちょっと甘すぎる。やっぱりプレミアムモルツでも買ってくればよかったと反省するが、ちゃんと飲み干した。このあとスパークリングワイン、白ワインと続けて飲む。
あぁ、生きてるって感じがするわ。自分らしく生きてるって感じ…
でも、よく「自分らしく」「私らしく」という言葉が使われるけど、
「自分らしく」「私らしく」って具体的に?と質問されて答えられる人っているのだろうか…私もこの言葉をよく使うけど、そんな質問されても、自分らしくがどういうことなのかは第三者には説明できないな。
これは具体的なことではなくて、感覚の問題だから。
例えば辛い食べ物を食べて、第三者に「どのくらい辛い?」と聞かれても、それを言葉で表すのは難しい。自分の舌の感覚の問題だから。
それと同じだと思う。だから「自分らしく」と言われても突っ込んで聞かない方が無難だと思うわ…と、そんなことを考えんがら飲む。
同時にAmazonプライムで映画を流しているけど、あまり面白くないのでほとんど音声は聞いていない。
……
いつの間にか寝落ち。
ふと目が覚めると、夜中の1時22分。
あぁ…と思いながら歯磨きをして、そこら辺を片付けて本格的に寝る。
すんなり寝た(ような気がする)
2日目
6時半起床。
爽やか、爽やかすぎてぐうの音も出ない。
なんかものすごくお腹が空いている。
朝ごはんは7時からと聞いている。あと30分が待ち遠しい。
お化粧をして身支度をしているうちに6時55分。もういいだろうとロビーに降りていく。ジャスト7時。
ここの朝ごはんは焼き魚が美味しくてそれが楽しみなのだけど、今回は鯖の塩焼きだった。これはダメ。私、鯖ダメなんよ…残念。
そして控えめに和定食っぽく自分で盛り付けて食べる。
ここでもいた!パンをビニール袋に大量に入れて持ち帰る人 。
どんな時もどんな所にいても自分を崩さない人たちだ。
こういう人たちこそ「自分らしく」を貫いているんだろうなと感心する。
ささっと食べて、ロビーでコーヒーをもらって新聞を読む。
ロビーの一角にあるソファーコーナーが私は好きで、前回はここに座って短編小説『ある日のマシーン日記』を書き上げた。
ここに座ると書けそうな気がするのだけど、今回は、天から何も降ってはこなかった。
ここで休憩していたら、外国人の男性(たぶんアメリカ人?)が「君は日本人か?」と話しかけてきて「そうだ」と答えると、「能登半島地震の状況について教えてほしい」と言われて「知ってることなら何でも」と言うと、
彼は現地に行って何かお手伝いがしたいそうでそれは可能だろうか?ということだったので「今は無理だ」と答えた。今はボランティアを受け入れる準備もできてないし、行ったところで何もできないだろうと、それに石川県に行く電車も止まっているということを教えてあげた。
そしたらものすごく残念がっていて、しきりに「何かしてあげたい」みたいなことを言っていたので「そうやって真剣に考えてくれる人がいるということだけでも石川県の方々は嬉しいと思うよ」と言っておいた。
それは本当だ。私は石川県の者ではないが、海外の方が日本のためにいろいろ思い悩んでくれているということを知れただけでも私は嬉しい。
「いつか手助けできる日が来たら、手伝ってあげて」と言ったら、
彼は「OK」と、笑顔で去っていった。
本当に、ありがたいことだと思った。
チェックアウトまであと3時間ほどある。
何しようかと考えて昼寝することにした。
昼寝ってことはないな、朝寝だな。
チェックアウト30分前に目覚ましをかけて寝る。
目覚めた時、廊下ではハウスキーパーの方々が鼻歌を歌いながら仕事をしておられた。何の歌はわかっらないが外国の歌みたいで、楽しそう。
着替えて、荷造りをして、ホテル生活終わり。
今回もすっきりしたぞ。